マーケティングは、誰にどのような価値を、どのように提供するのか、売れる仕組みを作り出すことです。マーケティングはよく見聞きしている人も多く、詳しい意味を知らない人もいるかもしれません。
今回は、マーケティングの定義、分析手法、成功事例まで解説します。
マーケティングの定義は「売れる仕組みを創造すること」
マーケティングとは、「誰に、どのような価値を、どのように届けるか」その価値を考え、売れる仕組みを創造することです。対象となる顧客を絞り込み、提供する価値を決めます。
しかし、マーケティングの定義は複数あるので、明確に統一されているわけではありません。日本とアメリカでも社会的な意味合いが違います。
日本マーケティング協会
日本マーケティング協会では、マーケティングの定義を「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。」と提示しています。
公益社団法人の日本マーケティング協会は、昭和32年に設立され、北海道から九州まで全国展開し、マーケティングの普及活動を行っています。2017年には内閣府認定ビジネス資格として認定。企業の社員教育、昇進資格などにも取り入れています。
アメリカマーケティング協会(AMA)
アメリカマーケティング協会は、次のように定義しています。
「マーケティングは、個人と組織の目的を満たすような交換を生み出すために、アイデアや財、サービスの考案から、価格設定、プロモーション、そして流通に至るまでを計画し、実行するプロセスである。」
マーケティングの種類
マーケティングの種類を3つ紹介します。インターネット、SNSの普及で消費者の行動に変化があります。
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングとは、顧客一人ひとりに直接コミュニケーションを図り、購入を促すこと。顧客の反応を情報蓄積することで、相手のニーズにあったマーケティングを展開できます。マーケティングの手法は、メールや電話、Web広告、SNSなど。年代や性別、興味にあわせてターゲットを決めていきます。
マスマーケティング
マスマーケティングは、市場の不特定多数の消費者を対象としています。ユーザーを限定せず、多数のユーザーにプロモーションを行えます。
そのため大量生産、大量広告、大量販売が可能。テレビやラジオ、新聞広告で宣伝して、幅広い世代に宣伝。しかし近年は価値観が多様化したため、あらゆる人々に届けるのが難しいと言われています。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、Webサイト、SNS、動画など、消費者に自発的にアクセスしてもらい顧客になってもらうこと。インターネットが普及してユーザーが自ら情報収集するようになったので、適切なコンテンツや情報の発信が重要とされます。ユーザーの興味や関心を引き出し、満足させることで購買意欲へ導きます。
マーケティング分析の手法
マーケティングの手法は多数存在しますが、今回は、代表的な3つを紹介します。
3C分析
3C分析とは、「市場・顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つのCについて分析することです。競合を比較し分析すると、自社の課題や改善点を見つけられます。市場の動向、顧客の消費行動のデータを調査し、新製品やサービスの提案もできるでしょう。
1982年に大前研一氏の自著「The Mind of the strategist」で広く提唱されました。
SWOT分析
SWOT分析は、4つの要因「強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)」を分析して、マーケティング戦略を立てることです。自社の強み、弱みを分析、特定することで事業全体の課題が明らかになります。尚、目的を明確して分析できると、事業計画も立案しやすくなるでしょう。
PEST分析
PEST分析は、4つの要素「政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)」から、マクロ環境要因を分析すること。外部環境の変化から、新しい商品やサービスのトレンドを探っていけます。
マーケティングの第一人者、フィリップ・コトラー氏が提唱されました。著書のなかで、環境分析の重要性を述べています。
マーケティング戦略
マーケティング戦略とは、一般的に「誰に何をアプローチするのか方向性を決めること」を指します。消費者が欲しいと思う商品、サービスを提供することで、リピーターを増やすことが可能。企業の成果を出すにはユーザーの分析、マーケティング戦略が重要です。
マーケティングの成功事例
マーケティングで成功した企業を見ていきましょう。
株式会社クラシコム
クラシコムは、テーマ「北欧、暮らしの道具店」のECサイトの運営、オリジナル商品を開発しています。マーケティングは、facebookやInstagramで運用し集客を伸ばすとともに、Youtubeでドラマを作り、ヒットコンテンツを出しました。SNSマーケティングは他の企業も使っていますが、動画制作は珍しいことです。
長期で発信を続けることで、継続的なファンを増やすことに成功しました。
ユニクロ
ユニクロの特徴のひとつは、ブランディングの確立性です。シンプルで上質な服は、あらゆる人の生活にあわせられます。また、商品の企画、製造、販売まで自社で行われているのも強み。コスト削減にも繋がります。毎週届くユニクロのチラシも消費者の購買意欲をかきたてます。