フリーライダーとは『他人の成果にただ乗りする人のこと』
新人
先輩
上記の会話にもあるように、フリーライダーと呼ばれる人と一緒に仕事をすると、嫌な思いをすることも多いでしょう。この記事ではフリーライダーの意味や特徴、また生まれた背景や対策方法をご紹介します。
フリーライダーの意味をチェック
組織においてのフリーライダーとは、『自分は仕事をせずに部下の成果を横取りしたり、報酬に見合った仕事をしなかったりする、ただ乗り社員』のことをいいます。
以前からフリーライダーは存在していました。しかし近年では雇用形態が変化したり、労働人口が減少したりしたことで、フリーライダーの問題がより顕在化してきたのです。
他人の成果にただ乗りするフリーライダーは、どこの職場にもいます。では、なぜ職場にフリーライダーが生まれてしまうのでしょうか。その特徴や対策方法を正しく知っておきましょう。
フリーライダーの特徴とは
フリーライダーの代表的な特徴としては以下の4つが挙げられます。
・周りの人に業務的な負担を要求する
・他人の成果を横取りしたり、責任転嫁したりする
・周りの人を精神的に追い込み、自分の居場所を確保しようとする
このような特徴がある上司や同僚が社内にいる場合は、注意が必要です。
フリーライダーへの対策方法
フリーライダーを産まないためにはまず、組織を見える化することが大切です。どの社員が何の仕事をしているのか、誰が見てもわかるようにしましょう。
日報や訪問リスト、タスクの進捗報告など、今日はどのような仕事をしたのか、どのような成果が生まれたのかがなど、結果だけでなくプロセスも見える仕組み作りが重要です。
良い意味で相互監視できるような組織づくりがフリーライダーを防ぐ方法です。
フリーライダーが急増した背景とは
フリーライダーは、急に出てきたわけではありません。昔も『給料泥棒』と呼ばれる社員はいました。
しかし、なぜ急増したかというと雇用形態と人口構成の変化が大きな要因です。昔の会社は終身雇用が当たり前で、給料泥棒と呼ばれるような社員でも時間とコストをかけて教育し、それなりの人材に育てることができました。
また以前は、人口構成比がピラミッド型で、高年齢者が少なく、若い世代が多かったため、職場のフリーライダー問題が潜在化していたのです。しかし、現在は状況が違います。
管理職が多くなり、新入社員が毎年入る企業が少なくなりました。そして、ピラミッド構造が崩れ、その対策として最悪の場合はリストラを実施しています。
このように企業の組織構造が変わったことで、フリーライダーが増えたというよりも顕在化したことが原因です。
フリーライダーの英語は『free rider』
フリーライダーを英語表記すると『free rider』となります。意味は日本語とほぼ同じで、ただもうけする人や何も労せずして利益を得る人や無賃乗車客を指します。例えば、次のように使われています。
フリーライダーが増えたことは深刻な問題だ。
君はタダ乗り社員ではない、大事な仲間の一人だ。
フリーライダーとぶら下がり社員の違い
フリーライダーと似た言葉にぶら下がり社員があります。両者の違いは勤務態度です。ぶら下がり社員は、上司からの指示や命令に従って、真面目に仕事に取り組みます。
つまり楽をしようとしているのではなく、仕事に対する姿勢が受け身だということです。新しい仕事や業務に挑戦するための自己成長や企業への貢献意欲の欠ける社員のこと指しています。
その反対にフリーライダーは怠慢で、楽をしようとしている上に、他人がした仕事を自分の成果にして、上司からの評価を上げようとします。
仕事への意欲や姿勢を基準にして切り分けましょう。
フリーライダーの使い方・例文
フリーライダーの使い方を例文でご紹介します。
新人
先輩
上司
[おまけ]フリーライダーとリンゲルマン効果の相関性
『フリーライダー』のことを『リンゲルマン効果』と呼ぶこともあります。これらは同義語です。
また、それを総じて『社会的手抜き』ともいいます。多くの人で構成された集団で作業するよりも、個人で作業する方が一人あたりの生産性が高まると言われています。
つまり、組織の力は、個人の力の総和より小さくなるということです。生産性という観点では、多くの企業や組織で『社会的手抜き』が生じている場合が多々あります。
フリーライダーの存在は組織全体に影響を与える
これまでフリーライダーの意味や特徴、また生まれた背景や対策方法を紹介しました。社内や組織でフリーライダーの存在に気付かないままでいると、個人の士気を落とすだけでなく、組織全体にその影響を及びます。
しかし、全て個人の責任ではなく、企業の評価制度や仕組み自体に問題がある場合もあるので、フリーライダーを作らない体制作りをすることが重要です。フリーライダーの問題は、本人を責めても解決しません。
長期的な視点で問題解決に取り組みましょう。