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「一端を担う」の意味とは?使い方や志望動機の例文・類語・「一翼を担う」との違い・英語表現を解説!

「一端を担う」の意味=部分的な責任・役割をもつこと

後輩

うわわー・・・。重要なプレゼンの発表役に指名されるなんてついてないなぁ…。
何言ってるの!あなたもこのチームの一端を担うんだからしっかりしなさい!

先輩

後輩

うう・・・。余計プレッシャーになってますけど…。

「一端を担う」とは、 そのポジションにおいて部分的な責任・役割をもつことを表現する言葉 です。

「一端」とは本来は”一部分”や”片隅”を意味する言葉。スポーツのような団体競技での「~の一端を担う」という表現には、集団、または組織において”役割の一部を担っている”人を示す意味で使用されています。

「担う」には”負担するという意味”があり、”一端を担う”の表現は”部分的な責任・役割の負担を背負う”という言葉になります。

同じ意味合いとして「一翼を担う」のように、なんらかの役割をもつ人を指したさまざまな表現もあります。言葉の意味を理解するために、類語表現もあわせて掘り下げていきましょう。

「一端を担う」の類語(言い換え表現)
・一翼を担う
・一端をなす
・一角を占める
・支えとなる

「一端を担う」の使い方・例文

集団や組織においてチームのひとりとして数えられるときの表現に「一端を担う」という言葉がしばしば登場します。どういうシチュエーションで「一端を担う」が使えるのか例文でご紹介します。

「一端を担う」はビジネスシーンで使用できる?

ビジネスシーンでは会議やプロジェクトのような数人のチームで行動をすることはよくあります。そんな場面において「一端を担う」という表現は使われます。

会社の営業部をイメージしてみてください。営業部と一口にいっても、販促部門やマーケティング部門などが存在します。それぞれの部門のなかで、特定の役割や担当が与えられている人はすべて「一端を担う」人物であると表現、紹介することができます。

「一端を担う」を使った例文

実際にビジネスシーンで使われる「一端を担う」をご紹介します。

例文1
今回のプロジェクトの一端を担う顔ぶれです。
例文2
今後この部門の一端を担うことになった〇〇です。

ビジネスシーンでの「一端を担う」は、その人がどのような仕事をしている(する)のか、その部署・部門においてどのようなポジションに就いているかを説明する言葉として使用できます。

自ら使用する「一端を担う」という表現は”はしくれ”や”末端”をあらわした謙遜表現とも捉えることができ、自己主張として使用している人からは、相手の性格を垣間見ることができる言葉でもあります。

例文3
彼は大勢いるマーケティング部門の一端を担う人物です。
例文4
このチームの担当者はほかにもいて、彼はそのうちの一端を担うメンバーです。

数多くいる人材のなかで、その人が”どのような立場”にいるのかを説明するときの表現としても使えます。

「一端を担う」の類語

“組織の一員”であることを表現した「一端を担う」は、”端っこの仕事”という意味としても受け取れます。言葉の表現が気になるのであれば、「一端を担う」を別の言葉に言い換えてみましょう。ここでは「一端を担う」の類語表現をご紹介します。

一端をなす

「担う」を”事を為す”の「為す(なす)」に置き換えた表現です。その組織の構成を”なす”という「担う」と同じ意味の言葉です。

例文1
一端をなすものとして頑張ります。
例文2
彼にはこの組織の一端をなすものとして期待しています。

「一端を担う」とは意味が大きく異なるわけではありませんが、言葉のリズムを整えるときに「担う」と「なす」を使い分けましょう。

一角を占める

「一角」とは”ひとつのかど、すみ”を意味する言葉で、「場所」=「ポジション」を示します。本来は土地の場所を示す表現ですが、用例では「持ち場」を意味する言葉になり、それに続く「占める」は”占有”や”全体の割合”を表現する言葉です。

つまり「一角を占める」とは、“(全体の)役割や責任を占有している”という表現になります。「負担」と「占める」では意味が異なりますが、「一端を担う」と「一角を占める」は同じニュアンスの表現として使用されています。

例文1
彼はプロジェクトチームの一角を占めています。

「一端を担う」をそのまま言い換えても使用できますが、「一端」よりも「一角」のほうが言葉の度合いが強くなります。重要な役職に就いている人には「一角」を使用したほうが敬意を示せるでしょう。

前述のように本来は土地や場所をあらわす表現なので、人以外に向けるとそれは”土地面積そのものの表現”になります。

例文2
商店街の一角を占めています。

支えとなる

それぞれの役割やポジション、責任を背負っている人全員がチームや集団の支えとなっています。そのことを“仕事・役割・集団を支えている”と直接的に表現している言葉です。

