施策とは『行政機関などが計画を実行すること、またその計画』
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このように『施策』とは、ビジネスシーンでよく使われる言葉です。しかし、本来の意味は『行政機関などが政策や計画を実行すること』や『その計画自体のこと』をいいます。
この記事では施策の正しい意味や使い方、ビジネスにおける施策とは何を示すのかなどを解説します。しっかりと意味を覚えて、実際のビジネスシーンでも使えるようにしておきましょう。
施策の意味をチェック
前述のとおり施策とは「しさく」と読み、『政策や対策などを計画し、実行すること』です。本来の意味のとおり、ビジネスシーンだけではなく国や地方公共団体、市役所などの行政機関でも使われています。
それではもう少し詳しく施策について掘り下げてみましょう。
「せさく」という読み方は慣用読みである
本来の読み方は「しさく」ですが「せさく」と読むこともあります。これは行政機関で「せさく」と読まれていることから広まったと考えられるでしょう。
行政機関では「しさく」と同じ読み方で「思索」や「試作」という言葉もよく使われます。そこで施策を「しさく」と読んでしまうと、どの漢字を示しているのかわからないため、あえて「せさく」と読んでいるのです。
平成15年度に文化庁によって行われた「国語に関する世論調査」では、施策を「しさく」と読む割合は67.6%、「せさく」は26.1%という結果が出ました。
参考:平成15年度「国語に関する世論調査」の結果についてhttps://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h15/
これにより約3割の人が「せさく」と読んでいるため、いつからか慣用読みとして認められたのです。
先輩
ビジネスにおける施策とは?
ビジネスシーンで使われる『施策』は、本来の意味になぞらえており『会社の目標を達成するための計画やその策のこと』をいいます。つまり、冒頭の会話文のような使い方です。
ビジネスにおいて施策を上手く実行できれば、会社にとって大きな利益を生み出すことができます。そのためにも多方面から計画を熟考し、慎重に実行していくことが求められるのです。
施策を打つ前には明確な目標を定める
ビジネスにおける施策を打ち出す前には、必ず明確な目標を定める必要があります。
例えば「我が社も残業を減らすべく、ノー残業デーを作る」と施策を打ち出すとします。この場合、ただノー残業デーを作って強制的に残業させないようにしたところで、仕事量は変わらずあるわけですから、ほかの曜日にしわ寄せがいって結局総合的な残業時間は変わりません。
そこでもっと細かく「月40時間以内の残業に抑える」などと目標を定めることで、一人が一日に可能な残業時間の目安ができ、各自で効率化を目指せるようになります。このように明確な目標を立てることが、施策を成功させるための近道だといえるでしょう。
施策の英語表記
施策の英語表記は3種類あります。例文とともに紹介しましょう。
【policy】
環境政策という施策を提案した。
【measures】
ニューヨークから犯罪が減るよう、施策が講じられている。
【program】
人件費削減施策の効果の検証はどの資料にまとめられていますか。
施策と政策の違い
類義語として「政策」が挙げられますが、これは「政府や政党などが行政執行するための方針」という意味です。
両者とも国や政府などの行政機関で使われる言葉ですが、施策は『実際に計画を実行すること』に対して政策はあくまでも「方針」を意味しています。この部分は大きな違いですのでしっかりと理解しておきましょう。
施策の使い方・例文
最後に施策という言葉の使い方について、実際の会話文で紹介します。
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有効な施策を打って組織の成長を!
これまで説明したように、施策とは『国などの行政機関が計画を実行すること』です。しかし、ビジネスにおける施策とは『会社が目標を達成するための計画を実行すること』となります。
会社員として働いている場合、後者の意味の施策という言葉をよく耳にするかもしれません。もしもあなたがビジネス戦略に携わる仕事をしているなら、ビジネスにおいて有効な施策を打ち出して組織を成長させましょう。