セグメントとは、分けられたもの!
『セグメント』は、日本では主にマーケティング用語として、『わけられたもの』『分割したものの一部分』という意味合いで使われています。
しかし、どんな意味で使われているかはわかっても、実際にはどのように使うのかがわからいという人もいますよね?そこで今回は、セグメントの意味を詳しく解説するとともに、類義語や使い方などもわかりやすくまとめてみました。
セグメントの意味を詳しく解説
セグメントは英語で『segment』と表記し、今ではビジネス用語として当たり前のように使われていますが、もとは英単語でしたので、辞書を見ると以下のような意味が記されています。
■(自然にできている)区切り
■区分
■部分
■環節
そして、英語の文章としてはこのような使い方をします。
■a segment of a lemon(レモンの1切れ)
■a straight segment of a roadway or racecourse(道路や滑走路の直線部分)
日本ではマーケティング用語として一般的に使われているのですが、使い方などについてはこれから順番に解説していきますね。
セグメントの類語
セグメントと同じような意味を持つ言葉もいくつかありますので、「この場面ではどっちがふさわしい?」と思う場面もあるかと思います。ここでは類語をいくつかピックアップしてご紹介します。
パート(part)
『全体を構成する中の一部』を表す時や、『〇分の1』を表現する時に使う英単語で、英文では以下のように使います。
■a sixth part(6分の1)
■the main part(主要部分)
■part payment(分割払い)
セグメントは一つのものを分割したものの一部分のことを意味するのに対し、パートはただ全体の一部分を指しているとういところが少し違うところですね。
セクション(section)
セクションは英語では『section』と表記し、『(建物などの)仕切られた場所』『段落』『分節』『(オレンジなどの)袋』など、他とは明確に区分されている部分のことを指します。
セグメントも『区分』という意味では同じかもしれませんが、同じ属性の中で区分されている『セグメント』とは違い、セクションは他とはきっちりと区別する時に使用される言葉です。
例えば、学校で例えると、1年、2年、3年という違った年代での区分をしているのが『セクション』、1年A組、1年B組というように、同じ年代でさらに区分しているのが『セグメント』ということになります。
セクター(sector)
『第三セクターの事業計画は…』というよな産業用語で使われるこちらの言葉には以下のような意味があります。
■(産業・経済などの)部門
■防衛区域
■活動分野
■コンピューターの記録媒体上の区切り
IT業界や産業の世界で便宜上の区切りを表現する際に使われている言葉ですので、マーケティング業界で『男女に分ける』『年代でわける』というような使い方をするセグメントとは違いがあります。
セグメントの関連語
前の項目では類義語について解説しましたが、ここではセグメントに関連している言葉をいくつか紹介させていただきます。
1セグメント放送
『ワンセグ放送』『ワンセグの機能がついている』『ワンセグが見られる』というように、とても聞きなれた言葉ではないでしょうか。
地上デジタルでは一つのチャンネルを13個のセグメントに分割しており、この中のいくつかを束ねた状態で一つの放送データを伝送するという形式になっています。そして、この束ねられた中の一つのセグメントは携帯電話向けの放送に使われている為、『1セグメント放送』と呼ばれています。
事業セグメント
様々な事業内容の企業が世の中には存在していますが、それらの企業を分野・性質の違いにより分類することを事業セグメントといいます。財務や会計上の分類で使われることが多いといわれています。
建設業全体でどれくらいの収益があるのか、金融業界はどんな経営状態なのか、自動車業界の売り上げの推移は…ということを見るのに主に使われている言葉だと思っていただいていいでしょう。
日本語の辞書にはこんな意味で載っている
英単語が語源となって、今では和製英語として扱われており、日本の辞書にもカタカナ用語としての掲載があります。
■部分。分節。階層。区別。区分。
■企業の会計情報開示などの際、事業の種類・所在地・営業地域を区分すること。
■マーケティングで購入者を年齢・性別・職業などを区分すること。
■コンピューターでプログラムを扱うさいのメモリーの管理単位。
おおまかにはどれも『区分する』という意味合いをもっていますが、幅広い分野で使われる言葉のようですね。
セグメントの使い方例
様々な業界で使われている『セグメント』ですが、ここでは実際の使い方を例文を使ってご紹介します。
【例文1】
様々な飲料を作っている会社がデータ化したセグメントごとの利益情報。
【例文2】
次の商品開発では性別・年齢・職業、どんな軸でセグメントすることが販売につながるかをしっかり検討する必要がある。
【例文3】
このプログラムのどのセグメントでエラーが出ているのか調査してください。
マーケティング用語としてのセグメント
セグメントという言葉が頻繁に出てくるマーケティングの世界ではどんな使い方をしているのでしょうか?いくつかピックアップしてみました。
マーケットセグメンテーション
これは、日本語では『市場細分化』表現されますが、一つの属性の中で同じ性質をもっている集団に区分することを指しています。
セグメントに分割する行為のことをセグメンテーションという為、『市場セグメンテーション』と呼ばれることもあります。
顧客セグメント
例えば、ノートパソコンの開発をする際、外回りの営業マン向けの仕様にするのか、家で趣味を楽しむ人向けの仕様にするのか、どちらかに特化して売り上げを伸ばそうとする企業側の戦略があります。
このように、購入者、つまり顧客層を分類して考えることを顧客セグメントといいます。
セグメントとカテゴリーの違い
何かを分類するという意味あいで使われる言葉の中に『カテゴリー』というものがあります。
「カテゴリーごとに検索」「カテゴリーを絞ってみる」あなたもこのような感じで使っていますよね?
