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「お言葉に甘えて」は目上の人に使える表現?言葉の意味や正しい使い方を今すぐ確認

「お言葉に甘えて」は目上の相手に使える敬語表現

「お言葉に甘えて」は、「言葉」に尊敬を表す「お」が接頭語として付いた敬語であるため、目上の人や上司に対して使える表現です。

「お言葉に甘えて」は目上の人や上司からのご厚意に対して、恐れ多いと恐縮しながらも、受け入れる際に使うことができます。

目上の人や上司に対して使うため、「恐縮です。お言葉に甘えてごちそうになります」など、「お言葉に甘えて」の前後に言葉を加えるのが基本的な使い方となります。

相手を敬う言葉であるため、「お言葉に甘えて」を同僚や目下の人に使用すると不自然になるため注意しましょう。

デキるビジネスパーソンを目指すなら「お言葉に甘えて」の類語もしっかりマスターすることをおすすめします!

「お言葉に甘えて」の類語
・ご厚意に甘えて
・お気持ちに甘えて
・ご親切に甘えて
・お心遣いに甘えて

「お言葉に甘えて」の意味

「お言葉に甘えて」は”他人のご厚意に預かる”という意味で使われる言葉です。

しかし、ビジネスシーンでも使うことができ、相手からの好意や親切に対して感謝しながらも受け入れる様を表現しています。

「お言葉に甘えて」の使い方

ビジネスシーンでは取引先からの申し出に対し「それでは、お言葉に甘えて~」といった使い方がされるのをイメージする方は多いのではないでしょうか?日常会話では親しい方からのおすそ分けや誘いに対し同じような使われ方がされています。

しかし、同じ目上の人が相手でも、ビジネスシーンと親しい間柄とでは自分とその人との関係性は全く違ってきます。

それぞれのシチュエーションごとに使われる「お言葉に甘えて」の使い方についてご紹介します。

「お言葉に甘えて」の例文

例えば、先方からの誘いや促しに対して「お言葉に甘えて」という使われ方が想定されます。ビジネス・プライベートなどで見られる一般的なやり取りへの返し方の文例として、以下を挙げました。

上司「仕事も早く終わったし、私のおごりで帰りに一杯やっていかないか?」
部下「お言葉に甘え、ご馳走させていただきます。」
先輩「今日はお疲れ。一緒に飯でも食いに行こう。」
後輩「「お言葉に甘えてお付き合いします。」
上司「昨日はあの後、取引先の相手と一緒に同伴したそうだね?」
部下「つい、先方からのお誘いのお言葉に甘えてしまいました。」

「お言葉に甘えて」という言葉には、常に目上の方からの配慮や厚意に対する返事として、気持ちを受け入れつつも、相手に対するこちら側の敬意や礼節を持って返すという気持ちが含まれています。

ただし、使い方によっては相手に違和感を感じさせる場合もあるので、乱用は控えるべきでしょう。その場合は、同じ意味合いの別の言葉を使い、下記のように相手に報いるこちらの意思を伝えましょう。

「お言葉に甘えて帰らせていただきます。」→「それでは遠慮なく帰らせていただきます。」

「お言葉に甘えて」の類語

「お言葉に甘えて」という言葉が使われるシチュエーションは、ビジネスシーンだけに留まらず、目上の方との日常会話などにも使われます。ただし、何に対しても「お言葉に甘えて」と返さず、場合によっては言葉を選んで使い分ける必要があります。

あまり畏まった言葉を使うと、却って相手が窮屈に感じてしまう場合もあるので、融通を利かせて言葉を変える工夫も必要です。

どの言葉も相手からの「自分への配慮」であることを忘れず、相手に対して敬意や礼節を持った意味合いの言葉で返すことが大切です。

「お言葉に甘えて」の言い換え例文

「お言葉に甘えて」は、

・ご厚意に甘えて
・お気持ちに甘えて
・ご親切に甘えて
・お心遣いに甘えて

このように様々な言葉に言い換えることが可能です。

それだは、「お言葉に甘えて」の言い換え例文を確認しましょう。

「ご厚意に甘えて」の例文

同僚「この案件は私もお手伝いします。」
自分「ありがとうございます。それでは、ご厚意に甘えて。」

「ご厚意に甘えて」は目上の人にも使えるため、「お言葉に甘えて」の言い換え表現として使い勝手の良い言葉です。面識のない方からの厚意を向けられた場合や、親しくない間柄でも返し言葉として使えます。堅苦しさを相手に与えずにお礼の気持ちを向けることができます。

