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D2C(またはDtoC)は特にアパレル関連業界で近年注目されつつあるビジネスモデルです。日本ではまだそれほど浸透していないため、ファッションに興味がない人にとっては、耳慣れない用語かもしれませんね。
今回はD2Cの意味や注目される理由、関連用語や企業の実例についても解説します。
D2C(DtoC)の意味
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特にファッションや生活雑貨の分野に多いビジネスの手法で、意味は以下の通りです。
通常、製造業者が商品を消費者に届けるまでには、仲買や卸、流通網や実店舗など、多くの仲介業者が必要ですが、そうした中間プロセスを廃したのがD2Cです。
・一般的な知名度は高くないが、熱心な固定ファンが多いD2Cブランド
D2C企業の特徴
D2Cを採用している企業には、以下のような特徴があります。
・販路は基本的に自社のECサイトが中心
・中間マージンがないためコストパフォーマンスが高い
・明確な事業ビジョンを持ち、限定的なニーズに対応
・小ロット生産で希少性が高い
・既存の商習慣にとらわれない
もともとは自社のサイトのみで販売を行う小規模業者がほとんどでしたが、注目度が高まるに従い、ショールーム的な実店舗を展開したり、百貨店などに企画展出店するD2Cブランドも増えています。
D2Cが注目される背景
D2Cは日本ではまだ黎明期にあたり、参入企業もまだ少数ですが、日本市場と極めて相性が良いとの見方が強まっています。その理由は、消費者の志向性。低価格で質の良い商品が当たり前に入手できる日本では、D2Cが消費者にアピールする可能性が高いといわれています。
また、日本は高い技術を持つ製造業者が多いことも強み。こうした業者が新たな展開を求めて、D2Cの手法を採用するケースが増えています。
こうした背景から、海外のD2Cブランドの日本進出や、小規模の製造業者にWebの販売プラットフォームを提供するサービスも始まっています。
D2Cの関連用語
D2Cには、類語や関連用語が複数あります。あわせて確認しておきましょう。
SPA(speciality store retailer of Private label Apparel)
「SPA」もD2Cと同様、アパレル業界で頻繁に使われる用語です。
SPAは米国のアパレルブランド「GAP」が自社を定義した用語で、日本では「製造小売業」「企画製造小売業者」と訳されることも多いです。D2Cと同じようなビジネスモデルですが、D2Cはほとんどが店舗を持たず、ネット通販が中心であるのに対し、SPAは実店舗がメインの販路です。
B2C(BtoC)/B2B(BtoB)/B2E(BtoE)/C2C(CtoC)
D2Cのように、サービスや商品の提供者とその享受者を示した略語にB2C、B2B、B2E、C2Cがあります。特に前者2つは、D2Cより一般的な用語でしょう。それぞれ意味は以下の通りです。
B2C | Business to Customerの略。企業と一般消費者の取引のこと。小売や飲食、一般消費者へのサービス業全般を指す |
B2B | Business to Businessの略。企業同士の取引のこと。製造からサプライチェーンの手前までの企業間取引を指す。 |
B2E | Business to Employeeの略。企業と従業員の間の取引のこと。自社製品の社内販売や財形積立などのサービスも含まれる。 |
C2C | Customer to Customerの略。一般消費者の間で行われる取引のこと。 |
・B2Bの営業は、相手企業の意思決定者への的確なアプローチが重要だ
・B2Eには保養施設や旅行プランなど、福利厚生を目的としたサービスが多い
・近年、民泊やシェアリングなど、企業を介さないC2Cのマーケットが拡大している
D2Cの実例
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ここでは、注目のD2Cブランドの実例をご紹介します。
環境配慮型のスニーカーが人気【Allbirds】
ニュージーランド発のD2Cブランド「Allbirds」。環境や持続可能性に配慮した素材を使用した、シンプルなデザインスニーカーを自社開発・販売[efn_note]参考:Our Story|Allbirds[/efn_note]しています。
その人気は本国だけにとどまらず、アメリカや欧州でも成功を収めています。2020年1月原宿にコンセプトストアを出店、日本にも進出を果たしました。
オーダースーツをもっと気軽に!【FABRIC TOKYO】
「FABRIC TOKYO」は日本発のオーダースーツ・オーダーシャツのD2Cブランドです。
採寸は店舗に出向く必要がありますが、その場ではオーダー不要。サイズ情報はクラウドに保存され、ユーザーは好きな時に好きなデザイン・素材のスーツをネットでオーダーすることができます[efn_note]参考:FABRIC TOKYOのサービスについて|FABRIC TOKYO[/efn_note]。
中間業者を入れないことで、高価で敷居の高いイメージのオーダースーツをリーズナブルかつ気軽に入手できるとあって、人気を集めています。
今後の展開に要注目のD2C!
現状、小売業界の市況は厳しく、百貨店や大手アパレルといった既存の企業は、苦戦を強いられています。D2Cは、業界内で活路を開くビジネスモデルになるかもしれません。今後の動きに要注目です!