『前途多難』とは『行く先に多くの困難がある』という意味
上司
先輩
上司
四字熟語やことわざをあまり知らないという人でも『前途多難』という言葉は馴染みがありますよね。しかし、広く知らているものでも、正しい意味として理解されていない場合も少なくないもの。
今回は、『前途多難』の正しい意味や使い方を改めて確認しておくとともに、類語、対義語、英語表現についてもあわせて勉強していきましょう。
『前途多難』の読み方・意味
『前途多難』の読み方は『ぜんとたなん』で、『前途』と『多難』の二語から成り立っています。まずはそれぞれの意味をチェックしておきましょう。
・行く先
・目的地までの道のり
・将来
・困難や災難が多いこと。
これらをあわせ、『前途多難』は『行く先に多くの困難がある』ことを意味する四字熟語として使われるようになりました。
『前途多難』の使い方・例文
『前途多難』は、主に将来に対する状況を指して使います。そのため、現在もう困難な状況に陥っている場合は適さない言葉なので注意しましょう。
■多額の借金を抱えてのスタートで前途多難かもしれないが、みんなで頑張っていこう。
■会社が倒産したうえに病気になるなんて…これから前途多難な人生になるんだろうな。
■なんの困難もなくラクラク進めるより、前途多難なほうがやりがいがありそうな気がしない?
■この業界で企業するのは前途多難だといわれているが、あえて挑戦してみようと思っている。
■会社を立ち上げたときは前途多難になると覚悟していたが、予想外に順調で、準備資金として借り入れていたお金を一年で返済できた。
『前途多難』の類語
『前途多難』をわかりやすく言い換えたい場合、次の言葉が使えます。
・険しい道のり
・難航が予想される
・先は遠い
・困難が予想される など
また、類語となる四字熟語としては『暗雲低迷(あんうんていめい)』や『前途遼遠(ぜんとりょうえん)』があげられます。
【暗雲低迷】
悪い状態が、好転の兆しもないまま長く続いているさま。
【前途遼遠】
目的に達するまでの道のりがとても遠く、長い時間がかかること。
『前途多難』の対義語は『前途洋々(ぜんとようよう)』
『洋々』には『希望に満ち溢れているさま』『物事が盛んなさま』を表す言葉です。それに『前途』をつけることで『行く先に希望が満ち溢れている』という意味になります。
またほかに『前途有望(ぜんとゆうぼう)』も対義語として存在します。これは『行く先に大いに見込みがある』ことを指す四字熟語です。
『前途多難』の英語表現
シンプルな英語を使いたい場合は次の表現方法があります。
・My future will be full of difficulties.
(私の将来は難題でいっぱいです。)
またほかに、『rocky road ahead』という英語表現があります。これを直訳すると『前方の岩だらけの道』です。岩だらけの道は、進んで行くのがとても困難です。この様子から『前途多難』を表す言葉として使われるようになりました。
『前途多難』な道でもできるだけ前向きに!
『前途多難なくらいじゃないとやりがいがない』という考えの人も少なくないでしょう。しかし、多くの人が、できれば『前途洋々』で人生を送りたいと思っているはず。そう思えば思うほど、目の前の困難を乗り越えるのが辛くなるかもしれません。
『前途多難』が予想されても、諦めず、さらに先の『洋々』を想像して、ぜひ前向きに歩んでいってくださいね。