“めど”は「見通し」!
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「“めど”が立つ」、「“めど”が付く」または「月末を“めど”に…」など、“めど”はよく使う言葉。“めど”には「見通し」または「目当て」という意味があります。今回は“めど”について、目処と目途の違いや英語表現、関連語など詳しく解説していきます。
“めど”の意味
“めど”は見通しという意味があると前述しました。「めどが立つ/付く」であれば、将来や目標、計画などの見通しが立つということ。逆の意味で「めどが立たない/付かない」という表現もよく使いますよね。「月末を“めど”に…」は月末を目当て(目標)にするという意味。「月末を“めど”に終わらせる」、「来年度をめどに着工する」などと使用します。
目処と目途の違い
“めど”の漢字表記は2つあります。「目処」と「目途」。辞書では同じものとして扱われていることが多いので、あまり気にする必要はないかもしれませんが、成り立ちや意味の微妙な違いなどを見ていきましょう。
“めど”の語源
2つの表記の違いについて解説していく前に、まずは“めど”の語源について簡単に説明します。“めど”は占いに使っていた「蓍萩(めどはぎ)」という植物が語源という説があります。占いが将来を見通すことを目的としたものと考えると納得できるかもしれません。
また「目指すべきもの」という意味の「めどころ」が縮まった説、針の糸を通す穴を“めど”と言ったことに由来する説などがあります。糸で針の“めど”を狙うという意味が転じたということでしょう。「めどころ」説の場合は「目処」が正しいような気がしますが、他の2つの説の場合はどちらの漢字も当て字になりますね。
どちらを使うべき?
“めど”の語源には諸説あることが分かったところで、「目処」と「目途」の違いの話に戻りましょう。まず、「目処」の方が「目途」よりも古くからあった言葉。「目途」は元々「もくと」と読んでいたものが、“めど”に変化したと考えられています。
それでは「目処」を使うのが正しいのかというとそうではありません。2つには微妙な意味の違いがあるとされています。「目処」は見通し、「目途」は目当て(目標)という意味の違いがあります。
つまり、「目処が立つ」、「月末を目途に終わらせる」というように使うということ。しかしながら、最初に述べたように2つは混同されて使われることが多いのであまり気にしなくていいでしょう。日本新聞協会では漢字を使わず、ひらがなで“めど”とするように統一しています。
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英語では何て言う?
“めど”を英語で言うとどのように表現できるのでしょうか。いろんな言い方ができるのでコレ!というように1つに絞ることは難しいですが、「“めど”が立つ/付く」は「see the light at the end of the tunnel(トンネルの終わりに光が見える)」という表現ができるようです。何ともおしゃれな言い回しですよね。
“めど”の関連語
これまで見てきた“めど”とは関係ありませんが、始めの方で新人君が挙げたいろいろな“めど”についてもさらっと見ていきましょう。
メドレー
2つ以上の曲を途切れさせずに演奏すること。
メドューサ
髪の毛1本1本が蛇のギリシャ神話に登場する怪物。
メドトロニック
医療機器の開発・製造・販売を行う会社。
メドピア
臨床や講演についての情報を扱う医師専用サイト。
メドベージェフ
ロシアの現首相(2018)。
メドベージェワ
ロシアのフィギアスケート選手。
“めど”を使った例文
“めど”を使った例文をいくつか紹介しておきます。
例①:今秋をめどに携帯電話料金の追加値下げ
例②:5年後をめどに築地市場跡地を再開発する方針
例③:関西空港、復旧のめど立たず
“めど”を立てていこう
“めど”について学んできました。“めど”はビジネスの世界でもよく使う言葉です。やみくもに仕事を行うよりも、“めど”を立てた方が効率面でもモチベーションの面でも何倍もはかどりますよね。間違っても、期限ぎりぎりになって“終わる“めど”が立たないと泣くことのないように計画的にいきましょう。