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「ご多用」とは?読み方や意味を解説!使い方・英語表現・「ご多忙」など類語との違いも紹介

「ご多用」は”やることが多い”さまを表した言葉

部下

やっと仕事が終わったー!さっさと帰って録画してたドラマをみよう!
ご多用のところ申し訳ないけど、明日の会議で使う資料のまとめが終わってからにしてくれないかな?

上司

部下

ええ~・・・

「ご多用」とは、 やることが多いさまや用事が多くて忙しいさまを表す言葉 です。

ビジネスシーンでは電話や仕事中で手が離せない人に声を掛ける際に「ご多用のところ~」と使用します。「ご多用」以外にも忙しいことを表現している言葉はほかにもあり、状況に応じて正しく使い分けることが大切です。

ご多用の類語(言い換え表現)
・ご多忙
・お忙しい
・繁忙/煩忙

「ご多用」の読み方と意味

「ご多用」は「ごたよう」と読み、公私ともに忙しいことを表現する言葉 です。「ご多用」は目上の人にも使える敬語のため、上司や取引先、ビジネスメールで使えます。

「ご多用」の使い方と例文

ビジネスシーンでの「ご多用」の使い方を例文でチェックしていきましょう。

「ご多用の折」を使った例文

「ご多用」はビジネスメールで使用する機会が多く、何かをお願いする時に「ご多用の折~」というフレーズを使用します。

「ご多用の折」の「折」は時節や機会を指した言葉で、「ところ」と言い換えて表現できます。どちらも同じ意味で使えますが、ビジネスシーンでは「折」を使うのが適切です。

例文1
ご多用の折、誠に恐れ入りますが何卒お願い申し上げます。」
例文2
ご多用の折とは存じますが、ご検討いただければ幸いです。」

「ご多用の折にもかかわらず」を使った例文

「かかわらず」は「ご多用の折り」に掛かる言葉です。相手が忙しいにもかかわらず何かをしてくれたことに対する労いや感謝の言葉として使用できます

例文1
ご多用の折にもかかわらず、ご参加いただき誠にありがとうございます。」
例文2
ご多用の折にもかかわらず、ご対応していただき厚くお礼申し上げます。」

「ご多用中にもかかわらず」を使った例文

「ご多用中にもかかわらず」は「折」を省き、現在進行形で忙しいことを表現した言葉です。「ご多用の折」を「ご多用中」に言い換えた表現です。

例文1
ご多用中にもかかわらず、お越しいただき誠にありがとうございます。」
例文2
ご多用中にもかかわらず、ご対応いただき恐縮です。」

「ご多用とは存じますが」を使った例文

「存じる」とは、「知っている」「思っている」を謙譲語に言い換えた表現 です。”相手が忙しい状況”にあることを前提としながらも、丁寧にお願いするときに使用します。

例文1
ご多用とは存じますが、何卒お越しいただければ幸いです。」
例文2
ご多用とは存じますが、くれぐれもご自愛ください。」
例文3
ご多用とは存じますが、ご検討のほどをお願い申し上げます。」

敬語を用いた表現なので、会社の上司や社外の目上の人に使用可能です。

「ご多用のところ恐縮ですが/ご多用中恐縮ですが」を使った例文

「恐縮」とは?
身も縮まるほど恐れ入ること。

相手が忙しいさなかであることを恐縮した表現です。

例文1
ご多用のところ恐縮ですが/ご多用中恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。」
例文2
ご多用のところ恐縮ですが/ご多用中恐縮ですが、ご検討をお願い申し上げます。」

「恐縮」は感謝と謝罪の2つの意味がある言葉です。相手にお礼をするときやお詫びをするときに使用できます。「ご多用」を用いる場合は相手にお願いする側の立場としてへりくだった表現になります。

「ご多用の折とは存じますが、万障お繰り合わせの上」を使った例文

「万障お繰り合わせの上」とは?
万障=さまざまなさしさわり。
お繰り合わせの上=上手いこと都合をつける。
色々さしさわりがあるなかで上手く都合をつけること

忙しいことを承知のうえで、相手になんとか都合をつけてもらうようお願いする言葉です。相手に対してどうしてもお勧めしたいことや出席してもらいたい行事に誘う際、使用できます。

