「返信不要」とは「返信は必要ない」という意味だが…
返信不要
受け取ったメールにこのように書かれていたら、あなたは返信しませんか?それとも返信しますか?
「返信不要」は文字通り、「返信はいりません」という意味です。「返信不要」を受け取ってちょっとムッとしたり、困惑したりしたことがあるかもしれません。
メールだけではなく、ラインでも「返信不要」を使う人がいるようです。「返信不要」のラインスタンプまで出ています。
「返信不要」は気遣い
「返信不要」は「返信しないでください」ではありません。「返信しなくても大丈夫ですよ」という気遣いの表現。
とはいえ、「返信不要」だとあまりに事務的というか、ぶっきらぼうというか、ビジネスメールで使うにはふさわしくない気がします。もっと丁寧な表現に言い換えられないでしょうか。
「返信不要」の言い換え
・ご返信は不要です ・ご確認いただければご返信には及びません ・ご返信等のお気遣いのないように ・ご返信いただかなくても差し支えありません ・お忙しいところ恐縮ですのでご返信はご無用です ・何かご不明な点がございましたら遠慮なくご連絡ください
「ご返信は不要です」とするだけでグッと丁寧になりましたね。実際はこのように書かれることが多いようです。
上の表現よりも下の方が丁寧な言い回し。
「何かご不明な点が…」は、もはや「返信不要」といっていません。「何かあれば連絡ください」=「問題なければ返信はいりません」と遠回しに表現しています。
「返信不要」がいらない理由
ちょっとややこしいですが、「返信」がいらない理由ではなく、「返信不要」がいらない理由です。
気遣いのつもりで使う「返信不要」ですが、あえて使う必要はないでしょう。その理由をいくつか挙げていきます。
「返信するな」と解釈する人がいる
「返信不要」を「返信するな」と解釈する人がいます。ネットの口コミでは「ムカつく」「冷たい」「失礼」といった声が多数。
気遣いで「返信不要」を使ったのにこのように思われてしまったら嫌ですよね。
とはいえ、自分の言いたいことだけいって「返信不要」でその後のやりとりを放棄する人がいるのも事実。さすがに仕事関連ではないでしょうが、仕事以外のラインやチャットアプリでこんな使い方をしている人がいるようです。
逆に気を遣わせてしまう
仕事のメールで「返信不要」を受け取ったらどう対応しますか?
こちらから言うことがもうなければそのままにしとくかな、でもやっぱり一言くらい返した方がいいかな…
「返信不要」ってあるのに返信したら迷惑かな、忙しいから連絡しないでという意思表示かな、なんていろいろと考えてしまいますよね。
プライベートの気楽なやりとりならまだしも、仕事のメールでは「返信不要」は逆に気を遣わせてしまいます。
支障が出る
これが一番の「返信不要」がいらない理由です。「返信不要」を使うことで仕事に支障をきたす可能性あり。ある意味、「相手に気を遣わせてしまう」もそうですが、もっと大きな問題があります。
対面や電話だったら、相手が自分の話を聞いたかどうかはっきりわかりますよね。しかし、メールは相手に届かない可能性があります。届いていなくても相手が見落としている可能性も。
相手がメールを読んでいなくても、「返信不要」を書いたメールを最後に返信が途絶えたら、読んで問題がなかったと勘違いしてしまいます。それが重要な内容だったら取り返しのつかないことになるかもしれません。
「返信不要」とあったとしても、メールを受け取ったことを相手に知らせましょう。長々と書く必要はありません。「受け取りました」と一言伝えるだけでOK。
「受領しました」というビジネスで使える表現もあります。
「受領」の意味とは?使い方から注意点、類語、英語表現まで詳しく解説!
「返信不要」を英語で
・NRN ・NNTR ⇒返信不要
「NRN」と「NNTR」は主にメールの文末で使える「返信不要」です。「No Reply Needed」「No Need To Reply」の略。
また、「FYI」は「For Your Information」で「参考までに」という意味ですが、「NRN」等と同じようなニュアンスで使うことができます。文章で「You don’t have to replay」と書いても同じです。
これらは日本語での「返信不要」と同様、失礼と捉えてしまう人もいるので無理して使う表現ではありません。
「返信不要」こそ不要
ビジネスでは「返信不要」こそ不要といえます。逆に気を遣わせてしまったり、相手が受け取っているかどうかはっきりしなかったりとメリットはありません。
「返信不要」とあっても必ず返信するようにしましょう。