課長は中間管理職として、出世の最初のステップになります。課長クラスになったら年収も期待したいところですが、実は企業の状況によって差が大きく、誰もが満足できる金額をもらっているとはいえないようです。
●大企業と中小企業の課長の年収の違い
●「課長になると年収は下がる」の真実
●課長昇進できる年齢や必要なスキル
●大企業の課長を目指す方法
課長昇進を考えている人の疑問が当記事で解決することを祈っています!
課長の年収ってどれくらい?
課長の年収はどれくらいなのかを確認しましょう。上記で示した課長の平均年収は100人以上の常用労働者が属している企業の数値です。平均なので課長の時点で年収1,000万円を超える企業もあれば、平均を下回ることもあります。
課長の年収は大企業と中小企業の差、金融や製造、サービスといった業種の差などによっても、大きく変わるようです。
企業の規模の違いと年収の差
大企業と中小企業の年収は大企業が高く、中小企業は低い傾向です。一般財団法人 労務行政研究所「役職別昇進年齢の実態と昇進スピード変化の動向」では、平均的な課長昇進の年齢は大卒入社の人で約39歳と想定されています。
「平成29年 賃金構造基本統計調査の概況」(厚生労働省)で、その年代の賃金をみると以下のようになっています。
35~39歳男性 | 40~44歳男性 | 45~49歳男性 | |
大企業 | 364.0 | 408.8 | 458.0 |
中企業 | 307.6 | 341.5 | 372.2 |
小企業 | 292.8 | 317.0 | 331.0 |
35~39歳女性 | 40~44歳女性 | 45~49歳女性 | |
大企業 | 280.7 | 290.8 | 299.8 |
中企業 | 247.7 | 258.3 | 263.6 |
小企業 | 228.7 | 232.2 | 235.4 |
データ元:厚生労働省「平成 29 年賃金構造基本統計調査の概況」
このデータは役職をもっている人からそうではない人までの平均の数値ですが、会社規模によって課長昇進後に当たる世代で50~120.0千円程度の差が出ていることになります。
やはり、大企業は年収が高いため、課長になった際にも冒頭で紹介した男性526.4千円、女性471.2千円の平均に近い、または超える数値になるといえます。ちなみに、大企業の課長の場合は平均して年収800万円を超えるといわれています。中小企業の場合は500万円ほどが一般的な年収のようです。
大企業と中小企業の課長の年収を比較すると300万円ほどの差があります。300万円を12か月で割ると25万円…。これはかなり大きな金額の差といえるでしょう。
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業種の違いと年収の差
課長の平均年収は把握できましたが、あくまでも平均なので、業種ごとにこの数値を割り込むケースと上回るケースがあります。
大卒入社で課長昇進する年代の平均的な年収をみると、高い業種と低い業種が確認できます。
データ元:厚生労働省「平成 29 年賃金構造基本統計調査の概況」
男性では金融業・保険業、女性は情報通信業で年収がもっとも高くなっています。
一方で宿泊業・飲食サービス業は男女ともに年収が低く、45~49歳の男性で比較すると、その差は281.1千円にもなりました。
「課長になると年収下がる」は本当?
課長は管理職の中でも、あまりなりたいと思われない役職でした。その理由の一つとして「課長になると年収が下がる」という噂があったからです。
管理職になると残業代が出なくなります。その代わりに役職手当がつきますが、過去には課長の年収アップ率ではこれまでもらっていた残業代がカバーできず、係長時代よりも年収が下がるという逆転現象が起きることもあったようです。
課長になる前に一番残業代が多くなることが原因
課長になってから年収が減ってしまう現象は、課長になる直前が一番残業も多くなるために起こりやすかったようです。
課長になる前は多くの人が働き盛りで仕事量も多いため、自然と残業も多くなりました。そのため、課長の役職手当以上に稼いでしまい、いざ昇進したら年収が低くなる状況に陥っていたようです。
働き方改革で「年収下がる」噂も過去の話に
近年では働き方改革によって、この現象も起こりにくくなり、過去の話になりつつあります。そもそも残業が減ってしまったため、残業代を稼げなくなりました。たくさんの給料を稼ぎたいなら、昇進による昇給を目指すしかありません。この変化は、これまで昇進せずに高い給料だけ稼げばいいという人達を昇給のために昇進したいと思える流れへといざなっています。
課長昇進の年齢は?必要なスキルはある?