例文
ご多用の折とは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご出席ください。」

敬語を用いた丁寧な言葉遣いですが、相手に対して”上手く調整してくれ”という意味なので【強要】と受け取られる恐れがあります。使用する場合には”万障お繰り合わせの上”ではなく、「ぜひ」や「何卒」などの表現に言い換えましょう。

「ご多用」と「ありがとう」を使った例文

相手が忙しいにもかかわらず、こちらのお願いを聞き入れてくれた場合はお礼をしなくてはいけません。感謝の言葉の「ありがとう」を使った例文がこちらになります。

例文1
「本日はご多用の折、お越しいただき誠にありがとうございます。」
例文2
ご多用にもかかわらず、お受けしていただきありがとうございます。」

「ご多用」と「ありがとう」の組み合わせは感謝のフレーズになります。シチュエーションを問わず、目上の人へのお礼の言葉として使用できます。

「ご多用」の類語と使い分け

ご多用の類語(言い換え表現)
・ご多忙
・お忙しい
・繁忙/煩忙

“忙しさ”を表す言葉は「ご多用」のほかにもあり、類語ごとに忙しさの種類や度合いが異なります。

フレーズによって異なる”忙しい”の類語と使い分けを例文でチェックしていきましょう。

「ご多忙」

「多忙な日々を送る」など日常生活でも「多忙(たぼう)」はよく耳にするフレーズです。

「ご多忙」は、”仕事で忙しいこと”を表現しており、”仕事以外の用事が多い”「ご多用」とは違いがあります。

例文1
「ご多忙の折とは存じますが、何卒検討していただければ幸いです。」
例文2
「ご多忙中にもかかわらず、ご足労いただき誠にありがとうございます。」

“忙しい”を硬く表現した言葉なので、口語として使うよりビジネスレターなどの書き言葉として使われることの多いフレーズです。

ちなみに例文で使用している「ご足労」は目上の人に”足を運ばせる”との敬語表現です。わざわざ来てくれたことに対しての労いと感謝の言葉です。

※「ご足労いただき」をもっとよく知りたい人はこちらの記事がおすすめです!↓↓
「ご足労いただき」の意味と正しい使い方は?目上の人にも使える?例文、類語も解説

「お忙しい」

「お忙しい」は”忙しい”に接頭語の「お」をつけた言葉です。「ご多忙」では表現が硬いと感じるときや比較的距離の近い人への口語として使えます

例文1
「お忙しい中、お時間をいただき感謝いたします。」
例文2
「お忙しい中を恐縮ですが、何卒お願い申し上げます。」
例文3
「お忙しい中にもかかわらず、本日はお越しくださり誠にありがとうございます。」

社内・社外を問わず、ビジネスシーンで気軽に使えるフレーズです。

繁忙/煩忙

どちらも”仕事が忙しいこと”を意味する言葉で「繁忙期」と表現されるように「繁忙」の方が多く使われるフレーズです。仕事に限らず”用事”も含むため、「ご多用」に近い言葉です。

例文
「繁忙/煩忙の時期とは存じますが、何卒ご容赦をお願い申し上げます。」

「煩忙」は「繁忙」の古い言葉で、時代劇や明治中期~昭和初期の小説、芥川龍之介の「影」などにも使用されています。「ご多忙」や「ご多用」に比べて使用する機会は少ないですが、知識として覚えておくとよいでしょう。

「ご多用」の英語表現

「ご多用」の英語表現
「ご多用」は英語で・・・
busy
と表現できます。

今すぐ使える例文はこちら!

例文1
・I am very sorry to disturb you while busy, but please help me.
ご多用の折、誠に恐れ入りますが何卒お願い申し上げます。
例文2
・Thank you very much for your participation in spite of being busy.
ご多用の折にもかかわらず、ご参加いただき誠にありがとうございます。
例文3
・Thank you for responding, in spite of beaing busy.
ご多用中にもかかわらず、ご対応いただき恐縮です。
例文4
・In spite of beaing busy I am asking for your consideration.
ご多用のところ恐縮ですが、ご検討をお願い申し上げます。
例文5
・Thank you for visiting us today in spite of being busy.
⇒本日はご多用の折、お越しいただき誠にありがとうございます。

ビジネスシーンで「ご多用」を正しく使いこなそう!

「ご多用」はビジネスシーンで使用する機会の多いフレーズです。似ている言葉として「ご多忙」が存在しますが、意味が異なります。

「ご多用」とともに類語の正しい意味を知り、ビジネスシーンで正しく使いこなしましょう!