エンドユーザーは「最後に商品を買うユーザー」のこと
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エンドユーザーは最後に商品を買うユーザーのことですが、企業においてはそれが個人であるとは限りません。
また、モノを販売する仕事に携わっているなら、エンドユーザーという言葉は頻繁に登場しますが、厳密にはわからずに使っている人もいるのではないでしょうか。
ぜひ『エンドユーザー』が何を指しているのかを明確にして仕事に取り組めるようになりましょう!
エンドユーザーの意味をチェック
文字だけを見ると『エンド=終わり』『ユーザー=使う人』で、最後に使う人?と解釈することもできますが、本当にそのままの意味なのでしょうか。そこでまずは、カタカナ語としての意味のほか、「英語でも同じ意味なの?」というところもあわせて明確にしていきましょう。
エンドユーザーとは?
エンドユーザーの意味は、『最後に使う人』になります。具体例からイメージをつかんでいきましょう。
たとえば、AさんがBさんにプレゼントするために電子レンジを購入したとします。この場合、最後に購入した人はAさんですが、実際に使うのはBさんなので、エンドユーザーはBさんになります。
もっとわかりやすい例をあげてみましょう。ネコを飼っているAさんがキャットフードを購入しました。購入したのは飼い主ですが、それを実際に食べるのはネコ。この場合のエンドユーザーはネコです。
一般的に動物に対して使うことはありませんが、商品やサービスを末端で使う人と覚えておくと簡単ですね。
エンドユーザーの英語は「end user」
エンドユーザーの英語は『enduser』と一つの単語として表記する場合もありますが、基本的には『end』+『user』と熟語形式となり、以下の意味をもっています。
■(製品の)末端利用者
■最終消費者
エンドユーザーの類語と区別しよう
普段当たり前にエンドユーザーという言葉を使っていても、ふと「この言葉とはどこが違うんだろう…」と思うことがあるはずです。ここではそれら類語との違いをハッキリさせたいと思います。
エンドユーザー・ユーザーの違い
多くの人が「どの範囲までが『end(エンド)』にあたるのか?」と思っていることでしょう。2つの違いは次のとおりです。
エンドユーザー・消費者の違い
消費者とは、お金を払って商品を購入したりサービスを受けたりする人を指します。商品を購入して使う場合には『エンドユーザー=消費者』になりますが、必ずしも常にイコールになるわけではありません。
あるお婆さんが、お孫さんにテレビゲームを買ってあげたとしましょう。この場合、お金を払って購入したのはお婆さんなので、消費者はお婆さんです。
しかし、実際にゲームを使うのはお孫さんなので、エンドユーザーはお孫さんということになります。
エンドユーザー・顧客の違い
顧客とは、リピーターとも呼ばれている客層で、『お得意様』も顧客になります。つまり、一度の購入にとどまらず、何度も繰り返し商品を購入したりサービスを利用したりしてくれる客のことを指します。
一度の購入でも末端の使用者であればエンドユーザーになりますので、必ずしも『エンドユーザー=顧客』とはならないわけです。
エンドユーザーが用いられれる分野と使い方・例文
さまざまな分野にエンドユーザーが存在しますが、それぞれどのように会話に登場するのでしょうか。理解を深めるための例をいくつか紹介します。
商品・サービスの利用者
一番わかりやすいのがこの分野でしょう。商品やサービスも幅広く、スマホを作っている人に対し、実際に使う私たちはエンドユーザーになります。
そのほかにも、スーパーで食材を買い、それを料理しますよね?その場合、実際に調理をする人達がエンドユーザーになります。
不動産・建築における入居者・利用者
賃貸マンション、貸店舗などの不動産においては、実際に住む人やテナントを利用する人がエンドユーザーになります。分譲住宅の場合には、建築を依頼した業者はクライアントで、エンドユーザーは購入した人ということになります。ただし、注文住宅の場合には、クライアント=エンドユーザーになりますので違いを覚えておきましょう。
IT業界が開発したソフトやアプリの利用者
ITの分野では、ソフトやアプリを作る人がいれば、それらを利用する人がいます。その利用する人がエンドユーザーになります。スマホやタブレットでゲームを楽しんでいる人も多いと思いますが、これらの人々もエンドユーザーということになります。
ビジネスマンが知っておきたいエンドユーザーの略や呼び方
商品市場においてはエンドユーザーはたいてい存在するため、ビジネスシーンでは『エンドユーザー』という言葉は当たり前に登場します。そこで、言葉の意味とともに知っておいてもらいたい事柄をいくつか紹介しておきます。
エンドユーザーの略は「EU」
企業での書面上ではエンドユーザー(end user)はスペルの頭文字をとって『EU』と略語で書かれていることも多いです。EUを略語としているものは、ほかに『欧州連合』がありますので、どちらを指しているかは書類の中身で判断しましょう。
エンドユーザー様という使い方は間違い
エンドユーザーはお客ということになるため『エンドユーザー様』と『様』をつけたくなるところであり、実際にそのように言う人もいます。しかし、これは間違った使い方なんです。
しかし、エンドユーザーはカタカナ語であっても、英語でもあるわけですから、英語の呼び方に『様』をつけるのは正しくないことになります。
エンドユーザーのほかに、『クライアント様』も耳にすることがありますが、これも間違いです。
どうしても丁寧な表現にしたいなら、『エンドユーザーの方々』『クライアントの〇〇様』などが使えます。
エンドユーザーの関連用語
世の中には『エンドユーザー〇〇』といった言葉がいくつかありますが、これらは『最後に商品を買うユーザー』の意味を含んでいるのでしょうか?よく耳にする言葉をピックアップして見ていきましょう。
エンドユーザーコンピューティング(EUC)
End User Computingの頭文字をとってEUCと呼ばれることもあるエンドユーザーコンピューティングは、情報システムを利用する現場で、業務に必要なアプリケーションやシステムを開発・運用することをいいます。
情報システム部門など、専門の部署で行う開発ではなく、あくまでもエンドユーザーの立場にある人が行うのが大きな特徴といえます。
エンドユーザーライセンス契約
End User License Agreementが英語での正式名称で、各単語の頭文字をとって、EULA(ユーラ)と呼ばれています。
ソフトウェアを使う末端の利用者(エンドユーザー)と、ソフトウェアの開発元との間で交わされる契約のことを指しており、使用・複製・禁止行為などの条件や保証・責任・サポートなどが定められたものとなっています。
エンドユーザーランタイム
Microsoftが提供しているプログラムソフトに『DirectX(ダイレクトエックス)』というものがあります。これは、ゲームや音楽など、フルカラーグラフィック、ビデオ、アニメーションを快適に実行するためのソフトです。
このソフトウェアの中で、パソコンでゲームでよく使うものを定型文にしてまとめているところを『エンドユーザーランタイム』といいます。
「エンドユーザー」という表現でターゲットを明確に
ユーザー、消費者、利用者など、どのような位置づけで商品やサービスを使うのかで呼び名が変わるということは理解できましたか?これまでなんとなく『エンドユーザー』という言葉を使っていた人も、今日からはターゲットを明確にして、正しく使うようにしてくださいね。