「お気持ちに甘えて」の例文

上司「少し根を詰め過ぎだ。無理せず、今日は早く帰った方が良いぞ。」
部下「申し訳ありません。お気持ちに甘えてそうさせていただきます。」
同期の同僚「あとは一人でやっとくから、ちょっと休んでいいよ?」
自分「ありがとう、ではお言葉に甘えて」

「お気持ちに甘えて」も「お言葉に甘えて」の言い換え表現としてよく使われる言葉です。相手の気持ちに対して感謝を表すことができます。

「ご親切に甘えて」の例文

上司「体調がすぐれないのなら、今日は早く帰りなさい。」
部下「ご親切に甘えてそうさせていただきます。」

「ご親切に甘えて」は、言葉通り人からの親切に対して使用できる言い換え表現です。言葉だけではなく、相手からの行動に対しても使うことができます。

「お心遣いに甘えて」の例文

クライアント「こちら、出張先のお土産です。お使いください。」
部下「ありがとうございます。お心遣いに甘えて、頂戴いたします。」

「お心遣いに甘えて」は相手からの心遣いや思いやりある言葉以外に、行動に対しても使用できる言い換え表現です。

「遠慮なく~」はお言葉に甘えてよりカジュアルな表現

「それでは”遠慮なく”いただきます。」

目上の相手でも距離感の近い上司やご近所付き合いのある親しい方に対して”遠慮なく”という言葉通り「気兼ねのない気さくな」との意味合いでの使い方となります。

「遠慮なく頂戴いたします。」

一方、前後の言葉を変えるだけで、気さくな言葉から礼節を感じさせる整った言葉になります。

このように「遠慮なく」は「お言葉に甘えて」の言い換え表現として使用可能です。しかし、これまでにご紹介した言い換え表現よりも、やや崩したカジュアルニュアンスになるため、使用する相手やシチュエーションは考える必要があります。

「お言葉に甘えて」の英語表現

「お言葉に甘えて」という言葉は、相手の申し出や厚意に対する日本語独特の言い回しです。そもそもの文化が違う英語圏での「言葉に甘える」に近い意味合いを持つ英語は以下になります。

・「your kind offer」-「親切な申し出」
・「accept」-「受け入れる、応じる」
・「take 〇 up on △」-「〇の△を受け入れる、〇の△に応じる」

日本語で言う所の「お言葉に甘える」とは、言わば「親切な申し出を受け入れる」ことを意味します。つまり、これらの意味を指し示す上記の単語を組み合わせた英文が、英語圏での「お言葉に甘える」を指す言葉になります。

例1:I will accept your kind offer.(あなたの親切な申し出を受け入れます。)
例2:I will take up on your kind offer.(あなたの親切な申し出に応じます。)

ちなみに、同じ意味の「I will~」と短縮形の「I”ll~」では言葉のニュアンスが違います。自ら進んで受け入れる「I will~」に対し、「I”ll~」だとカジュアルな受け答えになってしまうので、目上の方に使うなら「I will」を選ぶべきでしょう。

「お言葉に甘えてもいいですか」の英語表現は?

例1:May I accept your kind offer?(あなたの親切な申し出を受け入れてもいいですか?)
例2:Is it ok if I take you up on your offer?(あなたの親切な申し出に応じてもいいですか?)

「お言葉に甘えて」を使う場合に疑問形を使ったシチュエーションです。

「~しても良いですか?」の英語表現では「Can I」と「May I」の2種類がありますが、この場合は「May I」を使う方が適切です。どちらも「~しても良いですか?」という意味では同じですが、「May I」の方がより丁寧な表現となります。

例2は「え?いいんですか!それじゃあ~」という風に、自然の会話の流れで使う英文です。相手との会話が盛り上がった時など、いわゆる「ノリ」的な勢いで使える崩した形での英文表現になります。

「お言葉に甘えて」を使って目上の人との関係を円滑に!

「お言葉に甘えて」という言葉は、相手の厚意を受け入れつつ、感謝の意を込めた日本独自の言い回しです。同じ意味合いの言葉でも「親切に甘えて」「ご厚意に甘えて」など、様々な単語の後に「甘えて」と付けるパターンがいくつも存在します。

ビジネス上の付き合いやご近所付き合いなど、相手との関係性や距離によって言葉を変えることはありますが、どの言葉にも相手からの申し出に対して感謝を示す意味があることを覚えておきましょう。

目上の方からの申し出に対しては、正しく「お言葉に甘えて」を使い、皆さんも円滑な人間関係を築いてくださいね。