「矜持」とは「プライド」という意味
サラリーマンの矜持を見せろ!
ドラマの中ならまだしもリアルでこんなセリフを耳にする機会はないですよね。サラリーマンとひとくくりにされても…
「矜持(きょうじ)」とはプライドのこと。自身の持つ能力、技術、経験、気構えなどを誇る気持ち、それらに裏付けされた自信を指します。
仕事に関連することに使われるワードでもあるのでこれを機にマスターしておきましょう。
「矜持」の読み方
「矜持」の読み方は「きょうじ」です。
しかし、「きんじ」と読む人もいるでしょう。慣用句読みのため本来は誤読ですが、広まっている読み方として認められています。あえて「きんじ」と読む必要はないので、これから覚える人は「きょうじ」と読むようにしてください。
「矜持」の語源・由来
「矜持」の「矜」には「自負」「誇り」という意味があります。「矜持」は文字通り、「誇りを持つ」という意味に。
また、「矜」には「矛の柄(柄は持つ部分)」という意味もあり、戦に向かう兵士の誇りを表す様が由来との説もあります。
ちなみに中国語でも意味は違いますが、「矜持」という言葉はあります。中国語の「矜持(jīnchí)」は「緊張している」「硬くなっている」という意味。
「矜持」と「矜恃」の違い
よく見てください。「持」と「恃」で違いがあります。読みはどちらも「きょうじ」。
漢字の違いだけで意味は同じ…と言いたいところですが、元々は別の単語でありニュアンスに違いがあります。
・矜持⇒誇りから自分の言動に責任を持つこと ・矜恃⇒自信を持ち堂々と振る舞う様
どちらも一言で「自信」と言ってしまえばそれまでですが、言動で示す自信(矜持)と振る舞いや見た目で見せる自信(矜恃)という違いがあります。
とはいえ、現在は同じ意味の言葉として辞書に載っています。「矜持」の方が一般的なのでどちらを使うか迷ったら「矜持」を使いましょう。
「矜持」の使い方・例文
・医者の矜持にかけて彼女を救ってみせる! ・仕事への矜持を持って行動しましょう ・上司としての矜持を保つことができたと自負している ・この会社の一員として矜持を見せる時だ
仕事に関することに「矜持」はよく使用されます。「サラリーマンの矜持」と言ってもピンとこないかもしれませんが、「医者の矜持」「プログラマーの矜持」と具体的な職業を入れるとわかりやすいかもしれません。
「○○の矜持」に自分の職業を入れると何かしら頭に浮かぶことがあるはず。
「矜持」を含む言い回し
・矜持を保つ ・矜持を持つ ・矜持を見せる ・矜持を正す ・矜持を語る ・矜持を見失う ・矜持が許さない
「矜持を持つ」「矜持を見せる」といった以外にも「矜持」を含む言い回しは多数。これらの表現もあわせて確認しておきましょう。
「矜持」の類語
・誇り ・プライド ・自尊心
「矜持」はこれらの表現に言い換えることが可能。誇りや自尊心よりも「矜持」の方が重みが感じられる言葉なので、「新人としての矜持」というと違和感があります。
自信を裏付けするだけの経験や実績、能力があることに対して「矜持」を使いましょう。
「矜持」を英語で
I have pride in this work ⇒矜持を持って仕事をする
「pride」で「矜持」を表しています。とはいえ、あえて「矜持」と訳さなくても、そのまま「プライド」でも意味は通じますね。
「矜持」を見せるために
新人のうちは「矜持」が何かピンとこないかもしれません。しかし、将来確固とした「矜持」を持てるようになるためには経験を積んでいくしかありません。部下や後輩に「矜持」を見せつけることができるようになるまで頑張りましょう。