「引き合い」は複数の意味をもつ言葉
後輩
先輩
後輩
「引き合い」は日常会話とビジネスシーンのどちらでも使われるフレーズですが、シチュエーションによって異なる複数の意味がある言葉です。
日常会話でもよく使われていますが、主にビジネスシーンのほうがさまざまな意味で使われる機会が多いです。一般的に知られているのが”比較”としての「引き合い」ですが、このほかにも異なる意味で使用されます。
また、「引き合い」の類語は意味ごとに分けられており、例えば”比較”としての意味で使える類語とそうでない類語があります。今回は「引き合い」の意味や使い方、類語について詳しく解説します。
・基準
・対照
・取引
・注文
・仲介
・引用
・一例
など
「引き合い」の意味
一般的に知られている「引き合い」とは、”引き合いに出(す)される”の比較の意味として使われる言葉です。日常会話ではこれだけで十分ですが、ビジネスシーンでの「引き合い」には“商談”や”取引”の意味合いが強くなります。それではここで、「引き合い」のもつ意味を確認しましょう。
2. 仲をとりもち、ひきあわせる。「仲介」。
3. 注文や問い合わせ。「注文」と同意義。
4. 事件や法廷での証人や参考人として呼ばれること、または「召喚」された人。
5. 他者が起こした問題や事件の「巻き添え」の意味。
ざっと見ても5つの意味があり、一般的に知られているのが1の「比較」として使われる「引き合い」。それに対し、ビジネスシーンでは1の「比較」のほか、2,3の「仲介」「注文」の意味で使われるケースが多くなります。
4の「召喚」は、法廷や事件に関する特殊なケースで使用されるため、日常会話、ビジネスシーンともに「召喚」の意味合いで「引き合い」を使う機会は多くありません。
このように「引き合い」にはまったく異なる意味があり、すべての意味を知らないと会話がかみ合わなくなる恐れがあります。特にビジネスシーンでは1~3の意味を覚えておきましょう。
ビジネスシーンにおける「引き合い」の使い方・例文
ビジネスシーンでの「引き合い」の使い方は、シチュエーションで判断します。商談の機会の多いビジネスシーンでは、先述の「比較」「仲介」「注文」で使われるケースが多くなります。ここでは、ビジネスシーンにおける「引き合い」の使い方を例文でご紹介します。
シチュエーション別「引き合い」の例文
ビジネスシーンで想定される「引き合い」の例文をシチュエーション別にご紹介します。商談のほか、ビジネスパーソンや顧客とのやり取りで使われるので、これから入社を控えている新社会人は必見です。
比較する際の「引き合い」の例文
部下
上司
部下
Aくん
先輩
Aくん
比較する際の「引き合い」には、物事の基準としての比較対象に使うケースと、悪い例として使用する2通りのパターンがあります。悪い意味で「引き合い」を使うと嫌味になるので、こちらの使用は親しい間柄同士の軽口程度にとどめておきましょう。
注文や問い合わせの際の「引き合い」の例文
上司
部下
単純に「注文」や「問い合わせ」に置き換えることが可能です。「引き合い」を使う場合、注文や問い合わせの数を「多い」や「少ない」とはいわず、「引き合い」が強い(弱い)と表現します。
取引をおこなう際の「引き合い」の例文
部下
上司
クライアント
担当
取引での「引き合い」は”商談”や”相談”を意味する言葉です。複数の意味をもつ「引き合い」ですが、ビジネスシーンでは”ビジネスに関わる交渉・相談”を「引き合い」の単語でまとめられます。さまざまなジャンルの作品を「本」や「映画」とひと括りにするニュアンスに近い使い方です。
新人
仲をとりもつ際の「引き合い」の例文
部下
上司
“紹介”や”仲介”の意味で使い、お互いを「引き合わせる」場面で使います。”仲を取りもつ”ときに使用します。
「引き合い」の類語
「引き合い」と同じ意味をもつ類語は、ビジネスシーン以外の日常会話でもたびたび使われています。これまでにも何度か登場した「引き合い」の類語ですが、まだ触れていない「引き合い」の言い換え表現をご紹介します。
基準
部下
上司
物事の判断や水準となり、ひとつの目安とする”数字”や”事例”をあらわす言葉です。比較対象には何事にも基準があり、それを目安として目標をさだめる際に使用します。
対照
部下
上司
ふたつのものを並べ、対になるお互いを照らし合わせて比べるさまをあらわす言葉です。異なる者同士を「対照的」。比較として適切なものを「好対照」と表現します。
引用
先輩
上司
過去の事例や他人の言葉、成果を拝借して説明をさらに補強する際の言葉です。この場合、”過去の事例を引き合いに出し”、説明を補強しています。
「引き合い」の英語表現
「引き合い」はビジネスシーンにおいてよく使われる言葉です。英語で表現する機会が訪れる可能性もあるため、メールや会話での使い方を事前に身につけておくと安心できます。
inquiry
reference
と表現できます。
「引き合い」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒過去の事例や案件を引き合いにだす。
・Thanks to the CM effect, the inquiry is strong and the line will be punk even now.
⇒CM効果のおかげで引き合いが強く、今にも回線がパンクしそうです!
・It looks like there is an inquiry from A company.
⇒今回A社からお引き合いの相談が来ているみたいです。
・Thank you for your inquiry.
⇒このたびはお引き合いいただき、誠にありがとうございました。
「引き合い」の正しい使い方をマスターしよう!
同じ言葉でも日常会話で使われるものと、ビジネスシーンでは意味が異なるケースも少なくありません。「引き合い」はどちらのシーンでも使われている言葉です。
一般的に知られている「比較」とは別に、ビジネスシーンでは「商談」や「注文」の”取引”に関する意味。そして人と人の間を取りもつ「仲介」の意味として使用されます。
言葉のもつ意味を正確に理解し、ビジネスシーンで「引き合い」を正しく使いこなしましょう!