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誰もが当たり前のように使っている「PR」。実は意味を誤解したまままま使っている人が多い用語かもしれません。類似語も数多くありますが、それぞれの違いはご存じでしょうか?
今回は「PR」の意味、使い方や類義語、企業PRの具体例をご紹介します。
PRはパブリックリレーションズ(Public Relations)の略
「PR」は20世紀初頭にアメリカで発展した考え方で「Public Relations」の略です。「Public」は公共、公衆を「Relations」は関係をそれぞれ意味する単語です。
日本で普及したのは戦後になってから。時代や地域によってもニュアンスは変化していますが、現在では主に広告・宣伝活動と同じ意味で使用されることが多いです。
PRを使った例文
「PR」がどのように使われるか、具体例を見てみましょう。
上司
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PRの類語・関連語は?
新人
「PR」には類語や関連語が数多くあります。それぞれの違いを確認しておきましょう。
広報
「広報」は官公庁や企業、各種団体が広く情報を発信すること、またはその役割を担う担当者を意味します。「広報」には企業による宣伝活動だけでなく、公的な情報の周知も含みます。「PR」が双方向的であるのに対し、「広報」は基本的に一方向的な活動である点に違いがあります。
・政府の広報がわかりにくいため、制度への理解が深まっていない
プロモーション(promotion)
「プロモーション」は、もともと昇進や促進の意味ですが、マーケティング用語では販売促進(Sales promotion)を指します。「PR」に比べると、より直接的に消費者へアプローチする意味合いが強いです。
パブリシティ(publicity)
「パブリシティ」は、プレスリリースやインタビューなどを通じて情報公開を行い、報道などで取り上げられるよう働きかける活動を指します。「PR」や「広報」の一環であり、「プロモーション」の側面を持つことも。企業や団体が自ら行う活動であり、広告料を支払う宣伝活動とは別物です。
アピール(appeal)
「アピール」はひきつける、訴えるといった意味を持ちます。相手に受け入れられることや、個人・世論へ広く訴えること、強い抗議や要求も含まれます。
企業によるPRの成功事例
先輩
近年、消費者は商品やサービスの好き嫌いだけでなく、企業が打ち出す価値観や姿勢にも敏感になっています。こうした背景から、もともとのターゲット顧客だけでなく、幅広い層から共感を得られるPR活動が重視されています。
ここでは、企業によるPR活動の成功事例をご紹介します。
身近なジェンダーバイアスをさらりと皮肉った「ハイネケン」
2020年初頭、日常にありがちな思い込みをとりあげたハイネケンのCMが話題になりました。
バーやレストランで会話を楽しむ男女のもとに、注文したドリンクが運ばれてきます。ウェイター、ウェイトレスは迷わずビールを男性、カクテルを女性の側に。でも実は注文は逆、男女がお互いのドリンクを交換するという映像が続き「Men drink cocktails too.(男だってカクテルを飲む)」というキャッチコピーが表示されます。
これは身近なジェンダーバイアスをさらりと指摘したもの。性別に関わりなく、自分の好きなものを楽しみましょう、というハイネケンのメッセージが伝わってきます。あえて「カクテルを飲む」としているのも効果的。自社製品を前面にアピールしなくても、確固たる地位を築いているブランドの自信がうかがえます。
このCMは日常的な偏見や格差にモヤモヤしている人に爽快感を与え、多くの共感を呼びました。企業PRの成功事例と呼べるでしょう。
環境問題への取り組みを強く打ち出す「パタゴニア」
アメリカの人気アウトドアブランド「パタゴニア」は、「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む。」[efn_note]参考:パタゴニアのミッションステートメント|パタゴニア[/efn_note]というシンプルで力強いミッションに基づく環境配慮型の経営で知られています。
パタゴニアの環境保護の取り組みは数多くありますが、いくつか具体例をみてみましょう。
・売上の一部を環境保護団体へ寄付
・マイバック持参や修理の積極的な呼びかけ
・フェアトレードの実施
パタゴニアは、こうした取り組みを30年以上にわたって継続することで、多くのファンを獲得しています。世界的な環境問題への関心の高まりから、今後もその企業姿勢が高く評価されることは間違いないでしょう。PRの成功事例ともいえます。
今後も重要性を増すPR
企業活動において、ますます重視される「PR」。意外に本来の意味を理解しないで使っている人が多いのかもしれません。身近な用語でも「知っているつもり」になって見過ごさないよう、正確な意味を把握しておきましょう。