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「これだから、ゆとり世代は!」さまざまなシーンで、耳にするフレーズです。自分も言ったことがある、あるいは上司や先輩から言われたことがあるという人は案外多いのではないでしょうか。
そもそも「ゆとり世代」とは、いつからいつまでを指すのでしょう?他の世代とどうちがうの?今回はそんな素朴な疑問にお答えします。
ゆとり世代の意味
「ゆとり世代」とは、いわゆる「ゆとり教育」を受けた世代を指します。
「ゆとり教育」とは
そもそも「ゆとり世代」の語源となっている「ゆとり教育」とは、具体的にどんな教育を指すのでしょうか。
実は文部科学省による正式名称ではありません。1980年度の学習指導要領改訂では、それまでの知識量重視型教育から、思考力を鍛える方針に転換。学習時間と内容を削減し、ゆとりあるカリキュラムが組まれたことから「ゆとり教育」と呼ばれるようになりました。
1992年度、2002年度の学習指導要領の改訂では、さらに学習内容の見直しが図られています。その後、学力低下が問題視されるようになったことから、再び2011年度には方針転換。「ゆとり教育」はここで終焉を迎え、以降は「脱ゆとり教育」と呼ばれています。
ゆとり世代はいつからいつまで?
「ゆとり世代」の定義は曖昧で、対象となる年代には諸説あります。一般的に学習指導要領の改訂のタイミングが区切りとして用いられています。
区切り | 対象世代の生まれ年 |
①1980年度~脱ゆとり教育まで | 1966年~2003年生まれ |
②1992年度~2002年度改訂まで | 1979年~1986年生まれ |
③2002年度~脱ゆとり教育まで | 1987年~2003年生まれ |
①の場合は、かなり幅広い世代が対象になります。マスメディアなどで「ゆとり世代」として取り上げられるのは、主に②③の年代です。
ゆとり世代の特徴は?
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ここでは職場でよく取り上げられるゆとり世代の特徴と具体的な言動の事例をご紹介します。もちろん個人差はありますが、類型を知っておくことで、お互いに円滑なコミュニケーションがはかれることもあるでしょう。
ネガティブな特徴
「ゆとり世代」は特に年長者からはネガティブな印象で語られがち。以下のような特徴が挙げられます。
・指示待ち型で無気力
・向上心がない
・ストレス耐性が低く、打たれ弱い
ポジティブな特徴
厳しい視点で語られがちな「ゆとり世代」ですが、職場で頼もしい戦力になってくれることも。ポジティブな特徴も把握しておきましょう。
・興味のある分野は深掘りするため、高い専門性を発揮する
・発想が柔軟で新しいものを創造する能力が高い
職場でのゆとり世代の具体例
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【おまけ】その他の世代の意味と特徴
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「ゆとり世代」に限らず、これまでも時代の変遷に伴って「〇〇世代」という名称は数多く生まれては消えていきました。ここでは、現在もよく語られることの多い世代の名称と、その定義をご紹介します。
「団塊世代」
経済が右肩上がりで成長した時期に働き盛りだったため、上昇志向や競争意欲の強い人が多いとされています。現在でも最も人口が多く、社会的な影響力を持つ世代でもあります。
「バブル世代」
売り手市場で就職活動では厚遇された世代。社交的でコミュニケーション力の高い反面、見栄っ張りで見通しが甘い人が多いといわれています。
「ロスジェネ世代」
いわゆる「就職氷河期」を経験した世代。親が「団塊世代」にあたることから「団塊ジュニア」とも呼ばれます。年代としては「ゆとり世代」とも一部重なります。
長期間、低賃金の非正規雇用で働かざるをえない人が多く、社会的な孤立が問題視されることも。一方で厳しい環境を勝ち抜いた人は、優秀な人材が多い反面、他者に厳しい傾向が強いといわれます。
「さとり世代」
「ゆとり世代」より若い世代として、最近注目されているのが「さとり世代」。「悟りを開いたような冷静沈着さ」が語源です。現実的で物事に対して過度に期待を持たないタイプが多いとされています。
世代論に振り回されないこと!
「ゆとり世代」に限らず、「〇〇世代」はどちらかというと否定的な文脈で使われることが多いもの。マスメディアなどで取り上げられる類型的なイメージから、偏見を抱いてしまう人も少なくありません。でも、自分が世代を理由に揶揄されたら、嫌な気持ちになりますよね。
同じ社会情勢や時代の影響を受ける以上、世代論はまったく無意味ともいえませんが、それにとらわれすぎるのは考えもの。あまり振り回されないように注意したいですね。