「大団円」とは「ハッピーエンド」という意味
朝ドラは大団円で終わるから安心して見れる
NHKの朝のドラマ、通称「朝ドラ」。好きで見ている人も多いはず。通勤前のちょっとした時間に見れるのでいいですよね。ドロドロしたりハラハラしたりする展開も多いですが、結局は「大団円」のラストになるので、朝にふさわしいと言えます。
「大団円(だいだんえん)」の意味は「ハッピーエンド」。ドラマや映画、劇などの物語が穏やかな終わり方をすることを意味します。正義が勝ち、いい人は幸せになり、謎が残らない終わり方。
「大団円」の語源
「大団円」の言葉の意味は文字からはちょっと想像できません。
大きい「団円」?でも「団円」って何だろう…
考えてもイマイチ分からないですよね。
「団」も「円」も丸いという意味。かつての中国では「団円」は「幸福」や「円満」を意味する言葉として使われていたようです。
日本では「大」を付けて強調して「大団円」。主にお芝居で使われる用語として使われるようになりました。
「大団円」のよくある間違い
「団」は「応援団」「サーカス団」のように、「組織」を表す文字として後ろに付けてよく使われます。「大団円」のように途中に「団」が入るのに違和感を感じるかも。
そのためか「大円団」と読み間違い、書き間違いをする人もいるようです。「大円団」というとそれこそ何かのチーム名になってしまうので気を付けましょう。
「大団円」の例
「大団円」は具体的にはどのようなラストなのでしょうか。例で見ていきましょう。
何とか敵を倒すも、最後の最後で敵に身体を取り込まれそうになり大ピンチ。でも仲間の助けがあり完全に敵を倒すことに成功。平和を取り戻した世界で彼らの子孫が幸せな日常生活を楽しんでいるラスト。
アイドルになるため地元を飛び出した女の子。クビになったり新事務所を設立したりと紆余曲折。活動する中で家族との絆を深め地元愛も再認識して地元へカムバック。地元をPRするアイドルとして再デビューしてみんな幸せ。
兄弟の死をきっかけにスポーツを始める。幼馴染に応援されながらも、チームメイトとの不仲や監督からの嫌がらせに苦戦。死んだ兄弟の夢、幼馴染との約束を胸に厳しい練習に耐え、ついに全国大会へ。試合シーンは描かれずどうなったんだろうともんもんとする中、ラストに優勝記念の品がさらっと描かれてすっきり。
物語なので山あり谷ありは当たり前。一時的に主人公や人々が不幸やピンチに陥ることがあってもラストは幸せ。これが「大団円」です。
「大団円」ではない例
こんなラストは「大団円」ではありません。
・敵を倒したが味方の戦士たちも命を落とす ・敵を倒してハッピーエンドと思いきや生き残った敵が影から二ヤリ ・試合に勝ったのに相手が反則して主人公は大けが。意識が戻らないままラスト ・まさかの夢オチ ・見る人によって解釈が異なる ・伏線が回収されないまま打ち切り ・続編に続く
バッドエンドはもちろん、謎が残る終わり方、続編があって成立するような物語は「大団円」とはいえません。
「大団円」の使い方・例文
「大団円」はどのように使うのでしょうか。例文で確認していきましょう。
・子ども向けだからといっていつも大団円とは限らない ・主人公が勝って大団円に終わる ・見ているテレビシリーズが大団円を迎える ・このまま何事もなく大団円で終わりたいよ ・合格という大団円を迎えるために今は必至で勉強するのみ
「大団円で終わる」「大団円を迎える」という表現がよくされます。あわせて覚えておきましょう。
「大団円を迎える」は終わった際に使われることもありますが、これから「大団円」になっていきますよと終盤に差しかかった時点でも使います。
「大団円」は主に物語について語るときに使う表現ですが、日常の出来事について使うことも。その場合、日常を物語に例えて使用しています。
「大団円」の類語
「大団円」の言い換え表現にはどのようなものがあるでしょうか。
・終幕(しゅうまく) ・大詰め(おおづめ) ・フィナーレ
ギリシャ語由来ともされる「カタストロフィ」を「大団円」と同じ意味で使うことがあります。
しかし、「カタストロフィ」の本来の意味は「悲劇的な結末」「破滅」という意味。類義語というよりも対義語に当たる言葉です。
「大団円」の英語表現
「大団円」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
It all ended well ⇒大団円で終わった
「all end well」で「大団円」を表しています。物語だけではなく日常のことについても使うことが可能。「fairy tail ending」という「fairy tale(おとぎ話)」に例えたカワイイ表現方法もあります。
「大団円」を目指して
物語のようにいつでも誰でも「大団円」とはいきませんが、自分なりの「大団円」を目指して今やれることを後悔のないようにやっておきましょう。