コントラストとは『対照』『対比』のこと
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画像処理や写真が好きな人の中には、コントラストという言葉を『色の鮮やかさ』と解釈しているかもしれません。
しかし、コントラストは『対照』や『対比』を意味するカタカナ用語。色以外の表現にも使われるんです。
ここでは、分野ごとの意味のほか、英語表現、使い方、関連語についてもわかりやすくまとめました。これを機にしっかり覚えていってください。
コントラストの日本語の意味
日本語におけるコントラストには、分野ごとに意味が異なり、大きくわけると『色』を表す場合と、『状態』を表す場合の二通りがあります。
ここでは、各分野のコントラストについてわかりやすく解説していきます。
『色』を表すコントラスト
写真、テレビ、パソコンなど、色を表現するものはたくさんあります。まずは『色』に関するコントラストについて解説していきます。
コントラストの意味①:モニターでは『濃淡』
パソコン、テレビ会議システムなど、職場でディスプレイを見る機会は非常に多いですよね。それらモニターには、濃淡を調整する機能がついており、これを『コントラスト』と呼んでいます。
パソコン画面の主な調整機能としては、次の二つがあります。
■ブライトネス(明るさ=輝度)
■コントラスト(鮮やかさ=濃淡)
『ブライトネス』は、黒っぽい背景の中の文字の見え方を参考に、『コントラスト』は白っぽい背景の中の文字の見え方を参考に調整するとわかりやすいです。
コントラストの意味②:テレビでは『明暗』
テレビ画面も自分好みに設定できる場合が多く、この場合のコントラストとは『明暗』を指します。
上司
コントラストの意味③:写真では『濃淡』
写真においてのコントラストとは、『色の濃淡』のことをいいます。コントラストの高い写真とは、色の濃淡がハッキリとしている状態になっています。わかりやすいように、実際の写真で確認してみましょう。
▼加工していない写真
▼コントラストが高い写真
▼コントラストが低い写真
レンズの種類や光の角度を変えると被写体の明るさが変わるため、濃淡にも変化が見えます。しかし、パソコンの機能が進化している現代においては、画像ファイルから簡単にコントラストの調整ができます。
コントラストの意味④:画像処理では『明度・鮮度』
画像処理を行ううえでのコントラストとは、『明度』『鮮度』のこと。つまり、『明るさの度合い』『鮮明さの度合い』を指します。
【明暗の差が大きい】
・コントラストが高い
・コントラストが大きい
【明暗の差が小さい】
・コントラストが低い
・コントラストが小さい
画像の見え方は前項で紹介した写真と同じです。
また、コントラストは、画面上の文字の見え方を表現する際にも使います。たとえばこんな感じです。
『状態』を表すコントラスト
コントラストは、色を表現するだけでなく、『状態』を表すときにも使います。どんなものがあるのか分野ごとにみていきましょう。
コントラストの意味⑤:ダンスでは『強弱』
ダンスにおけるコントラストとは、『対照的な動き』を指す言葉として使われます。
・早い動きと遅い動き
・高い姿勢と低い姿勢
・大きな動きと小さな動き
・まっすぐなラインと曲がったライン など
ダンスではこのように強弱をつけることも重要です。コントラストのあるダンスは見る人を惹きつけるでしょう。
コントラストの意味⑥:音楽では『音の高低』
音楽の世界では、音の高低の差をコントラストと呼んでいます。
たとえば、オーケストラ演奏で、音の低いコントラバスと、バイオリンの高温が綺麗なハーモニーを奏でていた場合「コントラストが綺麗だね」といった表現になります。
コントラストの意味⑦:味では『辛さと甘さ』
食の世界、特に『味』においてのコントラストは、『辛さと甘さ』『しょっぱさと甘さ』といったものになります。
たとえば、塩味がついたポテトチップにチョコレートコーティングされたお菓子がありますよね。これは『しょっぱさと甘さ』になります。
また、ココアにスパイスとしてブラックペッパーをパラッと振りかけた飲み方があります。これは、『甘さとピリッとした辛さ』のコントラストということになります。
コントラストの意味⑧:食感では『固さと柔らかさ』
食の表現は、味のほかに『食感』があります。この場合のコントラストは『固さと柔らかさ』だといえます。
たとえば、蒸しの作業を行わず焼いて仕上げる関西風のうなぎ、「外はカリッと中はフワッと」といった表現をすることがあります。これは食感のコントラストです。
また、クッキー生地のシュークリームは、表面はサクッとしていますが、中はトロトロですよね。これもコントラストといえるでしょう。
コントラストの英語は『contrast』
コントラストは英語で『contrast』と表記し、こんな意味をもつ単語として使われています。
■対照
■対照となるもの
■対比
■正反対のもの
■明暗差 など
それでは、『contrast』を使った熟語もいくつか紹介しておきますね。
■contrast adjustment(コントラスト調節)
■contrast between rich and poor(貧富の差)
■contrast effect(対比効果) など
また、日本語でよく使う『コントラストをつける』は、英語で『追加』の意味をもつ『add』を使ってこんな表現ができます。
■I add contrast.
コントラストの使い方・例文
『コントラスト』は、ある程度決まった使い方をする場合が多い言葉です。そこで、比較的よく使われるパターンの例文をいくつか紹介しておきます。
コントラストが綺麗
コントラストを上げる・下げる
『明るい写真にしたい』といった場合にも『コントラストを上げる』が使えます。
コントラストをつける
コントラストの関連語
コントラストには『コントラスト〇〇』といった関連語がいくつかあります。それらの中で比較的よく登場するものを3つピックアップして解説します。
コントラスト比
コントラスト比とは、テレビの画像やパソコン上の映像などにおいて、一番明るい部分と一番暗い部分の輝度の差を比率で表したものをいいます。
コントラスト比は、一般的に『1000:1』や『800:1』といった形で表します。大きい数字が一番明るい部分、右側の『1』が一番暗い部分です。最も暗い部分を『1』としたとき、一番明るい部分が1000倍の明るさの場合、『1000:1』と表します。
コントラストハイライト
コントラストとは、ヘアカラーの種類の一つ。ベースになる髪の色と、ハイライト部分の色との明るさの差をつける方式をいいます。
メッシュのようにカラーリングしたスタイルをイメージすればわかりやすいですね。
コントラスト感度
コントラスト感度とは、視力のひとつで、輪郭があいまいな図形や、濃淡のはっきりしない模様を判別する能力をいいます。そして、この能力を計る検査を『コントラスト感度検査』といいます。
コントラストの意味を理解し、状況に応じた解釈をしよう
コントラストは、仕事だけでなく、日常生活においても身近な『色』に関する言葉です。分野ごとの正しい意味をきちんと理解し、状況に応じて正しい解釈ができるようになってください。