モラルハザードとはモラルがやばい状態のこと!
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モラルハザードの意味をチェック
モラルハザードとは、モラルがやばい状態のことです。具体的に意味を見ていきましょう。
モラルハザードって何?
モラルハザードは、当たり前のルールが守られない状態のこと。元は保険業界で使われていた用語でした。
モラルハザードの英語
モラルハザードは、「moral:倫理、道徳」 と「hazard:危険、崩壊、脅威」という英語が合わせられた言葉。某ゾンビ映画の場合は、「生態の崩壊」がタイトルにすえられているのです。
[分野別]モラルハザードの例と対策
モラルハザードは、どんなシーンで見られるのでしょうか。それぞれの業界での例と対策をご紹介していきます。
①:保険のモラルハザード
保険加入者が「保険に入っているからまあいいや」という考えにより、リスク回避や注意義務を怠ってしまう現象を指します。
「医療費保険でまかなえるからまあいいや」
→ちょっとのことでも病院に行く。自身で病気の予防などを行わない
「事故補償してもらえるからまあいいや」
→運転に集中しない
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②:年金制度のモラルハザード
年金制度のモラルハザードといえば、国民年金保険料を納付しないこと。「年金など払わなくても良い、年金受給の歳まで生きていたら生活保護を受ければ良い」などと考える人も中にはいます。
しかし、生活保護だと自由に貯金もできません。タンス預金が見つかって、保護費を全額返還したという事例もあるほどです。最初から生活保護を利用しようとするのではなく、本当に困ったときの手段として位置づけたいですね。
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③:企業・金融のモラルハザード
経済学でいうモラルハザードは、倫理観の欠如ではなく、見えないところでサボる行為です。「サボっても同じ報酬で結果が変わらないならサボる」という行動特性が表れています。
一般企業においては、マンパワーによるチェックを怠る、決められた工程で仕事を行わないなどのモラルハザードが見られます。また、経営者の経営倫理の欠如も企業のモラルハザードに含まれています。
金融機関におけるモラルハザードとは、金融危機の際の時事的な用語です。金融機関の経営者や株主、預金者がリスクを軽視して金融商品などを運用した状態を指しています。
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会話でどう使う?モラルハザードの使い方・例文
「食品安全管理の問題は、生産者のモラルハザードによるところが大きい。」
「じゃあ外国に住む人の多くがモラルハザードって言われちゃうよ。」
「モラルハザード」と「逆選択」の違い
モラルハザードの説明を見ていると、「逆選択」という言葉を目にすることがしばしばあります。逆選択とはなんでしょうか。
モラルハザードと逆選択の定義
逆選択とは、相手に対しての情報が不十分のために、取引が成立しないこと。取引におけるモラルハザードとは、取引成立後に一方が倫理を欠く行為をすること。したがって、逆選択とモラルハザードは全く異なるものです。
わかりやすい具体例
ある競りで、5万円の価値の商品Aと15万円の価値の商品Bを競り落としたい人がいるとします。しかし、彼はそれぞれの品物の値段がいくらなのか全く分かりません。平均的な10万円を提示すると、Aの商品に対してこの人は5万円の損をすることになります。Bはより価値があると知っている同業者に競り負けてしまうでしょう。
本来ならAを5万円、Bを15万円を提示すれば両方とも手に入りますが、情報が十分でないために取引が成立しません。これが逆選択です。
モラルハザードの類語・関連語
日本人は倫理観・モラルを大切にする民族です。そのため、モラルについての言葉は数多くあります。モラルハザードの関連語も見ていきましょう。
モンスター◯◯
モンスターペアレントなど、倫理的におかしな行動を起こす人をモンスター〇〇と呼ぶことが増えました。他人のことを考えない、モラルを欠くモラルハザードを起こす人がこう呼ばれていますね。
モラルハラスメント
モラルハラスメントとは、倫理や道徳に反した嫌がらせのこと。パワハラやセクハラと重なることもあります。
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モラリスト
モラリストとは、モラルを遵守する道徳的な人のこと。または、16~18世紀フランスで人間性・道徳について書き記した一派を指すこともあります。
モラルハザードを起こさないように注意!
モラルハザードは、社会に生きる人として恥ずべきことです。特に、ビジネスにおいては、企業の信頼を損ねることになりかねません。モラルを守り、清く正しくビジネスしていきましょう。