「存じる」とは「思う」の謙譲表現
光栄に存じます 褒められたとき、何か賞をもらったとき、昇進したときなどに、このように謙遜しつつ喜びを表現するのはビジネスシーンならではという感じがしますよね。 「存じる」は「思う」の謙譲表現です。「存じる」+「ます」で丁寧にした表現が「存じます」。「存じます」は、へりくだりながら自分の思いや考えを述べる際に使用します。 「存じます」はどんな時に使うのでしょうか。 挨拶や形式的な文章、手紙等お決まりのフレーズとして 例:貴社におかれましてはいよいよご隆盛の由、大慶の至りと存じます 誠意を尽くしている態度を表明するため「感謝」や「謝罪」するときに 例:多大なご迷惑をおかけし心から申し訳なく存じます クッション言葉として 例:お忙しいとは存じますが、対応のほどよろしくお願いいたします 「存じます」は堅い表現なので普段使いするとくどくなりがち。書類や手紙、挨拶、接客などで主に使用されています。 ・存じます ・存じ上げます ・存じております ・存じ上げております これらは全て「存じる」を丁寧表現にしたものですが、正しく使い分けできているでしょうか。何となく使っていたという人はこれを機にマスターしておきましょう。 「存じます」は前述したように「思います」という意味。 「存じ上げます」は「存じます」よりもさらに敬意を表した表現です。 存じ上げます > 存じます > 思います 敬意の高い順に並べるとこんな感じ。「思います」も敬語ではあるので普段使いにはこれで充分ですが、挨拶や形式ばった書類、手紙等ではシーンに合わせて「存じます」「存じ上げます」を使いましょう。 「存じる」には「思う」の他にもう一つの意味があります。それが「知っている」という意味。「存じている」とした場合は「知っている」という意味で使われることが多いです。 「存じている」をより丁寧にした表現が、「存じております」と「存じ上げております」。 「存じる」と「存じている」は混合しやすいので確認しておきましょう。 正:大変ありがたく存じます 正:そのことは存じております 誤:新プランについては存じます(正:存じております) 誤:光栄に存じております(正:存じます) 「存じております」よりも敬意のある表現が「存じ上げております」ではあるのですが、それだけではないので注意が必要です。 「存じ上げております」は単なる「知っています」ではありません。「存じ上げております」を使った例文を見てみましょう。 ・山田様のことは存じ上げております ・ご活躍はかねてより存じ上げております このように「人」に関することを「知っている」と言いたいときに「存じ上げております」は使います。 事物に対して「存じ上げております」を使うと丁寧すぎて違和感があります。逆に、人に対して「存じております」を使うと失礼になるので間違えないようにしましょう。 「存じる」と似ている言葉に「ご存知(ごぞんじ)」があります。「ご存知でしょうか」と言ったらいいのか、「存じていますでしょうか」と言ったらいいのか迷ったことがあるかも。 違いは簡単です。 ・存じる⇒謙譲 ・ご存知⇒尊敬 「ご存知」は尊敬表現なので相手が主語の際に使います。「知っていますか」と聞きたい場合は「ご存知でしょうか」が正解。 ちなみに「ご存知」の「知」は当て字なので「ご存じ」と表記するのが正しいそうです。とはいえ、ビジネスシーンでは広く「ご存知」が使われているので気にせずに使いましょう。 「ご存知」の意味や使い方は?ビジネスで使える例文、言い換え表現もわかりやすく解説 「存じる」はビジネスシーンではビシッと決めたいときに使う表現です。 逆に誤った使い方をして、恥をかいたり相手を不快にさせたりしないように正しい使い方をマスターしておきましょう。「存じます」を使うシーン
「存じる」の使い分け
「存じます」&「存じ上げます」
「存じております」&「存じ上げております」
「存じ上げております」の使い方
「存じる」の類語
ビジネスシーンで決めたいときに