仕事が辛いと、ときには生きていることすら辛くなってしまうことがあります。社会人になると多くの時間を費やすため、仕事が辛いことで人生そのものが辛いと感じてしまいやすくもなるのです。また、仕事に対して強い責任を感じている人の場合、自分を責める気持ちが大きくなります。
でも、仕事が辛いと感じるのは、もしかしたら人生を見直すための心のサインかも?辛いと感じたら、我慢することなく、自分の声に耳を傾けましょう。
厚生労働省の調査では、現在の仕事や職業生活で強いストレスを感じる原因として「仕事の質・量」や「失敗、責任の発生」「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」などが挙がっています。 仕事が合わない、希望していない部署に回された、単調な仕事ばかりでやりがいが感じられない、という人は多いものです。前述した厚生労働省の調査では、「仕事の質・量」をストレスの原因に挙げた人は悩んでいる人のうち62.6%と最多。また、昇進、昇格、配置換えを挙げている人も23.1%いました。仕事の質や内容が働く上でとても重要視されていることがわかります。やりがい面など精神的に辛いと感じるだけでなく、立ち仕事で体を壊したなど、体力的に辛いと感じることもあります。 パワハラやセクハラ、いじめなど、職場の人間関係が悪くて辛いと感じる人も多いものです。やはり前述の調査では、「対人関係(セクハラ・パワハラを含む。)」が全体の30.6%と多くなっています。仕事自体は楽しくても、上司や同僚との仲が悪化すると出社するのも辛くなり、仕事まで楽しめなくなるものです。また、上司との関係が悪いと昇進などに響くことも考えられます。 特に営業や販売、管理職など、ノルマのある仕事に就いた人には、達成へのプレッシャーがきつくて辛いと感じることもあります。同僚などと比べられ、毎日が競争、周りがすべてライバルという状況に心身が追い詰められます。また、事務系でも「経費削減ノルマ」や仕事量のノルマがあったり、周りの人と比べられたりすることで辛い思いをすることはあるようです。 仕事量が多すぎて、忙しすぎることが辛いと感じる人も多いものです。中には営業時間内に終えることができず、残業や休日出勤しなければ追い付かないこともあります。肉体的な疲れはもちろんですが、これが続くと精神的にも追い詰められて疲れます。特に真面目な人は回りに迷惑をかけるという不安から無理をしてしまうこともあるようです。
まずは、自分の仕事のやり方の見直しです。仕事量が多すぎる、ノルマが達成できないといった場合、作業は効率よくできているか、仕事の優先順位は適切か、振り返ってみましょう。仕事が残ったら残業すればよいと自分で思い込んでいませんか?また、優先順位の高い仕事を後回しにする人は、なかなか仕事の成果が出にくくなります。 仕事が多くて辛いときは、誰かに頼るのも社会人のスキルのひとつです。自分のスキルと比べて仕事量が多すぎる場合や難しい仕事を任された場合など、周りに頼るのは悪いことではありません。上司や先輩にサポートしてもらったり、同僚に協力してもらったりできるのは、社会性や協調性のなせる業。これも立派な社会人スキルです。 また、協力を仰ぎつつも自分がまとめ役として仕事を達成できれば、リーダーシップの成功経験にもなります。 部署内のこれまでのやり方が効率的でないと感じたら、上司に改善案を提案してみる方法もあります。提案することで仕事への前向きさもアピールできます。自分の仕事の合間を縫って資料作成したり上司を説得したりと手間はかかりますが、成果が出たら辛さが減るだけでなく自分に対する評価もアップするでしょう。 会社を辞めずに辛さを改善したいなら、部署替えもよい方法です。人間関係や仕事内容が合わない場合には、上司や人事などに部署を替えてもらえないか相談してみましょう。「あれが嫌だから替わりたい」「あの人と相性が悪いから他の部署へ行きたい」といった言い方は逃げの印象を与え、子供じみた理由だと思われます。できれば前向きに「○○にチャレンジしたいから」といった理由を述べられるようにしたいところです。 仕事が辛いと一度思ってしまうと、なかなかその思いを乗り越えられなくなることがあります。悩んでいるうちに、負のスパイラルに陥ってしまい、気持ちが落ち込んでしまうことも。仕事の辛さで気持ちが落ち込んでしまったときに使える乗り越えるための気持ちの持ち方・ヒントを紹介します。 仕事が辛いときには、一人で悩まないこと、そして諦めないことが大切です。仕事をしていれば辛いことがあるのは事実ですが、それを「当たり前だ」「みんな辛いのに自分が甘えている」などと思ってはいけません。いつも辛かったり強いストレスを感じることが多いと心が病んでしまうこともあります。辛いと感じたら、諦めるのではなく辛さを改善できる方法を探す方へ目を向けましょう。 仕事が辛いと感じたら、一人で抱え込まずに誰かに相談しましょう。客観的にみられる第三者に話すことで、解決策のアドバイスがもらえるかもしれません。また、ただ相談するだけでも気晴らしになって気持ちが落ち着くこともあります。
