「慰労」の意味=ねぎらう
部下
上司
部下
「慰労」とは 苦労に対して労うことを意味する言葉です。
「労わる」には”優しくすること”や”大事にすること”、「慰める」には”気持ちを落ち着かせる”という意味があります。「慰労」の文字があらわすように、相手を気遣って労わるフレーズとして使用できます。
相手を気遣い労わる表現はほかにもあるので、お疲れの人を見かけたらさまざまな言葉で労わってあげましょう。
・慰謝
・感謝
「慰労」に関する疑問
労わりの意味である「慰労」は相手を気遣う言葉です。人に対して気遣うことは悪いことではありませんが、何事も度が過ぎれば失礼になってしまうケースも少なからずあります。「慰労」はビジネスシーンに適した表現なのかを確認していきましょう。
「慰労」の読み方は?
「慰労」は「い-ろう」と読みます。それぞれの漢字には独立した意味があり、「なぐさめて-いたわる」と書いて「いろう」。どちらも音読みの漢字です。
「慰労」には「慰問」や「慰安」。「苦労」や「勤労」といった「労わり」にまつわる単語があるのも特徴です。
「慰労」は目上の人に使える?
労わりの言葉である「慰労」は相手への思慮・配慮の言葉。使っても問題はないように思われがちですが、「慰労」という言葉を向けられて違和感を覚える人も少なくありません。
「慰める」「労わる」というフレーズに”上から目線”や”年寄り扱い”と受け取られる恐れがあります。特に目上の人に対して使う場合は、相手の性格も考慮して慎重に使う必要があります。
判断が難しいときは「ご自愛ください」や「お大事にしてください」のような別の言葉に言い換えましょう。
※「慰労」の別の言い換え表現は下記記事をご覧ください!↓↓
「ご自愛ください」の正しい使い方!ビジネスメールや目上の人に使う際の注意点とは
「お大事にしてください」はビジネスに適した敬語?上司や家族への使い方・返事の仕方・英語表現を解説
「慰労」の使い方・例文
「慰労」を使用する場合には”相手に違和感を覚えさせないこと”が大切です。日ごろの感謝を込めた言い回しをして、相手にスムーズに受け入れてもらえる使い方を覚えましょう。
“慰労してください”という直接的なニュアンスに違和感を覚える人に対しては、目的という形で「慰労」を使うのが無難です。
また、「慰労」を使った催しに「慰労会」や「慰労金」という単語もあります。
「慰労」の類語
“相手を労わる”という意味の言葉は「慰労」以外にも、日常会話やビジネスシーンの様々な場所で登場します。ニュアンスに不安がある場合、類語や言い換え表現を使い分けながら相手を労わりましょう。
慰安
「い-あん」と読み、“心をなぐさめて労をねぎらう”「慰」を使った単語です。「慰安」を単独で使うことよりも、ビジネスシーンでは社員全員を労う催しの「慰安旅行」というかたちでよく使われています。
「慰労」と同じ意味合いの単語ですが、「~会」という表現では「慰安」のほうを使用することが多い言葉です。
慰謝
「い-しゃ」と読み、「慰」を使った”なぐさめていたわる”ことを意味する言葉です。「謝」という漢字からわかるように、“相手に対して謝罪の気持ちを”あらわす意味合いの言葉になります。
一般的によく使われている言葉が「慰謝料」。相手に対して不当な行為、損害を与えたことに対して、対価となる支払い、補填をさす言葉です。類語には「損害賠償」。
古い言葉で「慰藉」と表記することもあり、「慰謝」と「慰藉」どちらも単独で使われる機会の少ない言葉です。
感謝
相手に対してありがたいと思う気持ちをあらわした言葉です。「謝罪」や「慰謝」のように相手に詫びるイメージの強い言葉ですが、「謝」にはその一文字で「感謝」をあらわす意味もあります。
「感」という字には”気持ち=心”という意味があり、「詫び」や「礼」の気持ちを「感謝」として表現しています。現在ではお礼の意味合いが強い言葉ですが、本来はどちらの意味としても使える単語です。
心から”謝りたい”ときや”お礼をしたい”と思う気持ちが「感謝」になります。
「慰労」の関連語
「慰労」は単体で使うことよりも、「慰労」を目的とした催しとして使用されることのほうが多い言葉です。「慰労」の関連語にはどのようなものがあるかをチェックしていきましょう。
