「代替」とは「代わり」という意味
イベントの中止に伴い、代替案を検討する
「代替案」「代替品」など日常でもビジネスシーンでもよく使うワード。今さら意味を説明する必要はないかもしれません。
「代替(だいたい)」の意味は「代わり」。ある物事を他に代えること。理由があって、元の品物やイベントなどを何かに代えるときに使用します。
「代替」の読み方
「代替」を「だいたい」ではなく「だいがえ」と読む人もいるでしょう。しかし、「だいがえ」と読むのは間違いです。
…と言ってしまえばそれまでですが、あえて「だいがえ」と読む場合もあります。
「だいがえ」と読む理由
ある調査では「代替」を「だいたい」ではなく「だいがえ」と読む人の割合は約3割という結果もあります。単なる間違いで読んでいる人もいますが、あえてこのように読んでいる人もいます。
■わかりやすく伝えるため
■「大体(だいたい)」と混同するのを防ぐため
「代」と「替」は、どちらも「かえ・る」と読みます。耳で聞いたときに「だいたい」よりも「だいがえ」の方が伝わりやすいと考える人もいます。
このような背景があるので、「だいたい」が正解で、「だいがえ」は間違いとは単純に言い切ることはできません。
なお、「だいがえ」という読みを業界や会社で取り入れ、慣習化しているところもあります。
ちなみに、「だい・がえ」のように「前が音読みで後ろが訓読み」になる熟語の読み方を「重箱読み」といいます。「訓・音」は「湯桶読み」。
「施行」のように業界によって四種類も読み方がある言葉も。それに比べたら可愛いものですよね。
「施行」の意味、あえて読みを変える理由とは?使い方や類語、英語表現も解説!
「だいがえ」と読む際の注意点
「代替」を「だいがえ」と読むと、言葉遣いに厳しい人には注意されることがあるかもしれません。
また、「だいがえ」で世代交代という意味の「代替わり」やパチンコの「台替え」をイメージする人も。
慣習的に使っていたとしても、初めて話すような間柄の人との会話では「だいたい」を使った方が無難です。伝わらない可能性が心配な人は「代わりの案」といったように丸ごと言い換えましょう。
「代替」の使い方・例文
「代替」の使い方を例文で確認していきましょう。
・不足している消毒液の代替品として、お酒を原料にした試作品が作られた ・代替案として新入社員の案が採用された ・中止となった高校総体の代替試合を検討 ・携帯の修理中は代替機を使う
「代替品」「代替案」など他の名詞と組みあわせて使われることが多いです。「代替する」と動詞で使うこともできますが、「代わりになる」など別の表現を使う方がわかりやすいでしょう。
「代替」の類語
「代替」の言い換え表現にはどのようなものがあるのでしょうか。
・交換(こうかん)⇒取り替えること ・交代(こうたい)⇒人が入れ代わること ・代行(だいこう)⇒本人に代わって物事を行うこと ・代役(だいやく)⇒劇で代わりにその役をする人
この中で「交代」「代行」「代役」は対象が「人」の場合に限り使うことができます。
・社長交代のニュースに驚く ・1か月間部長代行を務めた ・出演女優の代役として急遽ミュージカルに出ることに
「代替」の英語表現
Do you have any alternative ideas? ⇒代替案はありますか
「alternative」で「代替」を表しています。「代替案」を意味する「plan B」という慣用句も。
シーンにあわせて使い分けて
「代替」は意味は難しくはありませんが、読み方がネックの表現。辞書通りの読み方に固執せずにシーンにあわせて「だいたい」「だいがえ」を使い分けてこそ、一流のビジネスパーソンと言えるでしょう。