過渡期は「変化・移行していく途中」!
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“過渡期”(かとき)という言葉をご存知でしょうか。「過渡期を迎える」、「人生の過渡期」などといいますよね。“過渡期”は古いものから新しいものへ変化・移行していく途中の期間。例えるならば幼虫が成虫になろうとしているサナギの期間といったところでしょうか。今回は“過渡期”について詳しく見ていきましょう。
過渡期の意味
“過渡期”は古いものから新しいものへの切り替わりの期間。大学の卒業式から入社式の間は学生の時期(古いもの)が終わり社会人(新しいもの)へと移り変わっていく“過渡期”といえます。また転職時の前職から新しい職に就くまでの期間も“過渡期”といえますね。
人生の“過渡期”だけではなく、ビデオテープからDVD、江戸時代から明治など様々なものに“過渡期”はあります。
ニート(勉強も仕事もせずその意思もない)期間も“過渡期”といえるのでしょうか。後になって見るとあれは“過渡期”だったと思うことがあるかもしれませんが、“過渡期”は新しいものへ変化・移行しようとしている期間なので、変化のないニート期は“過渡期”とはいえないでしょう。
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過渡期の類語
“過渡期”の類語表現も学んでおきましょう。
転換期
転換期は物事が移り変わろうとしている期間。“過渡期”よりも見聞きする頻度は多いのではないでしょうか。ほとんど同じ意味ですが、転換期は次の展開や物が見えていない期間のこと。ニート期間は“過渡期”というよりも転換期といった方がふさわしいかもしれません。
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黎明期
黎明期(れいめいき)は物事が始まろうとしている期間。“過渡期”は物事と物事の間の期間ですが、黎明期はスタート直前を表します。例えばインターネット時代が始まろうとしていた1990年代は黎明期といえますね。現代はテレビからインターネットへ移り変わっていく“過渡期”といったところでしょうか。
英語では?
“過渡期”は英語ではどのように表現するのでしょうか。移行を意味する「transition」を使うと“過渡期”を表すことができます。「during the transition from childhood to adulthood(子どもから大人への過渡期)」。
いろんな過渡期
世の中にはたくさんの“過渡期”があります。それらをいくつか見ていきましょう。
ビデオからDVDへの過渡期
日本でDVDの商用化が始まったのは1996年。2000年頃にビデオからDVDへの本格移行が始まりました。2000年代がビデオからDVDへの“過渡期”といえます。現在はDVDからBlu-rayへの新しい“過渡期”に入っていますね。
江戸時代から近代への過渡期
1867年に大政奉還(たいせいほうかん、徳川幕府が政権を返上)が行われ江戸時代が終わり、翌1968年に明治天皇が即位。暦の上では1867年から1968年の間が江戸時代から近代への“過渡期”。
しかし、明治時代になってからも戊辰(ぼしん)戦争(1968-1969年)や西南(せいなん)戦争(1877年)のような内紛がいくつも起こっていました。明治になってからも体制が整うまではしばらく“過渡期”だったといえますね。
過渡期の例文
“過渡期”を使った例文を見てみましょう。
・新社長が行った改革の影響で、社内はまだ過渡期の混乱の中にある
・過渡期にトラブルは付き物だ
・体制が安定してきて改革の過渡期は終わったといえる
・過渡期は人や組織を成長させる
過渡期はたくさん
学生から社会人になった時点で“過渡期”はとうに終わったはずですが、中には学生気分が抜けきらない“過渡期”真っただ中の人もいるかも。とはいえ人生にはまだまだたくさんの“過渡期”があるので悩み、成長していきましょう。
先輩になった時に後輩に「君たちはまだ過渡期かもしれないが…」なんて語れるようになったらかっこいいはず。