関連語①「慰労会」
「慰労会」とはその名の通り「慰労」を目的とした会合・宴です。ビジネスシーンでは特に優秀な業績を残したものや、長年勤めてきた人を労うために催されます。
一般的な「慰労会」とは、仕事に関わってきたものを中心に企画される酒宴・宴会、旅行を指します。労いを目的とした会であるため、多少の無礼講も許される雰囲気がありますが、ビジネスパーソンとして大きく礼を欠く行為は慎みましょう。
「慰労会」を知らせる案内状の書き方
社内で「慰労会」を開く際には例え身内であっても相手がビジネスパーソンであることを忘れてはいけません。ビジネス文書をベースとした文章で「慰労会」の案内状を作成するのがベターです。
差出人、宛名は一般的なビジネス文書のテンプレートでも問題ありません。要は案内状の目的がなにかを伝えることが重要です。「慰労会」の主催、主役、開催日時、出欠といった必要な情報も忘れずに相手に伝えましょう。
「慰労会」で必須!司会の挨拶
「慰労会」を開いたあとも会を成立させるための司会進行役の存在は必要です。司会の挨拶まできっちりこなして「慰労会」を盛り上げましょう。
司会の最初の役目は「慰労会」の主旨の説明。どういう会合なのかを説明し、そのなかで自己紹介も行ないます。そのあとの流れは幹事を順に参加しているメンバー紹介、最後に乾杯を行なって開会を宣言します。
「慰労会」の主役が別にいるのであれば、会の途中で花束贈呈やスピーチを挟むとよいでしょう。これらは説明を行ったあとの冒頭で済ませるよりも、宴がなかばになったころのほうが効果的です。
関連語②「慰労金」
「慰労金」とは、これまでの功績に応じて報酬として支払われる金銭のことを指します。「退職金」と同じ意味合いで使われる言葉ですが、厳密にいえば金銭の扱いが異なります。
「退職金」は退職を機に一時金として贈られる金銭。「退職手当」や「退職慰労金」と呼ばれるケースがあります。「慰労金」とは”役職に就いているものへのこれまでの功績で支払われる金銭”です。
「退職金」は”既定の金額が会社側で計算されている金銭”に対し、「慰労金」は”株主総会での決議や商法に基づき定められている金銭”です。そのため、「慰労金」は会社の裁量で支給を決めることができません。
社会問題となっている天下りによる「退職慰労金」の授受。受け取る側の金額=功績が不当とされていることが原因です。このような問題が起こるのは会社ごとによって「退職金」の線引きが不透明であることも理由となっています。
「慰労」の英語表現
「慰労」はビジネスシーンでも使われる言葉であるため、英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられます。
いざという時のために、会話やメールでの使い方を確認しておくと安心です。
recognition of services
recognition of merits
gratitude
と表現できます。
「慰労」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒日ごろの感謝を込めて 慰労してもらうのが目的です。
・Let’s express our gratitude to everybody who fought so bravely.
⇒健闘したみなさんを慰労してあげましょう。
「慰労する」の英語例文
「慰労する」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒現場で日々働く人に対して慰労する気持ちを忘れてはいけません。
「慰労会」の英語例文
「慰労会」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒今回の成功を祝い、参加者全員に慰労会を企画しています。
「慰労」の正しい使い方をマスターしよう!
日々働き続けるビジネスパーソンにとって休息も仕事のひとつです。頑張り続けることの尊さを理解しているからこそ、毎日を頑張っている人には感謝の気持ちを込めて正しい意味での「慰労」をしてあげてくださいね。