「協議」とは、集まって相談するってこと!
後輩
先輩
後輩
「協議」とは集まって話し合い、相談するさまをあらわします。会社での集会・会議の席で使われる言葉で、「議論」や「審議」といった別の言葉が使われる場合があります。
「協議」の類語は数が多く、厳密にいえばそれぞれの意味は若干異なっています。みなさんは、集まって相談する様子をすべて一括りの言葉で形容していないでしょうか?今回は「協議」の正しい意味、類語との違いについて詳しく解説していきます。
・「審議」
・「討議」
・「会談」
など
「協議」の意味と使い方
一般的に集まって相談する様子を「会議」や「議会」、あるいはそのまま「相談」と表現するケースのほうが多いでしょう。それでは、「協議」はどういった意味で、どのような場面で使われるのかを解説します。
「協議」の意味
「協議」とは、複数人で集まって相談する意味の言葉です。ただ集団で集まって相談するだけなら、「協議」以外の言葉が使えるケースのほうが多いです。類語との違いはなにか?それは、「相談内容の方向性を集団で決める」ことに主点が置かれています。
例えば「相談」にはいくつものケースがあり、悩みや問題に対する対策を話し合い、どうするかを考えます。別に相談内容自体は解決しなくても問題ではありません。第三者に話しをもちかけ、意見を出し合う姿が「相談」です。
「協議」においても、対策やそれぞれの考えなどの話し合いをしますが、必ずしも解決する必要はありません。一見すると「相談」との違いがわからないように思えますが、相談の内容が行われる場所や人数などで使用を判断できる場合もあります。
詳しくは後述の”「協議」と類語の違いについて”で解説しますので、そちらもご参照ください。
「協議」の使い方
「協議」が使われる場面、使い方について例文で解説します。主に会社などの組織の場で使われるケースが多いので、ビジネスパーソンとしてしっかりと理解しておきましょう。
部下
上司
「協議」は一般的な使い方ですが、目上の人に持ち掛ける際には「ご協議いただく」など、敬語に変えて使うケースもあります。
・ご協議いただきますようお願い申し上げます。
・この度はご協議いただきありがとうございました。
など
後輩
先輩
「協議」したことによる結果を「協議の末」と表現しています。また、結果に対して話し合って決めた事柄を「協議の上」と表現します。
部下
上司
「協議」の場において、参加しない・取り合わない様子をあらわす場合、その姿を「応じない」と表現しています。逆に参加する意思を見せる場合、「協議に応じる」と表現します。
ビジネスシーンではこういった協議を必要とする事柄について「協議事項」と示すケースがあります。主に契約書や契約条項に記載されており、依頼主と引受人との間で取り交わされる契約を「協議事項」と説明しています。
法的な手続きや契約上の重要事項など、広い意味で「契約書」と表現されるケースが多々ありますが、双方合意の上で取り交わされた証明書や契約書などの話し合った内容を克明に記載した文書を「協議書」としています。
「協議」の類語(言い換え表現)
「協議」と類語との違いは、指す意味の本質を理解していないと使い分けは難しいです。違いを説明する前に、どのような類語があるのか一例をご紹介します。
「相談」
「協議」を含め、類語のなかでもっとも多く使われている言葉です。ある事柄について意見やアイデアを出し合い、話し合いをする様子を指す言葉です。人に話を持ち掛ける行為自体を相談とするケースもあり、幅広く使いやすい言葉です。
新人
上司
上司
部下
「審議」
ある事柄について慎重に協議・相談する意味の言葉です。「協議」や「相談」と同じく、複数人との話し合いをあらわす言葉ですが、その話し合いを慎重に行うさまを「審議」と表現します。
部下
上司
先輩
後輩
「討議」
ある事柄について複数人が意見を出し合い、結論を出すための検討・討論をあらわす言葉です。これまでの「協議」や「相談」との明確な違いは、”答えや解決を目的としている話し合い”である点です。
部下
課長
後輩
先輩
「会談」
実際に面会して話し合いをする様子をあらわす言葉です。ニュースでもよく耳にするフレーズで、首脳会議で一堂に会するシチュエーションを「会談」と表現します。
部下
上司
先輩
後輩
「協議」と類語の違いについて
「協議」と「相談」や「会談」などの類語はすべて、「ある事柄を話し合う」言葉で共通しています。そのため、すべてを「相談」と一括りにする人も多く見かけます。厳密に使い分ける場合、それぞれの漢字を見ていきましょう。
例えば「協議」とは、「協調して議論をする」と書きます。つまり、みんなと集まっての話し合いが言葉の意味であるため、話し合いの解決・未解決は別の問題になります。解決へと導くための相談であれば「討議」になり、目的を明確にしています。
・「相談」- ある事柄について意見やアイデアを出し合い、話し合いをすること
・「審議」- ある事柄について”慎重に”協議・相談すること
・「討議」- ある事柄について”結論を出すため”に複数人が意見を出し合うこと
「協議」も類語も「集まって相談(話し合い)」の意味を根幹に置いていますが、その話し合いがどのようなものか?解決するのかしないのかなど、内容を明確にしている言葉かどうかで使い分けを判断します。
漠然として目的がはっきりしないなど、明確に分けづらい話し合いは「相談」でまとめても特に問題はありません。
「協議」の英語表現
「協議」はビジネスシーンで非常によく使われる言葉です。いざというときにパッとわかるよう「協議」の英語表現を事前に確認しておきましょう。
discussion
talk
と表現できます。
「協議」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒この件は協議して見直しましょう。
・After discussion, a better plan was made.
⇒協議した結果、よりいい案が作れた。
・The other party did not respond to the talks.
⇒先方は協議に応じてくれなかった。
・To solve the problem, discussion is the most important thing.
⇒問題を解決するには協議することが一番大切だ。
ビジネスシーンに「協議」はつきもの!使い分けを明確にしよう!
会社や組織など、ビジネスシーンには協議を行う機会がとても多いです。普段使っている言葉で一括りにしたり、場にそぐわない類語を使っている人も少なくありません。
「協議」とは集団のなかで協調し、意見を出し合って話し合う意味の言葉です。類語との使い分けを正確に理解し、協調性をもったビジネスパーソンを目指してください。