「小生」の意味は「私」だけど…
小生が担当いたします
このようにビジネスシーンで「小生(しょうせい)」を使っている人がいたらかなりレアですよね。というか、ビジネスに限らず、現代で「小生」を使っている人はいるのでしょうか。
「小生」は一人称の一つ、つまり「私」です。古い表現なので現代では、古い小説やアニメの老人キャラくらいでしか見聞きしないかもしれません。
「小生」とはどんなシーンで使える言葉?
現代において、一人称は自由。性別・年齢関わらず、「私」でも「俺」でも「自分」でも「おいら」でも、アニメキャラのように独特な一人称でもOK。
とはいえ、ビジネスシーンではそうはいきません。特に会社員であるならばなおさら。会社のブランドを背負っている身としては「私」を使うのが一番です。独特な一人称を使ってウケるのは芸能人くらいでしょうか。
「小生」は一応謙遜語ですが…
「小生」はへりくだる意味を持つ謙譲語とされています。古い表現である点に目をつむれば、現代でも使える…かな?と一瞬思うかもしれません。ですが、「小生」は謙譲語でありながら目上には使えない、ちょっと何言ってるかわからない表現。
やはり、現代で、特にビジネスシーンで使うのにはちょっと無理があるかもしれません。しかし、「小生」を使うことを推奨している企業があるとかないとか。そういう内輪の事情に限り使うことができる絶滅寸前の表現です。
「小生」は男性のみ
「小生」は基本的には男性の一人称。女性でこのような独特な一人称はあまりないですが、後述する「小職」は使えるかも。
「小生」の使い方・例文
「小生」はどのように使う(使われてきた)のでしょうか。例文で見ていきましょう。
・小生は朝に牛乳を飲むことを習慣としている ・この辺りは小生が子どもの頃と変わりがない ・元気な便りをもらい、小生も安心しました
「小生」を「私」に替えても成立します。現代ではあえて使う必要はないのではないでしょうか。
「小生」は話し言葉というよりも書き言葉。手紙やメールで使うのであれば現代でも成立しそうです。おじいちゃんから孫の自分へ来た手紙に「小生」とあったら粋な感じがしますが、若い人が使ったら違和感があるかも。
「小生」の類語
「小生」のような独特な一人称にはどのようなものがあるでしょうか。
・小職(しょうしょく) ・当方(とうほう) ・吾輩(わがはい)など
「小職」は一般的に部長や専務など役職持ちの人が使う一人称。「小生」と同じように謙譲語でありながら目上の人には使えない表現です。元は国家公務員が自分を指す表現でしたが、民間でも使うようになりました。
「小職」のもう一つの特徴が女性でも使える点。独特な一人称を使いたい女性は出世しましょう。
「当方」は「私たち」。たまに目にする表現ですね。「私」ではないので注意が必要。「当社」や「弊社」に言い換えることができます。
「吾輩」も「私」の古い表現ですが、へりくだる意味はなくストレートに偉ぶっている表現。現代語訳すると「俺様」でしょうか。「小生」以上に使う機会はないですね。
「小生」の英語表現
「小生」を英語で表現できるのでしょうか。有名な話かもしれませんが、英語の一人称は「I」しかありません。「me」や「my」は文法上の違いなので、やはり一つだけ。ちなみに小文字の「i」ではなく大文字なのは読みにくいから(諸説あり)。
「小生」「小職」を使いたいなら
「小生」や「小職」を一人称に使っている人に出会うことはないかもしれません。自分が使いたい場合は、使っても違和感ないくらい偉くなるしかないですね。