エコシステムとは『複数の企業や製品が連携し共栄共存する経済圏』
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エコシステムとは『複数の企業や製品が連携し共栄共存する経済圏』という意味の言葉です。短い説明だけではイメージすることが難しい言葉なので、じっくり解説していきます。
エコシステムの意味をチェック
エコシステムは、もともと生態系の分野で使われていた用語です。空間や場所を共有している動物や植物が、お互いに共存共栄している自然界の循環をエコシステムと呼んだのが始まり。
自然界では、誰かがルールを定めたわけでもないのに、個としての生存本能に忠実な活動が結果的に自然な共生関係を築きます。この流れが経済活動にも当てはまることから経済用語としても使用され、特に近年は通信業界、IT業界でよく使われる言葉となりました。
ただしこの言葉、自然にある状態から生まれたものであるだけに正確に理解するのが難しい面もあります。全体像をイメージでつかむことがこの言葉を理解する鍵といっていいでしょう。
エコシステムが形成された歴史
エコシステムという言葉が生まれたのは1930年代のこと。公式な記録として残っているものでは、イギリスの生態学者であるアーサー・タンズリーが1935年に発表した論文の中で、エコシステムという言葉を使ったのが最初とされています。その後、生態系の状態を表す言葉として広く周知されました。
エコシステムという言葉が経済の分野で広く使われるようになったのは1990年代に入ってから。コンピューターの一般化、インターネットが普及が要因となっています。
技術が発達し、通信網が整備されていくと、IT業界全体としても生態系と似たシステムが自然発生的に形成されていきました。コンピューターやデバイス、パーツ、アプリ、通信システム、さまざまな複合的なジャンルの企業や商品が一体となって、大きな発展を遂げました。こうした異なる企業や商品の共存共栄する状態がエコシステムです。
鍵をにぎるのは多様性と共生関係
エコシステムの大きな特徴のひとつは多様性です。さまざまな分野のさまざまな会社、商品がゆるやかにつながっています。この多様性こそがエコシステムのポイントです。
多様性があるからこそ、柔軟で自在。技術発達や世界情勢など、大きな変化にもすみやかに対応していくことができます。
もうひとつのポイントとなっているのは共生関係。もともと同じ領域にある企業同士は競争関係にあるのが普通です。商品にしても、ライバル商品よりも少しでも多く売ろうとする競争は、ときにとても熾烈になります。
しかしエコシステムにおいてはこの競争さえもが共生関係にとってはプラスに働くのです。競争がさらなる技術の進歩を促がし、業界全体を活気づけます。生態系でいうならば、生存競争といったところでしょうか。
エコシステムが機能した具体的な事例
エコシステムが機能したもっとも有名な例はIT関連製品やデジタル家電を扱う某大企業でしょう。
パソコン、スマートフォン、タブレット、それらを支えるさまざまなハードウエアとソフトウエア、音楽のスクリーミング・サービス、映像サービス、それらが一体となって発展を遂げてきました。ここで形成されたエコシステムは経済界だけでなく、消費者にも大きなプラスをもたらしています。
エコシステムの英語は『ecosystem』
エコシステムの英語は『ecosystem』です。もともとは生態学、自然環境という意味のある『ecology』と、組織、制度、体系といった意味のある『system』の合成語として生まれました。
海外ではecosystemと表記した場合は生態系を指す言葉であることが多く、経済用語として使う場合はデジタルエコシステム『digital ecosystem』、ビジネスエコシステム『business ecosystem』という言葉を使って区別することもあります。
英語のecosystem、どんな使い方をするのでしょうか。
私はベンチャー企業によるエコシステムを北海道に作りたいんです。
ビーバーはエコシステムの技術者です。
エコシステムとエゴシステムの違い
エコシステムと意味的に似ていて、混同する可能性のある言葉は一部しかありません。
響きとして似ているのはエゴシステムです。しかし音は似ていますが、意味はまったく違います。
生態系という意味のエコシステムに対して、エゴシステムとは自我のおもむくままに行動することで、単なる迷惑者、わがまま人間という意味に捉えられます。
エコシステムの使い方・例文
実際にエコシステムという言葉がどういう場面で使われるのか、見ていきましょう。
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エコシステムの意味を理解して正しく使おう
エコシステムは現代社会ではますます重要な意味を持つようになってきています。エコシステムの意味をしっかり理解して、正しいシチュエーションで適切に使いましょう。