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『陶酔』の意味とは?使い方から類語・関連語・英語表現までをわかりやすく紹介

『陶酔』とは『気持ちよく酔うこと』という意味

先輩

A君…A君!…ちょっとA君!聞こえないの?!
あ、先輩すみません。新作の財布の試作品ができてきたんですけど、予想以上にいい仕上がりだったんで。

新人

先輩

たしかに、これまでで一番ステキなものができたと思うわよ。でも、いつまでも陶酔してないで仕事してくれる?!

『陶酔』は、字を見ただけでも『酔いしれる』ことだとは想像できます。『陶酔』という言葉をなんとなく使っている人も多いでしょう。しかし、きちんと意味を理解せずに使っていると、場合によっては『陶酔』を適切に使用できないかも

そこで今回は、『陶酔』の正しい意味をチェックするとともに、使い方や類語、似た言葉との違いなども覚えていってください。

『陶酔』の読み方・語源

『陶酔』の読み方は『とうすい』です。『陶』と『酔』の二つの漢字から成る言葉です。それぞれの漢字がもつ意味は次のとおりです。

『陶』がもつ意味

・土で焼いて作ったもの
・焼き物を作ること
・喜ぶ
・気持ちがよくなる など

『酔』がもつ意味

・アルコールが体内にまわって正常な判断や行動ができなくなったり、心理的に平常とは違う状態になったりする
・乗り物で揺られる、混雑などで気分が悪くなる
・心を奪われる
・熱中する

どちらの漢字にもいろいろな意味がありますが、これらの中の『気持ちがよくなる』と『心を奪われる』をあわせ、『陶酔』の意味になっています

『陶酔』の意味

漢字そのままの意味をあてはめると『気持ちがよくなり心を奪われる』となりますが、『陶酔』としての意味は、大きく分けて2つあります

■気持ちよく酔う
■心を奪われうっとりする

会話で登場する『陶酔』がどちらのニュアンスなのかは、前後の文脈で判断してね。

『陶酔』の使い方・例文

真剣に仕事をしている中で『陶酔』する場面はなかなかないと思いますが、会社でも何かに心を奪われうっとりすることはあるでしょう。ここでは正しい使い方を例文としていくつか紹介します

例文

■会食のときに出されたワインがあまりにも美味しくて陶酔してしまった。
■新しく就任した女性副社長があまりにも美人で、陶酔している男性社員が大勢いた。

上司

〇〇くん、さっきからボーッとしてるけど、何に陶酔してるんだ?

気持ちよく酔っているとき、何かに対してうっとりしているときに『陶酔』を使えそうですね。

『陶酔』関連語

日本語の中には『〇〇陶酔』『陶酔〇〇』といった言葉が存在します。ここではそれら関連語の中から、比較的よく使われる『自己陶酔』と『陶酔境』について解説します。

自己陶酔(じことうすい)

『自己陶酔』とは、『自分自身の行動や姿に陶酔(うっとり)する』ことを意味する言葉です。そして、そのような状態を『陶酔状態』といいます。

自分自身に使うよりも、「あの人は自己陶酔している」というように、第三者に対して使う場合が多いです。

陶酔境(とうすいきょう)

『自己陶酔』という言葉ほど使用頻度は高くありませんが、『陶酔境』という言葉もあります。こちらは2つの意味があります

■ほどよくお酒に酔い、うっとりした気持ち
■美しいものに接したり、目にしたりしたときのうっとりとした気持ち

陶酔という言葉自体も、酔っているときと、うっとりしているときに使えます。こちらも同様ですね。

会話の中では、「陶酔境にひたる」などと用いることができます。

『陶酔』の類語

『陶酔』をほかの言葉に言い換える場合、このような表現ができます。

『陶酔』の言い換え表現

・夢中になる
・没頭する
・心を奪われる
・酔いしれる
・酔いどれる など

また、『陶酔』の類語としては次の言葉があげられます。

恍惚(こうこつ)

・物事に心を奪われうっとりする
・年老いて頭がボーッとした状態

気持ちよくうっとりするというよりも『朦朧(もうろう)とするほどうっとりする』という要素が強いよ。
心酔(しんすい)

・ある特定の物事に心を奪われ夢中になる。
・ある特定の人を心から慕い、尊敬する。

『陶酔』のようにうっとりとした気持ちよりも、『夢中になっている』という要素が強いよ。

『陶酔』の対義語

『陶酔』の対義語は、『うっとりしていない』『目覚めている』様子を表す、こんな言葉たあてはまります。

■覚醒
■冷める
■我に返る など

『陶酔』の英語表現

『陶酔』を英語で表現する場合、『お酒に酔う』『夢中にさせる』『陶酔させる』の意味をもつ『intoxicate』を使います。

そのほか、『うっとりとした気持ち』を表現したい場合は、『魅了する』の意味をもつ『fascinate』を使うこともできます

正しく意味を理解して『陶酔』を使おう

自分自身でなにかに夢中になっていたり、ボーッとしていたりする場合もあれば、その状態を第三者を目にする場合もあります。

状況によっては『陶酔』ではなく、『自己陶酔』『心酔』といった言葉が適している場合もあるので、それぞれの正しい意味を理解し、正しく使い分けましょう。