漫画家は、子どもの夢や大人のロマンを叶える、まさに夢の職業。そんな漫画家に憧れ、努力を重ねる人はたくさんいます。漫画が一つの日本の文化と認められた今、それを作り上げる漫画家の年収はどのようになっているのでしょうか?漫画家の収入の実態を調査しました。また、漫画家への道の切り開き方も紹介します。
漫画家の平均年収は?
漫画家の年収は高いと思われがちです。また、人気漫画家はネットやテレビなどで年収を話題にされたり、推測されたりすることも多く、その推定年収が高いことから漫画家は稼げると言われています。しかし、漫画家と言ってもいろいろ。稼げる人ばかりではないようです。
数万円~数億円まで平均が出にくい職業
漫画家というのは基本的に漫画が売れないと儲からない職業です。そのため、まだ名の知れていない新人や売れない漫画家は、自分の作品が思うように売れず、稼ぎが少ないこともあります。人気漫画家から売れない新人まで年収はまさにピンからキリまであり、平均年収を一部の有名漫画家が引き上げているため平均が適切な金額ではない状態です。
■漫画家の平均年収は660万円らしいが…
漫画家の年収の一応の平均値は660万円となっています。ところが、一般職の会社員ほども稼げていない漫画家は多く、名の知れた人気漫画家が億単位を稼いでいるため、その影響で全体の年収が上がっているだけのようです。
本当のところは年収200万円前後といった人も多いのではないでしょうか。夢を売る商売ですが、なかなか自分たちが夢のような生活を送るのは難しそうです。
■中央値でないと分かりにくいという声も…
漫画家の年収を正確に知るには、一部の人気漫画家が平均を引き上げていることを無視できません。そのため、極端な金額まで入る平均値ではなく、メインの層が集まる中央値で計算した方が良いともささやかれています。
ただし、中央値だけでは大当たりで億万長者を狙っている漫画家にとっては夢のない数字になりそうです。こうした現状は、日本の漫画業界の裾野の広さとも言えますし、一強多弱の脆さとも言えるでしょう。
新人漫画家の年収はどれくらい?
漫画家の原稿料は1ページあたり数千円~数万円。新人なら最低価格からのスタートです。連載ならば定期収入ですが、単発ならばその1回限り。コミックになれば印税ですが、新人ではなかなかコミックにはなりません。
そのため、新人の頃は年収数万円~数十万円ということもあり、さまざまな副業をして生活を送る人も多くなります。
■新人の修行の場?アシスタントの収入
新人漫画家の収入と仕事を見る上で外せないのは、副業として行うアシスタントの仕事です。漫画家のアシスタントは新人の腕を磨く場であり、数少ない安定的な収入源です。日給制が多く、技術やスピードによって金額は異なります。また、安定的とはいえ、繁忙期と閑散期の差が激しく、仕事がない時期もあります。
昔は師匠と弟子、書生のような関係を持っていたものですが、今では本業としてアシスタントをする人もいて、サラリーマン並みのお給料をもらっていることもあります。ただし、今でも新人が技術もお金も得られる仕事として有効です。
漫画家の年収は原稿料と印税だけじゃない
新人漫画家の収入事情から一転、人気漫画家の収入は高額かつ収入源のバリエーションも多くなります。原稿料はもちろんですが、コミックス化されれば印税が入り、さらに映画・舞台化、ゲーム化といった道も開けます。また、キャラクターグッズのデザイン、販売といったことも収入源です。
そのため、人気漫画家の中には月収でさえ数千万円といった人もいると言われています。
年収ランキングに入る漫画家一覧
年収ランキング上位で見られる漫画家をチェックしてみましょう。どの方も人気漫画家で、漫画を読んだことがなくてもキャラクターや名前だけは知っているという人も多いのではないでしょうか。ここでは、推定年収1億以上の人気漫画家を対象に集めました。
- 長谷川町子「サザエさん」
- やなせたかし「アンパンマン」
- 藤子F不二雄「どらえもん」
- 鳥山明 「ドラゴンボール」
- 尾田栄一郎「ONE PIECE」
- 高橋和希「遊戯王」
- 荒川弘「鋼の錬金術師」
- 岸本斉史「NARUTO」
- 井上雄彦「スラムダンク」
- 北条司「シティーハンター」
- 原泰久「キングダム」
- 許斐剛「テニスの王子様」
- 矢沢あい「NANA」
- 石田スイ「東京喰種トーキョーグール」
- 堀越耕平「僕のヒーローアカデミア」
※順不同 敬称略
