「慮る」とは「思いを巡らす」という意味
相手を慮る力がビジネスの成功には必要だ
ビジネス書のタイトルにも使われることの多い「慮る」。目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
「慮(おもんぱか)る」とは「思いを巡らす」という意味。人や物事の状況についてあれこれ考えを巡らすことを指します。特に人の心情について使われることが多いです。
「慮る」の読み方
「慮る」の読み方は「おもんぱかる」です。
しかし、10代を対象にしたある調査では、正しく読めた割合は20%弱。間違えたり読めなかったりした人がほとんどという結果でした。
20代以降であれば正しく読める人の割合はもっと多いと予想できますが、「慮る」が難読漢字であることは確かですよね。
「おもんぱかる」と読みに「ぱ」のような半濁音が含まれている漢字はあまりありません。なぜこのような読みになったのでしょうか。
「慮る」の由来
「慮る」は「おもいはかる」から派生した言葉です。元は「おもんばかる」と読まれていたのが、発音しやすいように「おもんぱかる」に変化していったようです。
「おもんばかる」も間違いではなく、辞書によっては「おもんぱかる」「おもんばかる」両方の読みが記載されているものも。
「慮る」の使い方・例文
・お互いを慮ることはチームにとって重要だ ・あの発言は取引先との関係を慮ってのことだと皆理解してくれた ・慮るあまり逆に傷つけてしまった
「慮る」を「思いやる」や「考える」に置き換えても意味は通じます。「慮る」を知らない人もいるため、より一般的なこれらの表現に替えることも重要です。
特に会話文では聞き返されて話が途切れるくらいなら、置き換えたほうがいいかもしれません。
「慮る」の類語
・忖度(そんたく) ・配慮(はいりょ) ・遠慮(えんりょ)
その他、これらの表現も「慮る」の類語として挙げられます。
「忖度」は「政治家に忖度する」のようなあまりよくないイメージがついているかもしれませんが、「忖度」の本来の意味は「相手の気持ちに配慮する」という「慮る」と似ている言葉です。
「忖度」について詳しくは以下で解説しています。
忖度とはどんな言葉?流行語になって使い方が変わった?本来の意味から類語までわかりやすく解説
「慮る」を英語で
give it a lot of thought ⇒慮る
「give it a lot of thought」もしくは「give a lot of thought to~」で「慮る」を表現しています。「consider」「reflect upon」でも表現可能。
「understand one’s situation」「understand how one feel」とより具体的にいうこともできます。シチュエーションが合えばこれらも使ってみてください。
話を聞く人を「慮る」のであれば
「慮る」は耳に残る言葉なので使いたくなりますよね。そのインパクトからテレビで取り上げられたり、書籍のタイトルになったりと、以前よりは知名度は上がっているかもしれません。
とはいえ、まだまだ知らない人も多いワードです。ビジネスシーンに限らず、誰でもわかる言葉を使いましょう。