例文1
こちらが今回のプロジェクトの支えとなる(なってくれている)〇〇さんです。
例文2
このまま順調にいけば必ずや支えとなるでしょう。

「持ち場」「責任」「立場」を「支え」に言い換えた表現ですが、「力」に置き換えた使い方も可能。仕事においての立場や役回りはすべて”人”があってこその言葉です。ときにはシンプルに「力」や「支え」という表現で励ますことも必要です。

「一端を担う」と「一翼を担う」の違い

「一端を担う」には「一翼を担う」という似た表現があり、こちらもよく使用されています。気分で使い分けている人も多く、実際の言葉の意味の違いを知る人はそう多くはありません。

一翼
ひとつの翼
ひとつの役割

「一翼」には言葉通り”翼の一枚”と”役割のひとつ”という2つの意味があります。今回の話のなかでは、後者が「一翼」の意味にあたります。これだけなら、”役割を負担している”という意味で「一端を担う」と「一翼を担う」は同じ言葉になります。

ここで冒頭でご紹介した「一端」の説明を思い返してみましょう。まず、一端とは”一部分”や”片隅”を意味する言葉。つまり”部分的、局所的なニュアンスで使われる言葉”です。

一方の「一翼」は、”ひとつの翼、役割”を指した言葉です。

「一端」は”ひとつのなかの一部分”をあらわしているため、「一翼」と比較した場合は”一翼のなかの一端”と表現することができます。部分的な「一端」に対し、「一翼」はそれよりもスケールを大きくした表現になります。

「一翼を担う」を使った例文
このチームの一翼を担うことは大変に名誉なことです。
「一端を担う」を使った例文
ここで一端を担うからには負けてはいられません。

意味を理解してから上の例文を見比べてみると、それぞれの言葉の意味合いや発言している人物像もイメージしやすくなります。

ちなみに、「一端」「一翼」に意味が近い「一角」を使用して、「一角を”担う”」と表現している人もいますが、これは誤用です。

・責任の一部分=一端
・ひとつの役割=一翼
・土地、場所、面積=一角

語感は似ていますが、「一角」は本来”土地や面積をあらわす言葉”。負担する=担うことはできないため誤った使い方をしないよう注意してください。

志望動機では「一端を担う」より「一翼を担う」がベター

就職活動での面接時に志望動機を問われた際、「一端を担う」という表現を使用する人が多く見受けられます。

決して間違いではないのですが、面接では「一端を担う」より「一翼を担う」がベターな表現となります。

「一端」は”一部分”という意味をもち、小規模をあらわす言葉に対し、「一翼」は”ひとつの役割”をあらわした表現です。そのため、どちらも”同じひとつ”ですが、全体のひとつである「一端」と全体そのもののひとつである「一翼」ではニュアンスが大きく異なります。

・「一翼を担う」を使った例文
⇒御社の”一翼を担う”ことを目標に掲げ、日々精進する所存です。
・「一端を担う」を使った例文
⇒御社の”一端を担う”ことを目標に掲げ、日々精進する所存です。

「一端」と「一翼」の意味を理解したあとだと、「一翼」のほうが規模が大きく、積極性をより強くアピールできていることがわかりますね?「一端」は決して悪い表現ではありませんが、「一翼」に比べるとアピールが弱い印象を受けます。

日本人にとって謙遜は美徳とされていますが、アピールするべき場所では積極性が重要です。消極的な人材よりも、積極的でポジティブな人間が企業では求められています。面接では「一翼を担う」を使用するほうが担当者に対してポジティブな印象が与えられます。

「一端を担う」の英語表現・例文

「一端を担う」はビジネスシーンでも使われる言葉です。

英語で表現しなければならない場面が出てくることも考えられるため、会話やメールでの使い方を確認しておくと安心です。

「一端を担う」の英語表現
「一端を担う」は英語で・・・
play a part
bear responsibility

と表現できます。

「一端を担う」を使用した例文はこちらです。

例文1
・I will play a part in this project.
⇒今回のプロジェクトの一端を担う顔ぶれです。
・I am 〇〇 and it was decided that I will bear responsibility for this deparment.
⇒今後この部門の一端を担うことになった〇〇です。
・He is one of the many people who bear the responsibility for the marketing department.
⇒彼は大勢いるマーケティング部門の一端を担う人物です。
・In this team there are also other persons in charge and for now he is one member who bears responsibility.
⇒このチームの担当者はほかにもいて、彼はそのうちの一端を担うメンバーです。

「一端を担う」の意味と正しい使い方をマスターしよう!

ビジネスシーンにおいて仕事の役割を負担している人材は貴重な存在です。だからといって自分を”その他大勢”と過小評価するのは建設的ではありません。

「一端を担う」の意味と正しい使い方をマスターするとともに、いつか”一翼”を担う、デキるビジネスパーソンになることを目標に掲げ、成長していきましょう。