「息を呑む」とは「驚きや恐れで息を止めること」
息を呑む美しさ
大自然、芸術、はたまた街で見かけた好みのタイプ…美しいと感じるものは人それぞれですが、ハッとするほど美しいものを見たことはあるでしょうか。
「息を呑(の)む」とは「驚きや恐れで息を止めること」を意味します。とはいえ、実際に息を止めるのではなく、「息が止まるほど驚く」という例えです。
「息を呑む」?「息を飲む」?
・息を呑む ・息を飲む
どちらが正しいかわかりますか。実はどちらも正しいんです…とはなりません。
「息を呑む」が正解。「息を飲む」は間違いです。
「飲む」は液体の物を口にする際に使う表現です。個体の物や比喩表現の場合は「呑む」を使うのが普通。
その他の「呑む」を使った比喩表現
「呑む」を使う比喩表現は「息を呑む」だけではありません。
・涙を呑む⇒泣きたいのを我慢する ・固唾を呑む⇒事の成り行きを息をこらして見守る
「呑む」か「のむ」を使おう
「呑む」は常用漢字ではないため、「息をのむ」とひらがなで書かれることもあります。「飲む」とするのは間違いなので「呑む」か「のむ」どちらかの表記にしてください。
「息を呑む」の使い方・例文
・満開の桜に思わず息を呑んだ ・目の前で起こった恐ろしい出来事に息を呑む ・驚いてハッと息を呑む
「息を呑む」は良いことにも悪いことにも使うことができます。恐怖で「息を呑む」場合は悪いことのみですが、美しさや嬉しさに「驚く」こともありますよね。
「息を呑む」の類語
・ハッとする ・絶句する ・肝を冷やす
「ハッとする」「絶句する」は「驚き」と「恐れ」のどちらにも使用可能。
「肝を冷やす」は「恐れ」のみです。
「息を呑む」を英語で
I was breathless ⇒息を呑んだ
「breathless(呼吸をしない)」で「息を呑む」を表現しています。同じように驚きや恐れでハッとする様子を表しています。
また、「息を呑むほどの美しさ」は「breathtaking beauty」で表現できます。
良い意味で「息を呑む」ように
良い意味で周りが「息を呑む」ような仕事をしたいものです。間違っても悪い意味で周りが「息を呑む」ことがないように心がけましょう。