啓蒙活動(けいもうかつどう)とは?
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「啓蒙」とは、何かを与えたり、教えたりしながら人を導くことを意味します。「啓発」に近い意味で用いられる言葉です。
しかし、「啓蒙」と「啓発」は意味が似ているものの、「啓蒙」に関しては差別用語だととらえる人も。使い方には少し注意が必要です。
ビジネスの場でうっかり「啓蒙活動」という言葉を使い、相手を不快にさせることのないよう、意味をしっかり学んでおきましょう!
啓蒙活動の意味とは「知識を与え導くための活動」
啓蒙活動の読み方は「けいもうかつどう」。人に何かを教えるときに用いる言葉です。次のような意味をもっています。
啓蒙活動の意味だけを見ても、「差別用語」という印象は受けませんね。
なぜ、啓蒙活動は差別用語だと非難する人がいるのか、語源から考えてみましょう。
啓蒙活動の語源・由来
啓蒙活動の「啓蒙」は、室町時代にはもう日本で使われていたといわれている歴史のある言葉です。漢字の意味は通り。
啓:わからないことを明らかにし、教え導く
蒙:道理にくわしくないこと、無知で愚かなこと
つまり、「啓」と「蒙」を組み合わせると、「道理にくわしくない一般人に正しい知識を教え導く」という意味合いに。
「蒙」には「無知で愚かなこと」という意味もあります。この漢字がもつ意味からすると「啓蒙」という言葉が失礼に当たると考える人もいるのです。
そのため、啓蒙を知識がない人を馬鹿にしている差別用語だと解釈する人がいて、時に問題となります。
啓蒙活動の例
啓蒙活動は漢字が難しいし、なんだかとっつきにくそうな言葉だと感じる人もいますよね。
確かに字面は堅苦しいですが、実際の啓蒙活動は私たちの身の回りでたくさん行われていて、皆さんもごく普通に体験しているんですよ。
たとえば、次のようなものがあります。
・交通安全講習や動物愛護の呼びかけ
・乳がんに関する正しい知識を広めるピンクリボン活動
・レジ袋削減運動
どれも人々に正しい知識やふさわしい行動を伝えるための活動になります。だから、これらは啓蒙活動とみなされるんですね。
啓蒙活動の使い方・例文
「啓蒙活動」という言葉を使うと、相手の受け取り方によっては問題になるケースも。取引先や顧客に向けては使わないほうが無難です。
現代社会で啓蒙活動を使用するなら、社内や大学内など、指導者・上役から、多数の一般社員や学生に対して用いるにとどめるのが無難です。
先輩
新人
上司
上司
新人
啓蒙活動の類語は啓発活動
啓発活動は、まだ気づいていない人にヒントや助言を与えることで自ら悟らせ、教え導く活動を意味します。啓蒙活動と意味自体は似ています。
啓蒙活動は、上位者から下位者に使うことが多い言葉。それに対して、啓発活動は、上下関係なく使用できるワードです。
つまり、迷ったら「啓発活動」を使っておくと無難といえます。
「啓蒙活動をする」の英語表現
啓蒙活動を英語で表現するときには「awareness campaign」といいます。単語の確認をしましょう。
awareness:気づくこと、知ること
campaign:運動、キャンペーン
「awareness campaign」で、「気づくための運動」という意味合いになります。
「啓蒙活動をする」を英訳したいときには「着手する」という意味の「launch」を使えばOK。「launch an awareness campaign」で伝わります。
啓蒙活動より啓発活動が無難
啓蒙活動は「立場が上の人が下の人を教え導く」ことを意味する言葉です。
しかし、聞く人によっては「愚か者に教えてやろう」という上から目線の表現だと受け取られてしまう恐れもあるので、使いどころを間違えると危険!
余計な批判を避けるため、社外では必ず啓発活動を使用してください。
社内でも、上下関係がはっきりしていて誤解が生じない内輪ならば啓蒙活動でもいいですが、特別な理由がないなら啓発活動を使うのが無難ですよ。