リテンションとは『社内人材の確保』と『顧客の維持』
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リテンションには『社内人材の確保』と『顧客の維持』という二つの異なる意味があり、使われる場面によって変わるので、正確な理解が求められます。
局面別でわかりやすく解説していきましょう。
リテンションの意味をチェック
リテンションは二つの場面で異なる意味を持つ言葉だと知っていましたか? 二つの意味がそれぞれ同じくらいの頻度で登場するので、なかなかやっかいです。
人事で使うときには『社内人材の確保』という意味、マーケティングなど経済用語として使われるときは『顧客の維持』という意味があります。それぞれを見ていきましょう。
人事で使われるリテンション
人事では『優秀な人材の流出を防いで確保すること』という意味で使われます。特に近年は人材不足が深刻になっていること、転職の選択肢が広がって転職率が上がってきてるなどから、リテンションの担う役割が注目されています。
優秀な人材が転職したら、補充するのは簡単ではありません。新たに社員を採用しても、スキルや経験を見につけるまでは時間もコストもかかるからです。
年々、リテンションの重要性は増しています。では人事におけるリテンション、具体的にはどういう対策を講じているのでしょうか。企業によってやり方はさまざまですが、大きく分けると、次の3つがあげられます。
働きやすい職場作り
個人のライフスタイルにあわせた働き方の提示
また、近年重要性が増しているのが個人のライフスタイルにあわせた働き方の提示です。産休、長期的な休暇、テレワークなど、それぞれの事情にあった働き方を用意することが人材の流出を防ぐ大きなポイントになります。
マーケティングで使われるリテンション
マーケティング用語としてのリテンションの意味は『顧客の保持』です。つまり、これまでのお得意様をそのまま離さずに維持する戦略を意味します。
新規の顧客を開拓するにはかなりのコストがかかります。一人の顧客が離れて、一人顧客を新たに開拓するよりも、一人の顧客を保持しつづけることのほうがビジネスとしてはプラスが大きいのです。
もちろん新規開拓も重要ですが、そのためにこれまでの顧客の保持がおろそかになってしまう事態は避けなければなりません。
では具体的にはどういう対策を講じればいいのでしょうか。こちらも大きく分けると、3つのポイントがあります。
アフターサービスの充実
継続的な商品などの情報発信
有形の物にせよ無形の物にせよ、ビジネスは売ったらそれで完結ではありません。継続して顧客になってもらうためには売ったところからが本当の勝負が始まるといってもいいくらいです。
販売した商品は問題なく使えているか、何か困ったことかないか、しっかりしたサポート体制を築くことこそが、先々のビジネスにつながります。
特に、近年はネット販売の比率が上がっており、価格での差別化は簡単ではありません。サポート体制とアフターサービスの充実こそがユーザーの信頼を獲得することにつながります。
商品の情報発信も重要です。一度購入してくれたということは次もまた買ってくれる可能性があるということです。ビジネスチャンスは地道な努力で広がっていきます。
リテンションの英語は『retention』
リテンションの英語は『retention』です。retentionには『維持、保有、保留、保持』などの意味があります。
人事用語では社内人材の確保、マーケティング用語では顧客の維持でした。
このretentionという言葉、どんな場面で使われるか確認してみましょう。
私は新規顧客の定着率の推移を注視しています。
あのシーフードレストランはお得意さんを大切にする努力をしている。
リテンションとアクイジションの違い
リテンションと一緒に覚えておきたい言葉にアクイジションがあります。セットで使われることが多いからです。
アクイジションの英語は「acquisition」。意味は獲得する、取得するなど。
つまり、リテンションがこれまでの顧客を保持するときに使われる言葉だとすると、アクイジションは新規の顧客を開拓して、獲得するときに使われる言葉なのです。
リテンションの使い方・例文
実際にリテンションという言葉がどういう場面で使われるのか、見ていきましょう。
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リテンションの意味を理解して正しく使おう
リテンションには2つの意味があります。1つを知っているからといって安心せずに、2つの意味を理解して、状況にあわせて正しく使ってください。