プロパーとは「本来の」や「正規の」のこと
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「プロパー」について詳しくみてみましょう。
[分野別]プロパーの意味をチェック
「プロパー」は英語表記にすると「proper」となり、次のような意味があります。
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①:学問・教育
学問・教育での「プロパー」は「社会学プロパー」や「経営学プロパー」のように使われます。「◯◯学を専攻する人」という意味で「◯◯学プロパー」が使われることが多いですが、文脈によっては「○○学本来の」や「○○学固有の」という意味になることもあります。
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②:流通
流通業界で「プロパー」は「プロパー商品」や、「プロパー価格」、「プロパー店」のように使われます。
「プロパー商品」は卸売業者が小売業者におろす正規商品のこと。「プロパー価格」は「プロパー商品」につけられた正価。「プロパー店」は正規店のことです。
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③:金融
金融業界でのプロパーといえば、「プロパー融資」や「プロパーローン」があります。
「プロパー融資」は信用保証協会の信用保証を受けずに、銀行から直接受ける事業資金の融資のこと。信用保証がない=貸し倒れするリスクがあるので、保証付融資よりも銀行の審査がかなり厳しくなります。
「プロパーローン」は保証会社の保証をつけずに、金融機関が貸し倒れリスクを背負って貸し出すローンのこと。一部の地方銀行、信用組合、信用金庫などで取り扱いされているローンで、保証人か連帯保証人が1名以上必要になります。
一般的な住宅ローン審査に苦戦しそうな方に、不動産業者が「プロパーローン」を紹介することが多いようです。
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④:クレジットカード・信販
クレジットカード・信販業界では「プロパーカード」という言葉が使われています。
「プロパーカード」には厳密な意味の「プロパーカード」と、広い意味での「プロパーカード」があります。
・アメリカン・エキスプレス発行のクレジットカード
・ダイナースクラブ発行のクレジットカード
・JCB発行のクレジットカード
広い意味での「プロパーカード」を発行するカード会社は国内に20社以上あります。
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⑤:製薬会社
製薬会社に所属することが多い医薬情報担当者は、かつて「プロパー」と呼ばれていました。現在は「MR」といいますね。
MRは医師と同レベル以上の疾患知識、薬剤知識の習得が必要とされる、医療従事者相手の営業職です。
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ビジネス用語のプロパーは生え抜き社員のこと!
社員に関する話で「プロパー」が登場したら、このあと紹介する3パターンのうちのどれかの意味になります。なかでも「生え抜き社員」という意味で「プロパー」が使われることが多いです。確認してみましょう。
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①:新卒から働いている社員のこと
新卒から働いている社員を中途採用者・出向社員と区別して、「プロパー社員」と呼ぶことが多いです。「プロパー社員」を重視する社風の企業では、中途採用社員が「プロパー社員」との昇進や給料など待遇面での違いを感じ、不満に思うことが多いようです。
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②:正社員として働いている人材のこと
正社員を「プロパー社員」と呼んで、非正規労働者(契約社員、派遣社員、パート社員など)と区別することがあります。
[IT業界]プロパー社員=自社社員
IT業界では自社社員を「プロパー社員」と呼んで、下請け会社や協力企業の人材と区別することがあります。
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ビジネス版!プロパーの使い方・例文
プロパーの使い方を例文でみてみましょう。ビジネスのシチュエーションをイメージしながら読んでみてください。
B:「・・・名前からしてすごいやばそうな会社なんだけど。プロパー社員ばっかりかわいがって、中途入社者には冷たい社風なんじゃないの?やめときなよ。」
B:「保証付融資の上限ギリギリまで融資受けたんだねぇ。それじゃぁ保証料バカになんないでしょう。他の銀行のプロパー融資に借り換えできないの?」
プロパーの反対語・対義語って?
「プロパー」の意味や使い方はつかめましたか?この見出しでは「プロパー」の反対語・対義語についてみてみましょう。反対語とセットで考えると「プロパー」の意味をつかみやすくなりますよ。
プロパーの逆:「非正規の」「不適切な」
「プロパー」の逆には、「非正規の」、「不適切な」、「非公式の」、「非公認の」などの言葉があります。
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プロパー社員の逆:「中途採用者」「契約社員」
「プロパー社員」といった場合の逆の言葉には「中途採用者」、「契約社員」、「下請け会社・協力企業の従業員」などがあります。
「プロパー社員」は複数の意味で使われていましたね。どの意味で使っているのかは文脈から読み取るしかないですが、文のなかで逆の言葉と組み合わせて使ってあげると、相手に意味が伝わりやすくなりそうです。
文脈に応じてプロパーの意味を解釈しよう!
「プロパー」はさまざまな意味をもつ言葉。ビジネスでは「本来の」、「正規の」、「固有の」という意味で使われることが多いです。そのときどんな意味で使われているかは文脈から判断するしかありません。
でも、もし意味を迷うような使い方に直面したら、そのときは素直にどんな意味か相手に聞いてみることをおすすめします。かみ合わない会話で時間を無駄にしないですみますよ。