インサイダーとは「組織の内部にいる人」のこと!
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社会人として、インサイダーの正しい知識を身につけましょう。
インサイダーの意味を解説
カタカナ語のインサイダーは、英語のインサイダー(insider)とは違う意味で使われることがあります。「insider」という英語の成り立ちや言葉の意味、カタカナ語のインサイダーとの共通点や違いもみてみましょう。
英語のインサイダー(insider)はどんな意味?
インサイダーは、英語表記すると「insider」。「insider」には次のような意味があります。
・会員
・部員
・ある方面の事情にくわしい人
・内部の事情にくわしい人
たとえば、会社など、特定の組織に属している(中にいる)人を、組織に属さない(外にいる)人とはっきり区別するときに使用します。
カタカナ語のインサイダーとは?
カタカナ語のインサイダーは次のような意味をもつ言葉です。
・ある方面の事情にくわしい人
・内部の事情にくわしい人
・組織特有の風習に逆らわず、波風立てずに生活している人
・インサイダー組合の略
ただ、「風習に逆らわず、波風立てず」と、やや皮肉を込めた言い方で用いられることもあります。
また、インサイダー組合の略語としても使用されます。インサイダー組合とは、労働組合法の条件を満たした労働組合のこと。法内組合ともいい、労働組合法で権利が保護されています。
インサイダーの対義語
インサイダーの対義語は、「アウトサイダー」です。アウトサイダーは、部外者という意味になります。
あるいは、社会常識や集団・組織の風習に馴染まず、独自な思想を持っている人を意味することもあります。
アウトサイダー組合(法律上は労働組合と認められない組合)の略語として使われることも。
金融用語!うっかりでも許してもらえないインサイダー取引
インサイダーと聞いて、インサイダー取引を連想する人は多いですよね。
インサイダー取引は、株取引に絡む違法行為。インサイダー取引は、ややこしい条件が関係してくるので、アウトとセーフの線引きが難しいです。たとえ知らずに取引していたとしても、規制対象取引とみなされて厳しい罰則が科せられます[efn_note]参考:インサイダー取引規制の概要|金融庁総務企画局市場課[/efn_note]。
そのため、株に投資をしている人は、ついうっかり罪を犯してしまわないように、細心の注意を払わなければなりません。難しいインサイダー取引を、わかりやすく勉強してみましょう!
インサイダー取引とは?なんで違法なの?
インサイダー取引は、自社や取引先などの内部情報を関係者が一般公開前に入手して、その情報をもとに自社や関係機関の株を売買をすること。
株価の変動が起きそうな情報をほかの人よりも早く入手することができれば、投資で大きな利益を得たり、逆に損失を回避したりできます。
しかし、そのような情報を手に入れる機会がなかったほかの投資家からみれば、公平な株取引を妨害するズル以外の何物でもありません。そのため、インサイダー取引は法律で禁止されているのです。
インサイダー取引になる6つの条件
次に紹介する6つの条件をすべて満たしたとき、インサイダー取引と認定されてしまいます[efn_note]参考:金商法 166 条 会社情報に関する内部者取引の禁止(その1)|神戸大学 志谷匡史[/efn_note]。
①どこの | ・株を発行している上場企業やその子会社 ・スポンサー ・不動産投資信託を発行している投資法人 |
②誰が | ・会社関係者等:役員や従業員(退職1年以内の人も含む)、大株主、取引先などの関係者 ・第一情報受領者:上記の人から内部情報を聞いた人 |
③何を | 株式・新株予約権の購入者募集、業務提携、合併、会社分割、新製品の販売、剰余金の配当などの重要なインサイダー情報(※1) |
④どのように | ・上記のインサイダー情報を知っていた |
⑤いつ | 新聞社、通信社、放送事業者など2つ以上の報道機関に、その企業の意志で情報公開されてから12時間以上経つ前に(※2) |
⑥どうする | 自分の意志で売買などの取引をする(※3) |
