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紹介予定派遣とは?正社員・一般派遣との違い・メリット・デメリットを知る

紹介予定派遣っていいよね!派遣で働きながら社員を目指せるんでしょ?

そうだね、ただし、紹介予定派遣では「正社員」になれるとは限らないから注意してね。人気が高い紹介予定派遣だけど、よい面だけでなく悪い面もみておこう。
 

紹介予定派遣とは

紹介予定派遣とは、人材派遣の働き方の一種ですが、最終的には派遣先企業の直接雇用を結ぶことができるという、ちょっと変わった派遣です。紹介予定派遣の定義や一般派遣との違いをチェックしておきましょう。

紹介予定派遣の定義

紹介予定派遣は、派遣社員が派遣先企業と正社員や契約社員といった直接雇用契約を結ぶことが前提となった派遣です。最初は6カ月以内の一定期間を派遣として勤務、派遣期間満了とともに派遣先企業と派遣社員は、お互いの合意の元、直接雇用契約を交わすことができます。

派遣社員は社風や仕事内容をみて、派遣先企業は派遣社員のスキルや働きぶりをみて、お互いに合意できたら直接雇用契約となります。 派遣期間の途中でも、合意があれば直接雇用に切り替えが可能です。

■ 直接雇用の方法には正社員と契約社員がある

紹介予定派遣の後の直接雇用の形態は、正社員だけではありません。「紹介予定派遣=ゆくゆくは正社員になれる!」とイメージしている人も多いようですが、正確には「紹介予定派遣=ゆくゆくは正社員または契約社員になれる」です。紹介予定派遣の紹介を受ける際には、必ず派遣後の雇用形態を確認しましょう。

■ 直接雇用を断られることもある

将来的に正社員か契約社員で直接雇用されるのが特徴であり、魅力でもある紹介予定派遣ですが、場合によっては派遣先から直接雇用を断られることもあります。紹介予定派遣で直接雇用されるには、派遣社員だけでなく派遣先企業の合意も必要です。

そのため、自分が働きたいと思っても、派遣先企業が「この人はわが社に合わない」と思えば直接雇用は成立しません。直接雇用に結びつかなかった場合、 派遣期間が終わると契約満了となり、継続して派遣で働くこともできなくなります。

紹介予定派遣と一般派遣の違い

人材派遣会社で紹介してもらえる働き方としては、紹介予定派遣のほか、一般派遣(登録型派遣)もあります。紹介予定派遣よりも一般派遣の方が、どちらかというとメジャーで求人数も多いです。

紹介予定派遣とは違い、一般派遣はずっと派遣会社に雇用されたままです。また、最大3年間は継続的に働けることが法律で定められています。

一般派遣でも、派遣先企業が希望すれば直接雇用にすることができます。ただし、直接雇用が前提の紹介予定派遣とは違い、直接雇用は契約期間満了後のみ可能、さらに派遣先企業が派遣会社に手数料を支払う必要があります。

ココは同じ!

・紹介予定派遣も一般派遣も、派遣会社に登録が必要
・派遣先紹介や交渉などは派遣会社がやってくれる

紹介予定派遣のメリット・デメリット

紹介予定派遣は、人材派遣の働き方としてはメジャーではありませんが、人気の働き方です。とはいえ、メリットだけでなくデメリットもあるので、利用するなら、両方を比較して慎重に判断することが必要となります。

メリット

就職活動の手間も省けるし、お試しで働けるなんて、いいことづくめじゃない?

■ 働きやすさを実際にみてから社員になれる

紹介予定派遣は、派遣社員として企業で働きながら、直接雇用されたいか、考えることができます。派遣期間を経て、直接雇用を希望することも断ることも自由です。

通常の求人応募では、正式な採用前に社内の様子をみることなどできるはずもなく、入社後にミスマッチが発覚することもあります。ところが、紹介予定派遣なら派遣期間は「お試し期間」として自分にこの会社が合っているかどうか判断することが可能です。