仕事が辛くなったとき、過去の偉人の名言に励まされたり、心を癒されたりすることがあります。座右の銘や辛いときの心の支えとして知っておきたい名言・格言を紹介します。 山は西からも東からでも登れる。自分が方向を変えれば、新しい道はいくらでも開ける。 松下幸之助氏(実業家、発明家、著述家 パナソニック創業者)の言葉です。自分の視野の狭さに気づかされ、新しい道を探したくなります。 逃げた者はもう一度戦える。 デモステネス(前4世紀のアテネの弁論家・政治家)の言葉です。逃げることだって、場合によっては大切なこと。戦略として使えば、逃げも賢い手段になります。逃げたと後悔している人も、勇気が出そうな言葉です。 物事に良いも悪いもない。考え方によって良くも悪くもなる シェイクスピア(イングランドの劇作家、詩人)も作品のなかで多くの名言を残しています。こちらはハムレットから。まずは自分の考え方をちょっと変えることから始めませんか? 楽観的になりたいなら、客観的になることだ。 また、日本に戻ります。精神科医であり随筆家でもある斎藤茂太氏は、心をホッとさせる、前向きにしてくれる名言を多く残しています。これは、精神科医として的確に心の持ちようを説いた言葉です。辛くて先がみえないときにも、自分を客観的に見つめ直すことで自分の悩みの小ささに気づいたり、新しいアイデアが生まれたりします。
どうしても今の仕事が辛く、今の職場や会社にいてはその辛さを改善できないときには、転職も考えてみましょう。改善の努力をした上での転職なら「逃げ」ではありません。環境改善の手段のひとつとして、転職も視野に入れておくことは大切です。 転職を考えるなら、やっておきたいのが自己分析です。まずは仕事が辛いと感じる理由から転職先の希望条件を絞り込んでみましょう。 飛び込み営業でノルマや外回りがキツイなら、ルート営業や事務方など、人と会うのは好きだけど外回りが嫌なら販売系もありです。また、事務でコツコツと地味な作業や成果が評価されにくいのが嫌ならば、反対に営業畑にチャレンジするのもよいかもしれません。このように辛い理由を元にして自分の希望を掘り起こし、転職先を絞り込むとよいでしょう。 転職を考えるなら、とりあえず転職サイトに登録だけしてみるのもおすすめです。たくさんの求人情報を見ることで、視野が広がり「今の仕事を辞めても他に仕事はあるんだ」と気持ちが落ち着くこともあります。登録しておけば、空き時間に検索したり、オファーが届いたりと手軽に転職への一歩を踏み出せます。
転職エージェントは、担当のコンサルタントが求人の紹介や入社までのサポートをしてくれるサービスです。対面や電話などで相談できるので、転職したい理由や転職への希望を理解した上で自分に合う企業を探してもらえます。 コンサルタントは企業の担当者と直接やり取りをするため、ハローワークや求人情報誌などよりも転職先の情報が多い点も魅力となっています。転職エージェントによっては各企業の残業の多さや職場の雰囲気なども把握していることがあるため、事前に詳しい情報を教えてくれることもあります。
仕事が辛いときは理由を探そう
仕事が辛いと感じたら、まずはその理由を探ってみましょう。何が辛いのか具体的にわかると、対策も立てやすくなります。仕事内容が合わなくて辛い
人間関係が悪くて辛い
ノルマがきつくて辛い
仕事量が多すぎて辛い
仕事が辛いときに自分でできる改善方法
仕事が辛いと感じても、すぐに今の仕事を辞める必要はありません。まずは仕事を続けていくことを前提に、働きやすくするためにできることを探してみましょう。自分の仕事のやり方の見直しをしてみる
■仕事が辛いときは人に頼る
仕事のやり方の改善を提案してみる
部署替えをお願いしてみる
仕事が辛いを乗り越えるヒント
仕事は辛いものと諦めない
1人で抱えずに相談する
仕事が辛いときに助けてくれる名言
どうしても仕事が辛いときには転職を
辛い理由から希望の転職先を絞り込む
とりあえず転職サイトに登録してみる
転職エージェントでサポートされながら活動する
仕事が辛いのは当たり前ではない
仕事が辛いと感じたら、まずは効果的な対策を講じてみましょう。自分で努力した結果、改善できなかったら転職を考えるのも一つの選択肢になります。仕事が辛いのは当たり前、自分が弱いだけと自らを責めないで。我慢強い人は特に、精神的に追い詰められることもあります。辛いときには我慢せずに「辛い」と声を上げて周りに助けを求めることも大切です。