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『慇懃』とは?『慇懃無礼』は良い意味になる?使い方・類語・関連語・英語も紹介

『慇懃』とは『極めて礼儀正しい』という意味

上司

昨日紹介されたA社の新人、とても慇懃な態度だったよな。まだ若いんだよね?
たしか19歳って言ってましたよ。

先輩

上司

うちのC君は25歳だったよな。今度連れて行ってマナーの勉強させようか。

『慇懃』は、ちょっと難しい言葉なので、常用語として使っている人は少ないかもしれません。しかし、ニュースや新聞などでは堅い言葉を使う分野では登場することも多いので、覚えておくと役に立ちます。

今回は、『慇懃』の正しい意味や使い方のほか、関連語・類語・英語についても解説していきます。

『慇懃』の読み方・意味

『慇懃』は『いんぎん』と読みます。一般的には『極めて礼儀正しい』ことをいいますが、実は2つの意味をもつ言葉なんです。

慇懃(いんぎん)の意味

■真心がこもっており、極めて礼儀正しい
■非常に親しく交わる

『慇懃』の漢字

複雑な漢字は、読めてもかけないことが多いですよね?それでは、『慇懃』はどのような漢字なのか、少し大きくして見てみましょう

『慇懃』の使い方・例文

会話の中で登場する『慇懃』は、『真心がこもっており、極めて礼儀正しい』の意味の場合が多いです。

例文

■彼女はいつも慇懃な物腰なので、応対していると穏やかな気持ちになる。
■頼んでいた商品が間違っていたが、店員が慇懃な対応だったので、腹を立てることはなかった。
■高級な商品を集めているショップの店員だったら、もう少し慇懃な対応をしたほうがいいのではないか?
■彼女の慇懃な立ち居振る舞いは取引先の人にもとても好評だ。
■彼は、上司だけでなく、同僚や部下への態度も慇懃だ。

『慇懃を重ねる』の使い方

『慇懃』を『非常に親しく交わる』の意味で使う場合は、このような文になります。

小学生からの友人と慇懃を重ね、今でも週に一度は会っている。

『慇懃』の関連語

『慇懃』は『慇懃〇〇』という関連語がいくつかあり、『〇〇』の部分が変わるだけで、良い意味にも悪い意味にもなります。ここでは、相反する意味をもつ『慇懃丁重』『慇懃無礼』を紹介します。

慇懃丁重(いんぎんていちょう)

『慇懃』だけでも『真心がこもっており、極めて礼儀正しい』の意味をもちますが、それよりもさらに丁寧さがある場合、『丁重』をつけ、『慇懃丁重』という言葉で表します

慇懃無礼(いんぎんぶれい)

会話をしている相手が、どんな内容に対しても丁寧すぎる言葉で返してくると、「バカにされてる?」「何か企みがある?」と感じたことがありませんか?

これが『慇懃無礼』な態度です。言葉で説明すると、『丁寧すぎる態度や言葉遣いはかえって失礼になる』となります。

『慇懃』は褒め言葉だけど、『無礼』がつくと悪い意味になるから気を付けようね。

『慇懃』の類語

『慇懃』は難しい言葉なので、言い換え表現をしたい場合もあるでしょう。そんなときは、このような言葉が使えます。

『慇懃』の類語(丁寧であるの意味)

・温かい対応
・折り目正しい
・礼儀正しい
・人受けがいい
・馬鹿丁寧 など

『慇懃』の類語(非常に親しいの意味)

・親睦を深める
・親しく交際する
・親交を深める など

『慇懃』の対義語

『慇懃無礼』という熟語が存在しますが、『慇懃』の対義語は、『礼儀を欠く』の意味をもつ『無礼』があてはまります。

「今日は無礼講(ぶれいこう)で!」って言葉があるよね?この『無礼講』の対義語は『慇懃講(いんぎんこう)』って言うのよ。なお、詳しい意味については、『無礼講』の記事を読んでみてね。

『慇懃』の英語表現

『極めて礼儀正しい』を指す『慇懃』を英語で表現する際は、『礼儀正しいさま、丁寧』の意味をもつ『courtesy』を使います

■perfect courtesy(完璧な礼儀正しさ)
■attitude of courtesy(礼儀正しい態度)

また、『非常に親しく交わる』の意味の場合は、『intimacy(=親密さ、親しい関係)』を使います。

なお、『慇懃無礼』の場合は、『丁寧すぎる、お世辞たらたらの』の意味をもつ『smarmy』になるよ。

『慇懃無礼』にならないよう『慇懃』な態度をとろう

丁寧な態度や言葉遣いに気をつけようとすると、丁寧になりすぎる場合があります。「慇懃無礼だ!」と相手の機嫌を損ねてしまわないように、『慇懃』な対応ができるよう心がけましょう。