ゾーニングとは「物を配置すること」
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ゾーニングは「物を配置すること」を意味するカタカナ語です。
ビジネスによく登場する言葉で、どの業界に就職していたとしても、知っておいたほうがいいワードになります。
この機会にくわしく学んで、ゾーニングについて習得しましょう!
ゾーニングの意味を解説
ゾーニングは、使用される業界ごとに意味が変わるケースもあります。しかし先に、ゾーニングの基本的な意味を確認しておきましょう。
もとの意味を理解しておくと、枝分かれした分野ごとの意味もわかりやすくなりますよ。
英語のゾーニング(zoning)はどんな意味?
ゾーニングは英語表記すると「zoning」。
極度の集中状態をカタカナを使って、「ゾーンに入る」というと、ちょっとかっこいい感じがしますよね。また、あるエリアを指して「ゾーン」ということもあります。領域や区域などの意味をもつ「zone(ゾーン)」は、日本人にもおなじみのワードですね。
ゾーンに「ing」をつけた「zoning」は、「ゾーンに入っている」という意味ではありません。
「zoning」は、次のような意味の英単語です。
・建築規制
・土地使用区分
難しい言葉が並んでいますね。わかりやすくいうと「その地域ごとの土地の使い方ルール」が「zoning」になります。
日本語のゾーニングとは?
日本語のゾーニングは、次のような意味をもつ言葉です。
・商品やサービス、情報などの購入、利用を使用者の年齢などで制限すること
日本語のゾーニングは、英語の「zoning」と共通する意味もありますが、年齢制限という異なる意味ももっているので注意。
日本語のゾーニングの方が、英語の「zoning」よりも使用されるシチュエーションが多くなっていますね。
[分野別]ゾーニングの意味を確認
ゾーニングは、分野特有の専門用語として使われるケースも珍しくありません。
それらのワードは、基本の意味と関連していますが、少し異なる意味の言葉になっています。その分野で用いられる関連語とあわせて、ひとつずつ勉強していきましょう。
①:オフィスでのゾーニング
オフィスでのゾーニングは、用途に合わせた事務所の間取り決めという意味。
セキュリティの観点から、近年では、セキュリティレベルでオフィス空間(ゾーン)を分ける企業が増えています。
セキュリティレベルでゾーニングする場合、次のようにゾーンを区分してください。
・来客が入っていいスペース(エントランス、応接室、会議室など)
・社員が仕事をするスペース
・限られた社員しか入れない機密情報スペース など
次に、社員や来客の動線を考えます。
社員・来客それぞれの動線が、なるべく短くなるように各ゾーンを配置します。わかりやすくシンプルな動線は、仕事の効率化につながりますし、災害時の避難経路確保の点でも重要です。
②:マーケティングにおけるゾーニング
マーケティングでのゾーニングは、特定の売り場にどんなカテゴリーの商品を、どの位置に、スペースをどのくらい使って、どう配置するか決めること。
次のポイントを押さえて、各商品の配置場所を割り振ってください。
ゴールデンゾーン
ゴールデンゾーンは、お客様の視界に一番入りやすく、手に取りやすい高さに位置する配置場所。
床から60cm~160cmの高さにある配置場所を、ゴールデンゾーンとするのが一般的です。しかし、一律ではなく、ターゲットにしているお客様の属性によって変わってきます。
たとえば、男性向け商品なら通常より高めの位置。子ども向け商品なら、低い位置がゴールデンゾーンになります。
ゴールデンゾーンにどんな商品をもってくるかは、非常に重要なポイント。商品を変えるだけで、お客様が感じるお店の印象や、売上が大きく変化します。
バーチカル陳列
バーチカル陳列は、垂直陳列という意味。
同じジャンルの商品を縦方向に陳列する方法です。お客様の目が縦に動くので、視線が棚の上から下まで全体的に行き渡り、そのジャンルに属する多くの商品が目に留まりやすくなります。
バーチカル陳列では、すべてのジャンルの商品群にゴールデンゾーンが割り振られるのが特徴です。
ホリゾンタル陳列
ホリゾンタル陳列は、水平陳列のこと。
同じジャンルの商品を水平方向に陳列していきます。お客様の目線は横に動くので、売り場全体を把握しやすくなる陳列方法です。
同じジャンルの商品が、ゴールデンゾーンにずらっと並ぶため、売りたい部門の商品を強烈に印象付けられます。
③:ネットにおけるゾーニング
ネットでのゾーニングは、次の2つの意味で使われるのが一般的です。
①青少年保護の観点で、年齢に応じて閲覧・利用できるサービスを区分し制限する
②セキュリティ対策をしやすくするため、ネットワークをセキュリティレベルに応じて区分する
どちらの意味で用いられているかは、文脈に応じて読み取ってください。
④:建築におけるゾーニング
建築用語のゾーニングは、空間に何をどう配置するか考え、目的ごとに区分するという意味。
ゾーニングは家づくりだけでなく、都市計画や地域森林計画でも、同じ意味で使われます。
家づくりでのゾーニング
新築マンションや住宅では、日当たりや風の流れ、眺めなどを踏まえて、敷地に建物をどう配置するか検討します。位置が決まったら、どんな形の建築物にするかを考えましょう。
建物の配置・形が決まったら、次に建物内部のゾーニングを決めます。空間を機能別に、次の3つに分類していきます。
パブリックゾーン:家族が集まるスペース。来客用スペース
プライベートゾーン:個人の部屋
サービスゾーン:生活に必要な空間。キッチン、トイレ、バスルームなど
3つのゾーンは人の動線も考慮し、なるべくシンプルに入り組まないよう配置するのが理想です。また、二世帯住宅の場合は、親世帯・子世帯・共用の空間で区分する考え方もあります。
ゾーニング図
ゾーニング図は、空間に何をどう配置するか設計者が計画したものを、図面に表したものです。
ゾーニング図があると空間をどのように区分し、目的別にどう使う設定になっているのか、把握しやすくなります。
⑤:看護におけるゾーニング
看護でのゾーニングは、病院内の特定スペースのなかで想定されている清潔、不潔具合の区分。
病院内では、細菌や目にみえない塵埃レベルでのきれいさが求められる清潔空間と、感染症の発生源になりかねない不潔空間をはっきり区分しておくのが非常に重要です。
清潔空間:病室・手術室・リネン室・廊下
不潔空間:細菌検査室・病理検査室・トイレ・汚物室
ゾーニング区分ごとに、専用の清掃道具を用意しておくなど、汚染をほかのゾーンに広げない手段を徹底的に講じなければなりません。
運搬用ワゴンの上段は、清潔なゾーン。床に近く埃を被りやすい下段は、不潔ゾーンとするなど、ゾーニングは狭い範囲でも使われるケースがあります。
[ビジネス版]ゾーニングの使い方・例文
ゾーニングはさまざまな業界で使われていますが、今回はオフィスとマーケティングにおけるゾーニングの使い方を紹介します。
ビジネスシーンでのゾーニングを、例文でイメージしてみましょう。
新人
上司
上司
先輩
上司
意味がたくさんあるゾーニングを使い分けよう!
ゾーニングにはたくさんの意味があります。いろいろな分野で用いられている重要なカタカナ語なので、ビジネスマンなら知らないままではいられません。
ゾーニングは、業界ごとによく使われる意味がある程度決まっています。基本になる意味とあわせて、分野ごとの意味をしっかり把握し、使い分けられるようになりましょう。