カテゴリーはセグメントよりもざっくりとした区分けをする際に使われている言葉で、『同じ性質のものが含まれている範囲』ということを指しています。
セグメントとターゲットの違い
「ターゲットを絞った情報提供をする」「ターゲットを絞った商品を開発する」こんな感じで使われている、私達には身近な言葉ですよね。
ターゲットには『標的』『的(まと)』という意味があり、マーケティングの世界ではどの顧客層を狙うのかの『的』のことを指しています。
ターゲットを絞ってセグメントするというような使い方をしますが、考え方の例としては、『女性に絞る』がターゲットを絞る、その中で年代別に区分するということが『セグメント』にあたります。
経営用語としてのセグメント
経営の分野においてはまた違ったニュアンスで『セグメント』が使われていますので、ここでもいくつかピックアップしておきますね。
セグメント情報
日本では、証券取引法で企業が利害関係者に自社の情報を公開することが義務付けられています。
その際には、事業の種類の他、親会社、子会社および所在地別に区分した情報を開示することになっており、これをセグメント情報といいます。
セグメント利益
多くの企業は多岐にわたって事業展開をしており、事業ごとの利益を出しているというのが通常です。この事業部門ごとの利益をセグメント利益といいます。
自動車業界でのセグメント
自動車業界では、主に『軽自動車』『コンパクトカー』『セダン』『ハッチバック』『BOXカー』『ワンボックス』といった種類の区分をセグメントとされています。
IT用語としてのセグメント
日本語での意味の項目の中で『コンピューターでプログラムを扱うさいのメモリーの管理単位』という意味があるとお伝えしたように、ITの世界ではまた違ったニュアンスで『セグメント』が使われています。
セグメントとネットワーク
あるシステムのネットワークがあるとします。そのネットワークがいくつかの小さなネットワークの集合体で作られている場合、もととなる小さなネットワークが『セグメント』ということになります。
セグメントとページ
ページとは、簡単にいうと、『プログラムを扱う際のメモリーの管理単位』という意味が差す部分です。
一つのプログラムは多くの場合、セグメントの集合体で作られており、それぞれのセグメントは複数のページから構成されています。
プログラムを数巻あるマンガの単行本としましょう。その中の1巻目、2巻目というのがセグメント、数ページがまとまって作られている各ページが『ページ』が差す部分になります。
医療用語としてのセグメント
医療用語の中にも『セグメント』がついた言葉がありましたのでご紹介しておきます。
セグメントチューブ
血液製剤*に付属しているチューブのことで、このセグメントチューブを通って血液製剤が人の体内へ流されていきます。
(血液製剤*人の血液を原料として造られた医薬品のこと。)
どんな業界でも使える『セグメント』を覚えておこう!
それぞれの業界でニュアンスの違いがあるものの、どの分野でも『区分』という意味合いが含まれています。
この記事の中で様々なシーンにおける『セグメント』の使い方、類語などをご紹介しておきましたので、しっかり理解して、カッコよくビジネスの会話の中でセグメントを使ってみてください。