HRとは『人的資源』
新人
先輩
近頃では転職サイトの求人などでHRという言葉を見かけるようになりました。このHRとは『人的資源』を意味し、しばしば便宜上で『人事部』のことを指しています。
聞きなれない言い方なので、ピンとこない人も多いでしょう。ここではHRの意味や本来の『HR』の具体的な業務、日米のHRの違いやHR業界のことなどを、できるだけわかりやすく解説するので、ぜひ覚えていってください。
HRの意味をチェック
『HR』の本来の意味である『人的資源』『人材』の意味から転じて、『人事部』の意味でも使われます。これはアメリカの企業で日本の人事部に近い部署がHRと名付けられているので、それにならっているのです。
HRの本来の意味が重要
ここで重要なことは、HRは「Human Resources Department」の略ですが、「Human Resources」の意味は「人的資源」=「人材」です。
アメリカのHRは「人材育成」や人的資源をサポートする部署という意義があり、「管理」を主目的とする日本の「人事部」とは似て非なるものともいえるのです。
『HR』はあくまでも『人的資源』ととらえ、そのうえで人事部的な意味合いのHRが存在すると考えるスタンスが適切でしょう。しかも、日本のHRはまだ人事部との違いが確立されていない場合が多いということも理解しましょう。
※HR業界と呼ばれるものもあり、それに関しては後の[おまけ]にて解説します。
アメリカ型HRの具体的な業務
日本の人事部がアメリカと同様の言い方でHRと呼ばれ始めていますが、実はまったく同じ役割とは言えないのです。
ここでは通常の「人事部」ではなく、アメリカのHRを意識した日本のHRの主な業務について解説します。
人材採用
会社を発展させるために必要な人材を想定し、採用計画を立てます。採用方法については求人サイトや人材紹介会社などさまざまです。会社の規模によっては新卒採用と中途採用で別の部署になっていることもあります。
人材育成
会社の発展に向けて、どんな教育・研修が必要かを考え、実際の育成を担当します。研修自体は外部のコンサルタントに任せることもあります。
人事評価
社員の評価を適正に行い、それに基づいて給与・異動などのアレンジを担当します。モチベーションに関わる重要な仕事といえます。従来の人事部では評価はしないので、決定的な部分です。
労務管理
社員が安全に働くために必要不可欠な社会保険や福利厚生の管理などで、従来の人事部と同様の業務です。
上司
HRの英語は『Human Resources Department』
HRは英語で『Human Resources Department』と表記されます。使い方においては日本語の場合とほぼ同じです。
会話では以下の例のような使われ方をします。
彼は私たちの会社のHRで7年間働いています。
同僚がHRに呼び出されていたの。移動があるのかな?
兄が大手企業のHRのポストで転職に成功したんです。
HRとHRDの違い
HDRは「Human Resource Development」の略です。「人材開発」の意味で、組織が個人に対してスキルやノウハウなどをいろいろな方法で身につけられるよう促し、パフォーマンスを向上させることです。
いわゆる人事部を指すHRとは違いますが、むしろこの『HRD』が持つ意味の方向性こそが、本来のアメリカのHRが担う役割に通じているのです。実際に『HR』がHRDを担当することもありえます。
日本の人事部に近いようなHRは、HRDの考え方や方向性を持つことによって初めて、れっきとした『HR』と名乗れるのではないでしょうか。
HRの使い方・例文
最近ちょこちょこ目にするHRですが、ビジネスの会話ではどのように使われるのでしょう。例文を例文で見てみましょう。
先輩
新人
[おまけ]HR業界とは?
HR業界とは、『人的資源』を確保・提供したり、育成の支援をしたりなどの「人事支援サービス」を行う業界のことです。企業の人事部門に代わって、人材確保や能力開発などを支援するサービスを行います。
例えば企業が求める人材をリクルートして確保するヘッドハンティング的な仕事から、企業の社員研修を行うコンサルタント的な仕事まで、具体的な業務は多岐に渡ります。
日米の違いも知って使おう
HRをざっくり人事部と同一視してしまう傾向にあります。しかしここで解説したように、アメリカでのHRの存在意義を考えると、日本企業でHRという呼称を人事部に対して普通に使うのは少し違うかもしれません。日米の違いも知った上でその言葉を使いましょう。