■ 派遣会社がサポートしてくれる

紹介予定派遣も一般派遣も、派遣社員は派遣会社から求人紹介をはじめ、手続きや交渉などの全面的なサポートを受けることができます。自分で仕事を探す必要もなく、入社までの日程調整や条件の交渉などもやってくれます。

また、派遣された後も相談できて、聞きにくいことなどを派遣会社側から派遣先へ聞いてもらうことも可能です。

■ 派遣会社独自の求人に出会えることもある

紹介予定派遣は、求人を希望する派遣先企業が派遣会社に直接依頼しています。企業によっては転職サイトなどで求人せずに派遣会社だけに依頼をかけることもあり、派遣会社独自の求人に出会えるかもしれません。

デメリット

紹介予定派遣は、そもそも利用が難しく、最終的に社員になれるとも限らないんだ。やはり、いいことばかりではないよね。

■ 求人数が少なくて狭き門

紹介予定派遣は、一般的な派遣とは異なり、求人数がかなり少なくなっています。そのため、そもそも紹介予定派遣を希望しても、自分に合う仕事がない、エントリーしてもライバルに負ける、などで利用できないこともあります。

たとえば、業界最大手といわれるテンプスタッフでは、常時30,000件以上の総求人数を誇っていますが、紹介予定派遣で検索したところ 4,000件弱しかみつかりませんでした。

■ 社員になれるとは限らない

紹介予定派遣は、直接雇用が前提で派遣される働き方ですが、派遣されたからといって全員が直接雇用されるとは限りません。

「平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果」(厚生労働省)の「表10:紹介予定派遣の状況」によると、平成29年度に紹介予定派遣で派遣された人数は38,239人でした。そのうち直接雇用を希望し選考を受けた人は27,892人、最終的に直接雇用までたどり着いた人は19,008人となっています。[efn_note]参考:平成29年度 労働者派遣事業報告書の集計結果|厚生労働省 [/efn_note]

せっかく派遣されても、最終的に派遣先での雇用を希望しない人もいますし、希望しても企業側から断られるケースもあるようです。

■ 直接雇用後の待遇に不満を感じることも

紹介予定派遣では、せっかく苦労して直接雇用を勝ち取っても、その後の待遇に不満を感じることもあります。基本的に人材派遣の収入は時給制で、さらに比較的高時給が特徴です。紹介予定派遣も同じように高時給となります。

派遣期間に高時給で働いていると、直接雇用で雇用先の月給に変わった時に総額が下がってしまうこともあります。そのうえ、社員として責任だけが増えるなど、働き方も窮屈に感じると直接雇用への不満が高まりそうです。

不満にならないためには、あらかじめ納得できる条件かどうか契約内容を確認することが必要だよ。
あと、仕事にやりがいを感じられるかどうかも大事だね。

紹介予定派遣で社員になるまで

紹介予定派遣で働いて、社員になるまでの流れを紹介します。基本的な流れを知っておくことで、見通しを持って紹介予定派遣を目指せるでしょう。

STEP.1
登録
派遣会社に登録・面談
STEP.2
応募・社内選考
気になる求人を発見・紹介を受けて応募・社内選考へ
STEP.3
派遣先企業の面接
選考に通ったら派遣先企業との面接へ
STEP.4
派遣として就業スタート
条件交渉もしてもらえる
STEP.5
直接雇用の意思確認
直接雇用契約の意思確認・うまく行けば直接雇用へ

派遣会社に登録

紹介予定派遣に応募するなら、まずは派遣会社に登録する必要があります。申し込みはインターネットからでもできますが、大抵の派遣会社はお仕事紹介の前に派遣コーディネーターとの面談を行います。自分の職歴などを伝え、面談が終わると求人を紹介してもらえます。

ただし、紹介予定派遣は件数が少ないため、自分に合うものに出会えないかもしれません。どうしても紹介予定派遣をしたいなら、いくつかの派遣会社に登録だけしておいて、根気よく待つことも必要です。

応募・選考

仕事内容や条件をみて気に入る求人があったら、応募します。基本的には応募するまで企業名は教えてもらえません。応募したら、まずは社内選考にかけられ、通過したら次のステップへと進めます。

