デファクトスタンダードとは、結果的に「標準」となったもの
新人
先輩
新人
各商品にはそれぞれでいろいろな基準が定められています。『ほとんどの人がAを使うようになったので、Aが標準になった。』『公的ではないけど社会で標準となっている』というような基準をデファクトスタンダードといいます。
それでは次の項目から詳しい意味や使い方、事例などをわかりやすく解説していきます。
デファクトスタンダードの意味
デファクトスタンダードは、英語で『de facto standard』と表記します。これも見てもわかるように単語ではなく熟語で、『事実上の標準』という意味をもっている言葉です。
語源はラテン語の de facto
ラテン語では『de(~において)』『facto(事実)』という言葉があり、この2つの単語が一緒になって英語の『de facto』となり、以下の意味をもつ言葉となったとされています。
■事実上の
そして、『de facto』の後に続く『standard』には次のような意味があります。
■基準
■しきたり
■道徳的規範
■本位
■燈台
これら2つの言葉をもとにし、デファクトスタンダードという言葉が生まれ、社会で当たり前のように使われるようになりました。
デファクトスタンダードの例文
デファクトスタンダードの言葉の意味がわかってもどのように使えばいいのかがわからなければ会話の中に取り入れることはできませんよね?
ここではデファクトスタンダードの使い方を例文を使っていくつかご紹介します。
C男「たいていのパソコンはWindowsが入ってるからInternet Explorerじゃないのか?」
B子「(…私はそんなのこだわらないけど)そうだよね~」
デファクトスタンダードの例
デファクトスタンダードは「あ、そういえばそうだよね」といった感じで、生活に馴染んでしまっているため、聞かれてもすぐには出てこないもの。特にコンピュータ関係に多いようですが、どんなものがデファクトスタンダードになっているのか事例をいくつかあげてみました。
Windows OS
Windowsは1985年に発売が開始されましたが、それより1年早くMacでおなじみのMacintoshが発売されていました。この時点での性能は格段にMacのほうが上だったといわれています。
その後、Windows2.0を発売、そして3.0で大幅な機能UPを実現し、ここでようやく他のOSと戦えるように。そこでWindowsは、Windows2.11を使用しているギークと呼ばれるオタク集団に売り込みを開始します。
この人たちは好奇心旺盛で誰よりも早く新しいOSを試す集団で、Windows2.11の性能がイマイチであることが分かっていたときに持ってこられた性能UPしたWindows3.0。その完成度の高さにビックリし、高評価な口コミを流すようになります。
Windowsは、ギーク一人が認めれば100人の一般ユーザーが味方になるという調査結果を得ていたことで、この戦法が成功したのです。
そして現在では『パソコンのOSといえばWindows』というくらいに普及しているわけですが、口コミから今に至ったこのWindowsの歴史こそ、まさにデファクトスタンダードの事例といえるでしょう。
DVD
昔はテレビ番組を録画するといえばVHSのビデオテープでしたが、今の若い人はVHSを見たことがないという人もチラホラいるはず。
そして、VHSの後に主流となったのはDVD。メーカーもDVDのデッキを主体として生産しはじめ、VHSからDVDに切り替える消費者もどんどん増えていきました。そして今ではDVDよりも高画質で長時間録画が可能なBlu-Rayが主流となってきています。
DVDの頃には数枚にわけて録画しなければならなかったものが、Blu-Rayだと1枚で済む、DVDよりも高画質であるなど、メリットを全面に出して宣伝されたことで、価格はUPするものの利用者は増える一方。販売戦略の面を見てもデファクトスタンダードの一つの成功例といえるのではないでしょうか。
ブラウザ
インターネットを閲覧するために必要なブラウザは、昔はネットスケープというものが主流となっていました。中高年の人に聞くと「あぁ、そういえばあったね。」という人もいるでしょう。
しかし、WindowsのOSが主流となっている現代では、Windowsに入っているインターネットエクスプローラーがデファクトスタンダードといえるようです。
デファクトスタンダードの対義語って?
デファクトスタンダードの意味や使い方はもうわかりましたよね?それでは次にデファクトスタンダードの対義語であるデジュールスタンダードについて少しお話しておきましょう。
一言で言うと『公的な標準』。代表的なものではISO(国際標準化機構)というものがあります。
企業を紹介する際に、『当社はISO9001を取得しています。』『ISO14001取得済です。』という文面を見たことがありますよね?これらは一種のデジュールスタンダードといえます。
デジュールスタンダードは、他にデジュレスタンダード、デジュリスタンダードと呼ばれることもあります。
■ANSI(米国国家規格協会)
■ISO(国際標準化企画)
■IEEE(米国電気工学・電子工学技術学会)
[番外編]ブランディアのCMでおなじみのデファクトスタンダード
菜々緒さんが出演しているCMで、ブランドの買取をしている『Brandear(ブランディア)』というサービスがありますよね?ここの運用をしている会社は『株式会社デファクトスタンダード』といいます。そして、この企業の企業理念がこちら。
Q「ブランド品の買取といえば?」
A「ブランディア」
このような会話が現代社会での標準となることを目指している会社という意味で、社名で表現したのでしょうね。
デファクトスタンダードを勝ち取ろう
その業界でのデファクトスタンダードになれば、大きな利益につながります。特にIT関連ではデファクトスタンダードを勝ち取ることで得られる利益は膨大なものになるといえるでしょう。
もしあなたが開発に携わる仕事についているのであれば、ぜひデファクトスタンダードという基準を意識して作業をすすめていってください。