※1:決定済みのことだけでなく、交渉中の事柄や調査段階の情報でもインサイダー情報とみなされる。軽微なものについてはインサイダー取引に含まれないこともあるが、基準はそれぞれ異なるので要確認。
※2:報道機関に情報をキャッチされても、企業から正式発表があるまでは情報公開とみなされない[efn_note]参考:インサイダー取引規制の概要|金融庁総務企画局市場課[/efn_note]。
※3:相続や贈与で手に入れた株式だった場合は、インサイダー取引とはならない。
情報を知る前に取引の話を進めていた場合は、紙書面の契約書や計画書が残っていれば、売買が成立した時点で情報を知っていたとしてもインサイダー取引とはなりません。しかし、うっかりインサイダー取引になってしまうことのないよう、十分に注意しましょう。
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インサイダー取引の事例:村上ファンド事件
村上ファンド事件とは、被告人が、自社で大量に所有していたニッポン放送の株を使って、インサイダー取引を行った事件。被告人は当時のA社の最高責任者に、ニッポン放送株を大量に取得することを持ちかけます。
A社側がニッポン放送株の大量取得を決め、そのことを被告人に伝えると、被告人は自社保有のニッポン放送株を大量に売却し、不当な利益を得ました。
このインサイダー取引が発覚した結果、被告人は2006年に逮捕されます。裁判では懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金(ペナルティで支払うお金)約11億4,900万円が課せられました[efn_note]参考:各証券取引法違反被告事件 〔村上ファンド事件〕|Westlaw[/efn_note]。
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仕事で役立つ!インサイダーの使い方・例文
「内部の人、内部関係者」と「インサイダー組合の略」という意味の例文をひとつずつ紹介します。シチュエーションをイメージしながら読んでみてください。
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【番外編】娯楽分野のインサイダー
インサイダーは、娯楽分野でも使われています。家族や友人同士で楽しめるインサイダーもありますよ。気になるものがないか探してみてください。
映画:インサイダー(The Insider)
インサイダーは1999年公開のアメリカ映画。
ラッセル・クロウが演じる大手タバコ会社副社長とアル・パチーノが演じる米CBSの人気報道番組のプロデューサーが、タバコ産業の不正を告発するストーリー。実話をもとにした映画です。
映画:インサイダーズ/内部者たち
インサイダーズ/内部者たちは2015年公開の韓国映画。日本ではR15+指定されています。
韓国の裏社会が舞台。裏切られたチンピラが、復讐のために財界・政界・メディアに絡む大スキャンダルを暴こうとする社会派サスペンスムービーです。
ボードゲーム:インサイダー・ゲーム
インサイダー・ゲームは推理と正体隠匿を楽しむボードゲームです。出題者をひとり決め、残りのプレイヤーは全員で出題者に質問を繰り返します。制限時間内に答えがわかったらプレイヤーの勝ち。
ただし、プレイヤーの中にはインサイダー(一人だけ答えを知っている人)が混じっています。
もし、制限時間内に答えにたどり着けなかった場合は、今度は誰がインサイダーかを推理するゲームになります。そのため、インサイダーは自分の正体を隠し、一般プレイヤーのフリをしなければなりません。
正体を隠しながら、一般プレイヤーをどのように答えに導くか考えて、上手く立ち回るのがインサイダーの醍醐味です。
インサイダーを理解して会社の中での自分を守ろう!
インサイダーは、会社などの組織に所属している人のことを意味するカタカナ語。従業員の権利を守ってくれるインサイダー組合の略語としても使われます。
また、インサイダー取引もよく聞く言葉です。インサイダー取引は、うっかりだったとしても許してはもらえない違法行為。株に投資をしている方は、しっかり理解しておく必要がありますよ。
インサイダーを正しく理解し、会社組織の中での自分の立場や権利を守っていきましょう!