派遣先企業で面接

紹介予定派遣では、派遣される前に派遣先企業での面接を受けます。一般派遣では、事前面接は禁止されていますが、紹介予定派遣は例外的に派遣前の面接が可能です。[efn_note]参考:一般社団法人 日本人材派遣協会 [/efn_note]

派遣会社の営業担当は、面接に同伴して、答え方のアドバイスしたり、面接時に補足をしてくれることもあります。

派遣社員として就業スタート

無事に紹介予定派遣として働けることが決まったら、まずは派遣会社との間で派遣契約を結びます。派遣として働けるのは、最大で6カ月です。その間、派遣先企業と自分の相性をじっくりと見定めます。もちろん、企業側も派遣社員と自社との相性をみています。

直接雇用の意思確認

派遣期間が満了に近づいたら、直接雇用の意思確認を行います。希望する場合には、あらためて派遣先企業との面接を行い、最終決定へと進みます。派遣社員が希望しても、企業側が直接雇用を断ることもあります。

派遣期間満了・晴れて直接雇用へ

直接雇用契約を結んだら、派遣期間満了と同時に直接雇用へ切り替わります。雇用契約書はしっかりと内容を理解し、入社後に不満が出ないようにしましょう。

紹介予定派遣に向いている人・向いていない人

紹介予定派遣に向いている人とそうでない人の具体例を紹介します。自分がどちらに当てはまるか、チェックしてみましょう。

紹介予定派遣に向いている人

■ じっくりと職場をみてから社員になりたい人

紹介予定派遣は、直接雇用の社員になる前に、一定期間を派遣として過ごせるのが大きな特徴です。派遣期間に自分と会社の相性をみて合わないと思ったら、社員にならない選択肢も選べます。

いきなり正社員になってしまうと、辞めにくいのではないかと不安に思う人は、紹介予定派遣のシステムは安心できそうです。

■ 就職活動の手間や時間を省きたい人

就職活動や転職活動を自分だけで行うと、求人の絞り込みや応募、さらに書類作成や面接によるアピールまで、一人でこなさなければいけません。

ところが紹介予定派遣ならば、求人は派遣会社が探してくれて、書類作成や面接のサポート、さらに派遣先企業に自分を売り込んでくれます。就職や転職に手間や時間をかけたくない人、効率よく仕事を探したい人にも紹介予定派遣はおすすめです。

紹介予定派遣に向いていない人

■ すぐに社員として働きたい人

紹介予定派遣では、直接雇用までの期間も最大半年かかることもあり、今すぐに正社員として働きたい人には不向きです。また、狭き門でライバルも多いため、派遣先が決まるまでも時間がかかります。

早めにマイホームローンを組みたい人、親や結婚相手を安心させたい人など、できるだけ早く正社員になりたいなら、転職サイトや転職エージェントで正社員求人を探した方がいいでしょう。

転職エージェントなら、派遣コーディネーターの代わりに、キャリアコンサルタントが求人紹介やサポートをしてくれるわよ!

■ 入社したい会社がある人

紹介予定派遣では、求人数が全般的に少ないうえに、エントリーまで会社名が分からないため、入社したい会社がある人には不向きです。応募前に会社を選んだり、会社名から口コミを検索したりもできません。

入りたい会社が明確で、応募前に企業名を知りたい人は、紹介予定派遣よりも正社員などの転職サイトや転職エージェントを使った方がよさそうです。

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紹介予定派遣は狭き門だけどチャレンジする価値はアリ!

紹介予定派遣は人材派遣の一種で、人気の高い働き方です。希望する人は多いのに、全体の求人数が少ないため、ライバルが多く狭き門となっています。

派遣と社員のいいとこ取りのようで人気が高い紹介予定派遣ですが、いい面だけでなく人によっては使いにくいと感じる面もあります。働き方や希望条件にこだわりがある人は、紹介予定派遣の働き方と自分のこだわりとの相性を考えてみることも大切です。

難易度は高く、実際に直接雇用まで進めるかどうかも分かりませんが、 思わぬ優良な求人に出会えるチャンスです。ライバルは多いけど、試しに申し込んでみる価値はあるでしょう。