オープンクエスチョンとは「自由型質問」のこと
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オープンクエスチョンとは、日本語でいうと「自由型質問」。人に質問するときの手法のひとつで、ビジネスではよく用いられます。
英語に苦手意識を持ちやすい日本人にとっては、オープンクエスチョンよりも自由型質問といってもらえたほうが意味をイメージしやすいかもしれませんね。
しかし、嘆いていてもはじまりません。ビジネスで使うんだから仕方がないと割り切って、オープンクエスチョンについて勉強しましょう。
英語のオープンクエスチョンは2通りの表現がある
日本語に訳すと「自由型質問」となるオープンクエスチョンは、英語だと「open question」と「open-ended question」という2通りの言い方がされます。でも、この2つは意味に違いもあるんですよ。
「open question」だと、次のような意味になります。
・未決問題
・態度を決めかねている問題
・自由回答式質問
「open」は「開いた」や「障害物のない」という意味のほかに、「決着がついていない」「自由な」というニュアンスももっています。そして、「question」は「質問」「問題」などの意味をもつ単語です。
「open」と「question」をくっつけた「open question」は、大きく分けると「決着がついていない質問」と「自由な質問」という2つの異なる意味で使われていますね。
「open-ended question」の意味もみてみましょう。
・自由回答形式の問題
「ended」は「結論に至った」「終わらせた」という意味。
「open-ended question」は、もう決着がついているというニュアンスをもつので、「open question」にあった「決着がついていない質問」という意味が除外されます。
日本語のオープンクエスチョンの意味は?
カタカナ語のオープンクエスチョンは、回答者が自由に答えられるような聞き方をする質問方法です。
「何がしたいですか?」「どうしてですか?」のような聞き方で、どんな答えが返ってくるか予想するのが難しいという特徴があります。
オープンクエッションは仕事でどう使うか
オープンクエッションは、ビジネスのさまざまな状況で登場します。どのように使うのか、代表的なものを押さえておきましょう。
営業活動で使う
オープンクエッションは、営業活動の次のようなシーンで用います。
・お客さんのニーズを引き出したいとき
・お客さんに関するよりくわしい情報収集が必要なとき など
オープンクエッションを使うと、お客さんは自分からいろいろ話してくれるので情報収集にはとても便利。
気心知れた常連さんと話すときには、本題前のアイスブレイクにオープンクエッションを混ぜるのも、会話が弾みやすくなるのでおすすめです。
オープンクエッションの苦手分野とその対策
オープンクエッションだと、営業マンの意図せぬ方向に話が飛んでしまう場合も。そんなときには「YesかNo」など答えが明確に出る質問を挟んで軌道修正しましょう。
また、ほぼ初対面のような、あまり親しくなっていないお客さんにオープンクエッションの質問をするのはおすすめできません。関係性ができていない相手へのオープンクエッションは、相手に警戒されてしまう恐れがあります。
お客さんに「なんでこの人に自分の情報をさらけ出さないといけないんだ」なんて思われてしまったら最悪。お客さんが打ち解けてくれるまでは、選択式で答えられる質問も混ぜて、徐々に距離を縮めていきましょう。
さらに、答えをびしっと出してもらいたいときにもオープンクエッションは向いていません。クロージングは、答えが「YesかNo」になる質問でしっかり締めましょう。
上司が部下に質問するときに使う
「Yes」か「No」か、答えがはっきり出る聞き方は、急ぎの用件のときにはとても便利です。
しかし、上司が部下に質問するときに「Yes or No」の質問ばかりを使っていると、部下は自分で考えて答えを出すという習慣が身につきません。そのため、できる上司は、部下にオープンクエスチョンを多く投げかける傾向があります。
オープンクエスチョンは相手に考えさせる質問法です。上司が部下に答えを考えさせるのはいいですが、部下が上司に考えさせるのはあまりよろしくありません。
部下は自分なりの答えを自分で考えて、それに対する上司の了承を得る形をとるように心がけましょう。
部下のトレーニングにオープンクエスチョンを活用
考えるトレーニングにもなるオープンクエスチョンは社員教育に役立ちます。
でも、オープンクエスチョンばかり連発されたら、部下は考えることにいっぱいいっぱいになってなかなか答えを出せないかもしれませんね。
まずは、答えやすい「Yes or No」の質問からはじめて、徐々にオープンクエスチョンに移行していきましょう。
社員採用のときに使う
社員採用の面接官は、オープンクエスチョンと「Yes or No」など答えが選択式になる問いかけを使い分けて質問します。
確認するだけで済む事柄には選択式クエスチョン。くわしい内容を知りたいときや応募者のリアクションや考え方をみたいときにはオープンクエスチョンを用います。
オープンクエスチョンの対義語はクローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンは回答を限定し、回答者が「YesかNo」「AかB」などを選択して答えられるようにする質問方法です。
「今日はお休みですか?」や「野菜は好きですか?」など答えを狭める聞き方をするので、事前に回答をある程度予測できます。
例でイメージするオープンクエッションとクローズドクエスチョン
できる営業マンは、オープンクエッションとクローズドクエスチョンを上手く使い分けてお客さんとのやり取りを進めていきます。
ビジネスでのオープンクエッションとクローズドクエスチョンの使い方を、営業マンとお客さんの会話を例にシミュレーションしてみましょう。
営業マン
お客さん
営業マン
お客さん
営業マン
お客さん
営業マン
お客さん
営業マン
お客さん
情報収集したいときにはオープンクエスチョン、しっかり答えを確定する必要があるときにはクローズドクエスチョンが使われていますね。
【おまけ】医療でのオープンクエッション
オープンクエッションは、ビジネスだけでなく医療の現場でも重要視される質問法です。患者からくわしい情報を聞き出したい次のようなときに、オープンクエッションが用いられます。
・医者が患者に症状などを尋ねる医療面接
・リハビリ後の問診
具合が悪かったり、困ったことがあったりしたときに看護師さんがかけてくれる「どうかされましたか?」などの心配りにも、オープンクエッションは使われていますよ。
オープンクエッションの使い方・例文
ここまではオープンクエッションの意味や活用法を中心に紹介してきました。この見出しでは、オープンクエッションという言葉そのものの使い方を例文でイメージしてみましょう。
上司
新人
上司
先輩
新人
先輩
新人
普段の会話でオープンクエッションをトレーニングしてみよう!
オープンクエッションは、ビジネストークを進めやすくしてくれる質問法です。でも、いきなり商談や面接などの実戦で試すのは難しいですよね。
プライベートなど、日常の会話で「なに」「どうして」「どうやって」を心がけたオープンクエッションに挑戦してみましょう!