会社によって多少の違いはありますが、課長は主任、係長を経て就く役職です。「課長になると年収が下がる」との噂も過去のものになりそうな昨今、キャリアアップを考えるなら課長を目指すのは当然の流れです。
社会人になれば目指す人も多い課長ですが、何歳で昇進できるのかは気になるものです。主任や係長時代と働き方に変化はあるのか?また、課長に昇進したい人が身につけておくと有利なスキルはあるのでしょうか?
課長昇進の年齢は会社によって異なる
日本企業の課長昇進の平均年齢は先述のとおり”39歳”です。しかし、所属している会社の規模や社員数によっても昇進の年齢は異なります。そのため、今後のキャリアを考えると課長昇進がいつになるのかは気になるところ…。
自分がいつごろ課長になれるか簡単に知る方法は、自分の上司に「何歳で課長に昇進しましたか?」と聞いてみることです。課長になるおおよその年齢が分かれば、自分が昇進するタイミングもイメージできます。
もう一つは入社から課長になるまでの等級の数がどれくらい必要になるのかを知ることです。昇進に必要な等級の数は人事のマニュアルに書かれていたり、人事部に確認すればわかるはずです。
何歳で課長になれるのか気になる人は、上記の方法で悩みをすっきりさせましょう。
課長は経営側の一員
係長までは勤続年数を重ねることで誰でもなれたり、与えられた仕事をこなしていれば昇進できる場合も多いです。しかし、課長に昇進できるのは一部の人のみです。
課長は係長と違い、部下をもつ管理職の立場です。課長は経営側の一員となる役職のため、部下を育てる能力とともに、課として成果を上げる能力も要求されます。
課長はマネジメントスキルが必要
課長になると自分の仕事に全力を傾けていた係長時代とは違い、プレイヤーとして成果を上げることに加え、部下やチームをマネジメントする能力が必要不可欠です。
課長を目指すなら仕事と人のマネジメントスキルを事前に身につけておくと、昇進後にあたふたと焦らなくても済みます。
マネジメントスキルを身につけるには、リーダーシップを高めることや問題の解決能力を高める、部下をもつことを考えコミュニケーション能力を高めるなど、管理職としての立場を意識しながら働きましょう。これは日ごろの業務の中で実践・訓練する以外に、マネジメント関連の書籍、ビジネス関連のメディアなどからも学べます。
大企業の課長を目指したい人は?
課長に昇進した際には年収も高いほうがいいと考える人は、所属している会社で昇進の機会をうかがいながらも、大企業への転職を考えたほうがいいです。
大企業は社員数が多いため、中小企業より課長になれる確率は低くなります。そのため、大企業の課長を狙うなら年齢が若いうちに転職するか、所属する会社で経験を積み、ヘッドハンティングされるくらいの実績を残しましょう。
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課長から部長昇進への道
気が早い話になりますが、課長昇進後のキャリアアップとして次に目指すのは部長の椅子です。しかし、課長から部長になるのはなかなか難しいようです。課長の役割は現場のまとめ役と部下と上司のつなぎ役ですが、上司である部長は課長とは全く違った仕事内容となります。
課長から部長になれるのは一握り
課長は、仕事内容ごとに分けられた部門内のさらに細かい部署を取りまとめる役割です。大企業になればなるほど、課長は部門内に何人もいることになります。一方で部門全体を管理している部長は各部門に一人だけ。
企業のピラミッドは上へ行くほど小さくなるのと同じように、昇進も上に行くほど厳しくなるものです。大企業では社員数が多いためたくさんの課長がいても、部長になれるのはその中の一握りだけなのです。
経営者としてのビジョンが必要
部長は課長のような中間管理職ではなく、さらに一歩踏み込んだ経営陣としての働きが求められます。経営者と同等の視野の広い考え方が必要となり、課長をしていた頃のスキルだけでは追いつかない可能性も…。部長を目指すには新たにスキルを身につけたり、研修などを受けて自身の能力を高める意識が必要です。
課長昇進すれば年収アップが目指せる!
課長になったら年収がダウンしたというのは過去の話。課長に昇進すれば、年収アップが目指せます。係長の人は全員が課長になれるわけではないので、昇進を考えるなら今のうちにマネジメントスキルを磨きましょう。
今いる会社にライバルが多い、課長に昇進しても大企業ほど高い年収が望めないと悩んでいるなら、転職の道もあります。実績やスキルを積み、課長昇進を狙いましょう!