マージンとは「余白」または「手数料」のこと!
上司
新人
上司
上司さんは歯の治療の話で「マージン」を使っていましたね。「マージン」は文脈によって違った意味で使用される言葉で、歯科だけでなく、ビジネスでもいろいろな意味で用いられます。この記事では「マージン」がどんな使い方をするのか、詳しく解説していきます!
マージンの意味をチェック
「マージン」の使い方を理解するために、まずはもともとの「マージン」の意味をしっかり学習し、ビジネス会話で登場しても困らないようにしましょう。
マージンには2つの意味がある
「マージン」は「余白」と「手数料」の2つの意味をもつ単語。そこから意味が広がり、いろいろな文脈で異なる意味の言葉として使われています。もともとの意味をしっかり理解すると、派生した意味もわかりやすくなりますよ。
①:余白
余白という意味での「マージン」は、出版印刷の分野でよく使われます。印刷するページの周囲を囲む空白部分が「マージン」。図で示すと、次のようになります。
あるいは、書類の周囲ではなく、中にある余白を「マージン」ということもあります。
「マージン」の言い換えには次のような言葉が使用できます。
・余白
・ブランク
・空白
・スペース
②:手数料
手数料という意味の「マージン」は製造業界や流通業界などで多く用いられます。
売上高(商品や製品、サービスを販売して得る代金)から、売上原価(商品、製品、サービスにかかった費用)を引いたものが「マージン」。売上総利益とも呼ばれます。つまり、売った値段から仕入れなどにかかった値段を引いたものがマージンとなります。
このように、手数料として会社がキープできる部分のコストがマージンとなります。
※製造原価:製品製造にかかる費用。
※仕入原価:商品・製品の仕入れにかかる費用。
マージンの言い換え表現
手数料という意味で「マージン」を使う場合、言い換えには次のような表現もあります。
・粗利益
・差額
・差益
・利鞘
手数料として取っている部分を利益や差額とみなすことで、このような言い換えができます。
マージンの英語は「margin」
「マージン」は英語表記すると「margin」。「margin」には次のような意味があります。
・(時間・経費・活動などの)余裕
・(誤りなどの)余地
・(商業における)利鞘、利幅、利益
・(時間の)差
・(得票などの)票差
・縁、へり、端
このように、英語でもカタカナ語と同じ意味合いで使われていることがわかりますね!
マージンには「余裕」という使い方もある!
「margin」に「(時間・経費・活動などの)余裕」の意味がありましたが、カタカナ語の「マージン」も「余裕」という意味をもっています。
工業分野で一般的に使われる「マージン」の意味で、規定値(定められた標準の値)に対しての余裕分を表します。寸法や性能などで許容できるブレの範囲を意味することが多いです。
「余白」の意味を覚えておけばなんとなくイメージできるかもしれませんが、「余裕」としての使い方も覚えておきましょう。
[ビジネス版]マージンの例文
「マージン」の意味がわかったら、次は例文で「マージン」の使い方を確認してみましょう。状況をイメージしながら読んでみてください。
上司
新人
新人
先輩
新人作業員
上司
マージン◯◯!関連用語も覚えておこう
「マージン」には特殊な意味で使われている関連用語があります。社会人なら関係してくることも多い言葉ばかりなので、この機会にしっかり覚えておきましょう。
マージン率
マージン率は派遣業界で使用される言葉。
派遣会社は派遣先の会社から「派遣料金」を受け取ります。派遣で働く社員には「派遣料金」の中から賃金が支払われます。
マージン率は「派遣料金」から「派遣社員の賃金」を引いた残金が「派遣料金」の何パーセントになるかを示したものです。次の計算で求めることができます。
(派遣料金-派遣賃金)÷派遣料金=マージン率
マージン率が大きければ派遣会社の取り分が多くなり、派遣社員が受け取る賃金が少なくなります。
マージンローン
マージンローンは株式を購入するときに、投資家が株式購入額の一部を証拠金として支払うと、残額分を銀行が貸し付けてくれる仕組みのローン。投資家が購入した株式はローンの担保になります。小資本でまとまった額の株式投資をすることができます。
しかし、購入した株式の株価が下がった場合には、損失を補充する証拠金を追加で支払わなければなりません。一度追加の補償金を支払っても、株価がさらに下がれば繰り返し追加の補償金を要求されます。追加の補償金を支払うことができない場合には、担保の株式はその時点で売りに出されます。
マージンコール
マージンコールはマージンローンで株価が下がった場合に、投資家が銀行から支払いを要求される追加の証拠金のこと。
信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引、CFD取引(差金決済取引)などでも、相場変動などによってあらかじめ支払っている証拠金の総額が不足するとマージンコールが要求されます。
難しい単語が並んでいますが、要するに投資で損が発生したときに、投資家が追加で支払わなければならなくなるお金のことですね。
マージンミックス
マージンミックスは粗利益率(売上げの中の利益の割合)が大きい商品と小さい商品を、抱き合わせにして販売するマーケティング方法。
商品ごとに粗利益率がバラバラでも、売り上げ全体でみると粗利益を確保することができるメリットがあります。お客さんの購入意欲を維持する効果もあり、一定の客単価をキープできます。
100円ショップや、チェーンのハンバーガーショップなどで使われる方法のひとつです。
代理店・中間業者が多いならマージンの存在を忘れずに!
手数料としてのマージンは、取引の間に中間業者が入ってくるたびに上乗せされてかかってきます。代理店や中間業者が多く入る取引をするときには、マージンがかさむことにも注意を払う必要があります。
とはいえ、代理店・中間業者を挟まない取引が最善の方法かといえばそうでもありません。たとえば、食材の仲卸業者は食材についての豊富な知識やノウハウをもつプロです。飲食店を経営するなら、食材のプロの力を借りられると心強いですよね。
代理店・中間業者といい関係を築けるように心がけ、ビジネスパートナーになることをおすすめします。