『油を売る』とは『時間を無駄に使う』という意味
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『油を売る』は、上の会話のように『サボる』のニュアンスでもよく使われる慣用句の一つです。
しかし、『怠ける』だけではなく、『無駄に時間を使う』の意味もあるため、日常生活でも『油を売る』場面は存在します。
今回は、『油を売る』の正しい意味や使い方類語や英語表現についてもわかりやすく解説していきます。しっかり覚えていってください。
『油を売る』の由来
まだ行灯を使っていた時代、油は油問屋が客の器に入れるといった形式の量り売りが主流でした。そして、昔の油は、今のようにサラサラではなく、とても粘度の強いもので、器に入れるのにもとても時間がかかりました。
油を容器に入れる間に、時間つぶしとして客との雑談を楽しむといった場面がよくみられました。
このように、商売をしているるのではなく、怠けているように見えていた様子から、『油を売る=仕事の合間の時間つぶし』と見られるようになりました。
そこから変化し、今では『仕事の合間に怠ける』や『無駄に時間を使う』の意味をもつ慣用句として広く使われています。
日本語の『油を売る』と中国語の『売油翁』の意味は違う
中国語の『帰殿録(きでんろく)』の中に、『売油翁(ばいゆおう)』という話があります。『翁』は『老人』を指すので、『売油翁』は『油を売る老人』です。
これは、何十年も油売りをしてきた老人が、穴の開いた銭のをひょうたんの口に置き、その穴から油を注いでも銭は濡れない…というお話。つまり、言いたいのは『熟練すれば何事も上達する』ということです。
・無駄な時間を使う。
『油を売る』の使い方・例文
難しい言葉ではないので使い方に迷うことはないかもしれません。ただ、『油を売る=サボる』と解釈していた人は、ここで正しい使い方をしっかりチェックしておきましょう。
上司
先輩
次のような使い方も可能です。
・君は、油を売ることに関しては天下一品だね。
・油を売る時間が長すぎて、気分をなかなか仕事モードにすることができない。
・今日は一日油を売っていただけだったなぁ。
日常会話でも、ぜひ使ってみてくださいね。
『油を売る』の類語
『油を売る』は次の言葉への言い換えが可能です。
・だらだらする
・関係ないことをする
・羽を伸ばしすぎる
・サボる
・むだ話をする など
『道草を食う』も『油を売る』の類語
『道草を食う』も『油を売る』と同じように、『怠ける』『サボる』の意味で使われるので類語といえます。しかし、この二つの言葉は若干ニュアンスに違いがあります。
目的地に到着するまでの間、いろいろと寄り道をして余分な時間がかかること。
たとえば、席についているのに仕事をせずほかのことをしている場合は『油を売る』で、経理部に書類を届けに行き、総務部の同僚としゃべって帰ってくる場合は『道草を食う』になります。
『油を売る』の英語表現
『油を売る』を英語で表現する場合は、慣用句なので直訳はせず、次のような熟語を使います。
■shoot the breeze(無駄話をする)
■loaf on the job(仕事を怠ける)
■waste time(時間をつぶす)
『油を売っている』を思われない気分転換をしよう
時と場合によっては、根を詰めて仕事をするのも大切です。しかし、集中力維持のためにも適度な気分転換は必要です。そのときは『油を売っている』と思われないよう時間をきちんと計るようにしましょう。