「正念場」とは「重要な場面」という意味
今が正念場です。頑張りましょう!
こう言われて「やるぞー」と奮い立つ人もいれば、「きつそー」とうんざりする人もいるでしょう。あなたはどちらのタイプですか?まあ、内容によりますよね。
「正念場(しょうねんば)」の意味は物事の「重要な局面」。ここをうまくやるかどうかで成功・失敗が決まるといった場面のこと。
「商談の正念場」であれば、あと一押しでいけそう、だけど下手を打ったら流れちゃうかも…という重要な場面。せっかく先方が乗り気だったのに、新人の自分が商談中に居眠りをして機嫌を損ねてしまい…これは「正念場」を乗り切れなかったパターンですね。
「正念場」の語源・由来
「正念場」はもともとは「性根場(しょうねば)」。「性根場」は歌舞伎・人形浄瑠璃で役柄の「性根」を見せる重要な場面のことを指す言葉でした。ここでの「性根」は「神髄、本質」といった意味。
それが歌舞伎・人形浄瑠璃に仏教用語が取り入れられ、「正念場」となったと言われています。仏教用語「正念」の意味は「真理を求める心を忘れないこと」。「正念」の意味はあまり気にしなくてもいいでしょう。
歌舞伎・人形浄瑠璃の世界から一般の人にも広がり、今に至ります。
「正念場」を「せいねんば」と誤って読んでいる人もいます。「正念場」の語源が「性根場(しょうねば)」だったことを知れば間違えなくなるでしょう。
「正念場」の使い方・例文
「正念場」の具体的な使い方を例文を通して確認していきましょう。
・ここが正念場、手を緩めず頑張ろう ・正念場の○○業界、需要拡大に向けどう動くか ・シーズン正念場を迎える ・自信作が振るわず正念場に立たされる ・○○問題は正念場を過ぎたといえる
「ここが正念場」「これからが正念場」と言うと周りや自分を奮起させる言葉に。
ビジネスや政治の話題でもよく使われるワード。語感の良さからか新聞やニュースの見出しに使われることも多いです。
「正念場」の類語
「正念場」の類語表現にはどのようなものがあるでしょうか。
・山場(やまば) ・土壇場(どたんば) ・崖っぷち(がけっぷち)
「山場」は盛り上がる場面。「正念場」のようなシリアスだけではなく「楽しく」盛り上がるシーンにも使えます。
・仕事で大きな山場を乗り越えたことが自信になった ・劇中のダンスがこの映画の山場だ
「土壇場」の由来はちょっと怖いです。「土壇場」は処刑の際に首を切る場。そこから転じて、「物事が決まる最後の瞬間」という意味になりました。
土壇場で勝利を勝ち取った
「崖っぷち」は文字通り「ギリギリの状態」。ネガティブな場面で「正念場」を使う場合、「崖っぷち」で表現することも可能。
・些細なミスがきっかけで正念場に立たされる ・些細なミスがきっかけで崖っぷちに立たされる
「正念場」の英語表現
「正念場」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
the crucial moment for new employees ⇒新入社員にとってここが正念場だ
「crucial moment(重要なとき)」で「正念場」を表しています。ユニークなものでは「crunch time(歯を食いしばるとき)」もあり。こちらはネガティブな局面の際に使用します。
「正念場」を逃すな
「正念場」にどう動くかでその後の人生が大きく変わってしまうこともあります。物語のようにわかりやすく「正念場」が訪れるとは限りません。「あれって正念場だったかも」と後悔しないようにいつでもアンテナを張っておきましょう。