帰省とは「故郷に帰る」こと!
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生まれ育った故郷を離れて働いている人や学校に通っている人はたくさんいます。頻繁には無理でも、お盆や年末年始など年に1、2度は故郷に帰りますよね。このように「故郷に帰る」ことを“帰省”(きせい)といいます。今回はこの“帰省”について詳しく学んでいきましょう。
帰省の意味
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“帰省”は故郷に帰ることだと述べましたが、帰るは帰るでも一時的なものを指します。お盆や年末年始に数日間故郷で過ごすのは“帰省”といえます。しかし、勤めていた会社を退職して、しばらく故郷で過ごすつもりで帰るのは“帰省”とはいえないかも。これについては後述する類語のところで解説していきます。
また“帰省”には「故郷に帰って父母の安否を問う」という意味も。久しぶりに故郷に帰って、地元の友達と過ごすのもいいですが、家族と過ごす時間も大切にしましょう。
帰省の読み方
今更ですが、正しく“帰省”を読めていますか?「省」は「省庁(しょうちょう)」のように単体では「しょう」と読むことが多いですよね。そのため“帰省”を「きしょう」と読んでしまう人がいるようです。
多くは読み方がわからないゆえの間違いですが、『アナウンサーが「きしょう」と読んでいるのを聞いた』というネットでの声や『明治時代の文学作品の中で「きしょう」とルビがふられていた』という事実もあります。
このようなことから「きしょう」が100%間違いとはいいがたいです。ただ、「きせい」と読むことがほとんどなので、こだわりがなければ“帰省”は「きせい」と読むことをおすすめします。人前で間違って「きしょう」と読んでしまった際に、この話を知っていたら言い訳できるかも。
帰省の類語
“帰省”と似た意味の言葉を見ていきましょう。
・里帰り
帰郷
“帰省”と意味も語感も似ている言葉に「帰郷(ききょう)」があります。特に意識せず混同している人が多いのではないでしょうか。「帰郷(ききょう)」は文字通り「郷(さと)」に「帰る」と書きます。単純に「故郷に帰る」という意味。
ただし、休みを利用して短期間故郷に戻ることを“帰省”というのに対して、故郷にしばらく定住するようなものを「帰郷」ということも。誤解を与える可能性もないとはいえないので、短期間であれば“帰省”を使うのが無難かもしれません。
里帰り
本来、「里帰り」は結婚して実家を離れた女性が初めて実家に戻ることを指しました。その後意味が広がり、結婚している女性が故郷に帰ることを「里帰り」というようになりました。そのため「家族で里帰り」というような表現は間違いだという意見もあります。
しかしながら、かつては奉公人(ほうこうにん、江戸時代までいた召使いや使用人)が故郷に帰ることも「里帰り」と表現していたとか。現在、奉公人は存在しませんが、ブラック企業に勤めている人が故郷に帰る際は「里帰り」を使いましょう…というのは冗談ですが、そういう意味があると知ってしまうとあまり使いたくなくなるかも。
とはいえ、既婚女性に限るといわれている「里帰り」は、性別、既婚未婚関わらず外国で生活している人が故郷(出身国)に帰る際にも使われるのであまり気にしなくてもいいでしょう。
帰省の英語表現
“帰省”を英語で表現すると「go back to my hometown」や「go back to my parents home」など。「parents home」は両親の家という意味で、実家と訳すことができますね。「family’s home」や「mother’s home」に置き換えてもOK。単に「my home」としてしまうと、現在住んでいる家(部屋)という意味になってしまうので注意しましょう。
帰省の関連語
“帰省”の関連語も見ていきましょう。
帰省ラッシュ
「帰省ラッシュ」とはお盆や年末年始などに多くの人が一斉に“帰省”することで起こる混雑のこと。道路の渋滞や電車の定員オーバーなどが「帰省ラッシュ」に当たります。現在の居住地から故郷、故郷から居住地に戻る様を「U」の字に例えて「Uターンラッシュ」ということも。「Uターンラッシュ」は故郷から居住地に戻る際に起こるラッシュのことを指します。
帰省本能
「帰省本能」は動物が巣や生まれた場所に戻ろうとする「帰巣本能(きそうほんのう)」の間違いですが、冗談や皮肉で「帰省本能」ということも。
帰省の使い方
本来の意味の帰省を
“帰省”には「帰って家族と向き合う」という意味もあります。せっかく実家に帰っても寝てばかり、地元の友人と遊んでばかりでは本当の意味で“帰省”とはいえないかも。就職して一回りも二回りも成長した姿をしっかりと見せて家族を安心させてあげるといいかも。
ただし、地元の居心地がよすぎて、“帰省”ではなく「帰郷」になってしまわないように注意してくださいね。