今は亡き偉大な漫画家もいますし、人気急上昇中の漫画家もいます。また、子どもから青年まで、ターゲット層もいろいろです。遊戯王、ドラゴンボールのようにカードゲームのヒットやアンパンマン、ドラえもんのように豊富なグッズ展開が見られるのも人気漫画の特徴です。
年収1000万円も夢じゃない?!漫画家になるには
漫画家という職業は、目指し方もいろいろです。会社員とは異なり、就職活動のようなことをしなくてもなれますし、就職活動をしたところでなれない人もいます。厳しい世界であり、覚悟も技術もチャンスを掴む運さえも必要です。
専門学校に通う
専門学校に通うことで、漫画を描く基本が学べます。作画からデビュー、就職のノウハウなどをプロの講師から学ぶことで、漫画やイラストなどで生きていく術を身に着けます。ただし、それで全員がプロの漫画家になれるわけではありません。そこからは自分の力でチャンスを掴み取っていくことが必要です。
先輩
アシスタントから始める
漫画家になるには、特別な学校を経る必要はありません。基本的な作画などの技術があれば、いきなり実践から入っても良いでしょう。プロの漫画家の仕事に触れ、腕を磨くにことができる漫画家アシスタントの仕事に就くのもおすすめです。
副業アルバイト感覚でアシスタントを務め、休みの日に自分の漫画を描くこともできますし、本業としてがっつりアシスタントをすることもできます。自分の作品ではないものの、自分の手掛けた仕事が雑誌などに載ることでやりがいを感じられそうです。
漫画関連の会社に就職する
有名な漫画家のアシスタントになることのほかに、漫画関連の会社に就職して経験を積んだのちに漫画のプロを目指す方法もあります。
会社に就職できれば、ある程度の給与をもらいながら漫画に関わる業務を行えます。技術も身につけられるため、会社で数年間経験を積み、その後、漫画家やアシスタントとして別の会社でキャリアアップを目指すことも可能です。
漫画関連の会社の採用情報は転職サイトに掲載されていることが多いです。転職サイトのリクナビネクストは漫画関連の求人も扱っているので、興味のある人は登録してチェックしてみてください。
クリエイターとして登録する
いきなり実践経験を積む方法としては、ホームページ制作会社などのクリエイターとして登録、そこから仕事をもらうというやり方もあります。イラストから短編の商品紹介漫画まで、いろいろな仕事があり、自分の腕を磨いたり生の評価を得たりとやりがいや刺激のある働き方です。
商品のパンフレットやネット広告などに掲載される内容となり、オリジナル漫画とは違って爆発的なヒットが出る仕事ではありません。しかし、仕事として絵や漫画で生計を建てやすく、ビジネスセンスも身につく堅実な道と言えそうです。
参考 クリエイター応募ビジネス漫画クリエイター「マンガファクトリー」自分で売り込む・賞に応募する
とにかく一発当てたい、自分の腕で勝負したいという人は、いわゆる「持ち込み」や新人賞への応募が向いています。原稿の持ち込みは各出版社へ、新人賞への応募も出版社の新人賞募集のタイミングを常にチェックして、作品を提出します。実力があり、出版している雑誌などとの相性が良ければ、いきなりデビューということがあるかも知れません。
参考 漫画(マンガ)持ち込み・投稿・新人賞ポータルサイト「マンナビ」「マンナビ」ブログや同人誌・同人サイトで
最近では、出版社からスタートしなくても、漫画家人生を自分自身で切り開く人もいます。自分のブログで漫画を発表したり、同人誌や同人サイトに入って活動したりといった方法は、いきなりプロとして雑誌掲載が難しい場合でもできる方法です。
ブログなどで自分の漫画を載せる場合、ただ読者に観てもらうだけでなく、アフィリエイトで儲けることもできます。また、人気ブログになれば、出版社の目に留まり、出版の話が来る可能性もあるようです。
※アフィリエイトに興味のある人は下記記事をご覧ください↓↓
[初心者向け]アフィリエイトのアの字から徹底解説!意味・仕組み・始め方まで完全ガイド
漫画家はヒットすれば年収が桁違い!
漫画家という職業は、売れなければ生計を立てるのさえ難しいものですが、当たれば大きい夢の仕事です。下積みや売れない期間もあり、皆が成功できるものではありませんが、ヒット作を作れたら年収は数億にも及びます。今、漫画家として生きる道はいろいろあるので、なりたい気持ちがある人は一歩踏み出してみるのも良いかも知れません。