スケールメリットとは『企業規模の拡大によって得られるメリット』
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スケールメリットとは、『企業規模の拡大によって得られるメリット』の総称です。とはいえ、ひと言では分かりづらいですよね。ここからはスケールメリットの使い方や効果、活用例などを詳しく解説します。
スケールメリットの意味をチェック
まずはスケールメリットの意味を確認しましょう。スケールメリットは、『企業規模(スケール)を拡大することによって得られる効果(メリット)』の総称です。
これだけでは意味が通りづらいことから、国立国語研究所では『規模効果』や『規模拡大効果』などへの言い換えを提案しています。
スケールメリットの代表的な効果
スケールメリットはさまざまな効果を企業や組織に与えますが、代表的な効果としては「経済性に対する効果」と「優位性に対する効果」が挙げられます。
たとえば、企業規模の拡大によって大量の商品をまとめて仕入れることによる仕入れコストの削減は、経済性に対する効果の代表例です。
優位性に対する効果としては、販売エリアの拡大によるシェア拡大、知名度向上による集客力の向上などが挙げられます。
製造業におけるスケールメリット
数ある業界の中でも、最もスケールメリットを享受できる業界のひとつが製造業です。
製造業における代表的なスケールメリットとしては、大量仕入れによる仕入れコストの削減、製造機械の導入や追加導入による生産量の増加や作業速度と作業精度の向上などが挙げられます。
非製造業におけるスケールメリット
他業種と比べると多店舗展開がしやすい小売や飲食業界もスケールメリットを受けやすい業界です。具体的には、企業規模の拡大や多店舗化によって商品や食材を大量に仕入れることで、仕入れコストを大幅に抑えることができます。
また、運輸業界では、大型車両を導入して一度に多くの荷物や顧客を運ぶことができれば、ガソリン代などのコストを維持しながら収益性を上げることができます。
近年、銀行の合併が相次いてでいるのも、シェア拡大によるスケールメリットを期待してのものが大半です。このように、業界を問わずスケールメリットを享受できる場面は多々あります。
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スケールメリットの英語は『Economies of scale』
スケールもメリットは英語と勘違いされがちですが、スケールメリットは和製英語です。外国人にスケールメリットと言っても通じませんので、注意してください。
スケールメリットと同じ意味合いの英語は『Economies of scale』です。「規模の経済」と直訳できます。
英語では次のように使用します。
我社はスケールメリットの実現に成功した。
スケールメリットとシナジー効果の違い
スケールメリットとよく似た考え方にシナジー効果があります。シナジー効果とは、2つ以上の事業や製品を同時に扱うことによって、生まれる相乗効果を指します。
たとえば、コンビニエンスストアが既存店舗内に24時間営業のコインランドリーやフィットネスジムを併設したという事例があります。洗濯の待ち時間にコンビニエンスストアを利用してもらうなど客層の拡大を狙ったもので、この事例はシナジー効果の代表例として知られています。
対して、スケールメリットは同一の事業や製品の生産規模や販売規模を拡大することによって得られるさまざまな効果を指す言葉です。販売エリアの拡大や対象顧客の拡大は、シナジー効果ではなくスケールメリットに分類されます。
スケールメリットの使い方・例文
日常会話でスケールメリットを使う場合には、どのように使えばいいのでしょうか。文例を見てみましょう。
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スケールメリットは大企業にとって重要な考え方
業種を問わず企業規模を拡大することでさまざまな効果がもたらされます。中でも、事業規模を拡大しやすい大企業には、スケールメリットは特に重要な考え方です。
一方、中小企業にとって急激な規模の拡大は裏目に出てしまう恐れがあります。中小企業は、スケールを拡大することによるデメリットである『スケールデメリット』についてもよく検討する必要があるでしょう。