ディスコンとは『廃止する』『中断する』こと
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ディスコンとは、『廃止する』『中断する』の意味をもつカタカナ用語ですが、ビジネスシーンにおいては『廃止する』の意味で使われる場合が多いです。
しかし、分野によってまったく別の意味で登場することもあるため、それぞれの意味もきちんと理解しておきたいものです。
状況に応じて正しく『ディスコン』を使えるよう、ここでしっかり学んでいってください。
ディスコンの意味をチェック
ディスコンは、実は略語。正式名称は『ディスコンティニュー』といいます。ビジネスシーンのほか、競技の世界でも使われますが、どちらの分野でも略語の『ディスコン』のほうで広く知られています。
まずはここで、分野ごとのディスコンの意味について明確にしておきましょう。
ディスコンの意味①:ビジネス
製品を造っている企業では、どんどん新しい製品を開発していきます。しかし、その一方で、製品を増やし続けるわけにはいかないので、古い製品は、一定期間が経過すると廃盤になっていきます。これをディスコンといいますが、実は、製造者と購入者の立場では、少しニュアンスが異なるんです。
ディスコンの意味②:スポーツ
岡山県で誕生したスポーツに『ディスク(円盤)』を『コントロールする』といったスポーツがあり、それを『ディスコン』と呼んでいます。
このスポーツでは、裏と表が赤と青に色分けされた、直径12cm、重さ約75gのディスクを用います。このディスクを、競技スペースに設置されたポイントを目標に投げ、赤、青の2チームで得点を競うというものです。
参考
ディスコンとは埼玉県ディスコン協会
ディスコンの意味②:電気分野
電気分野においては『断路器』を『ディスコン』と呼ぶことも多いです。このディスコンの正式名称は『ディスコネクター(disconnector)』で、廃盤を意味する『ディスコンティニュー』ではありません。
断路器とは、回路に電流が流れていない状態で、回路の開閉を行うスイッチの役割をしています。たとえば、変電所で送電の切り替えを行ったり、機器を点検する際に、回路から切り離する際などに用います。
ディスコンの英語表現
前述したように、ディスコンの正式名称はディスコンティニューで、英語では『discontinue』と書きます。そのため、英語圏では、略語として使われている『ディスコン』は通じません。
そして、英語のdiscontinueには、こんな意味があります。
■(~を続けることを)やめる、停止する
■中止する
■中止になる
■休止になる など
参考までに、discontinueを使った熟語もいくつか紹介しておきますね。
■discontinue a drug(薬の服用を中止する)
■discontinue a close relationship(親しい関係を断つ)
■discontinue a production line(製造ラインを終了する) など
なお、『discontinue』の最後に『d』をつけ、『discontinued』にすると、『生産停止』『販売停止』といった意味になるので、あわせて覚えておくと便利です。
ディスコンの言い換え表現
ディスコンは、次の日本語に言い換えが可能です。
・生産が終了になる
・廃盤になる
・サービスを終了する など
また、『ディスコン』はどちらかといえばラフな言い方で、主に会話の中で登場し、書面で使われることはまずありません。
ディスコンの類語
ディスコン同様、『生産終了』や『廃盤』を意味する言葉はほかにもあり、企業によってはそちらのほうをメインに使う場合もあります。
EOL
EOLの正式名称は『end of life』もしくは『end of line』といい、文書や会話の中では『EOL(イーオーエル)』と略語が使われるのが一般的です。
会社から廃盤のお知らせをする際、『EOL通知』や『EOLのお知らせ』というタイトルで発信する場合もあります。
また、通常、製造業を営んでいる企業では、廃盤の製品についてもデータ管理をしており、『EOL-〇〇〇』とナンバリングして保管されることも多いです。
EOS
EOS(イーオーエス)の正式名称は、『end of sales』『end of support』『end of service』と3通りあり、どんな事業での『終了』を指すのかで異なります。
end of sales
『販売終了』を意味する言葉。販売終了日を最後に、メーカーからの出荷や販売が終了になるということ。
end of support
『サポートの終了』を意味する言葉。『製品の使い方についての問い合わせ』『修理・交換などのサービス』の終了のこと。
『end of sales』が決定しても、最終日に購入する消費者もいるので、しばらくはサービスの受付は行っているのが一般的です。しかし、一定期間が経過すると、『交換』や『修理』の提供も終了してしまう場合がほとんどです。
end of service
『サービス終了』を意味する言葉。サービス業であれば、提供しているサービスの終了を指します。製造業においては、『問い合せ』『交換』『修理』といったサービスの終了のこと。
『end of service』が決定したら、設定日を堺にこれらのサービスが受け付けられなくなります。
なお、製造業における『end of service』は『end of support』と同じ意味合いになるため、どちらを使っても間違いとはいえません。
EOE
EOE(イーオーイー)の正式名称は『end of engineering』で、『技術サポートの終了』を意味する言葉。
アプリのバージョンアップ、ソフトのバージョンアップといった、機能的な修正や更新が行われなくなることを指します。
ディスコンとオワコンの違い
ディスコンは『ディスコンティニュー』の略語ですが、オワコンは、『終わったコンテンツ*』を意味する言葉です。(コンテンツ*:情報のなかみ)
『コンテンツが終わってしまった』というのではなく、『ユーザーに飽きられたコンテンツ』『時代遅れのコンテンツ』の意味で使われます。
オワコンが登場するタイミングとしては、本当に使われなくなった(終わってしまった)ときではなく、「もう終わりそう」なときであるのが一般的です。
[ビジネス版]ディスコンの使い方・例文
ビジネスシーン、特に、次々と新しい製品を造りだしている製造業ではよく見聞きする言葉です。そのため、正しい使い方はしっかり覚えておきたいものです。ここでは例文を3つ用意しました。場面を想像しながら読んでみてください。
ディスコンの情報を入手したら早めに代わりを見つけておこう
お気に入りの商品は、できればディスコンにはなってほしくないものです。しかし、新しいものが発売され続ける限り、旧製品はディスコンになる日がどんどん近づいてきます。急に代わりのモノを見つけるのは大変なので、情報を入手したら早めに探すようにしましょう。