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「勘案」とは?読み方や意味・類語・英語表現をまとめて解説!

「勘案」は「あれこれを考え合わせること」ってこと!

上司

今回のプロジェクトは、チーム全員の意見を勘案して方向性を決めていこう。
は、はい…。ところで「かんあん」って、どういうことでしょうか?

新人

上司

みんなの意見を考え合わせるってことだよ!もちろん君の意見もね!

「勘案」とは、「あれこれを考え合わせること」を意味する言葉です。

政府や公的機関が発表する文章などで使われることが多い、いわゆる「お役所言葉」です。

日常会話ではほとんど使う機会はありませんが、ビジネスシーンでは公的な文書などで登場する場合があります。常識として読み方や意味を身につけておくと、自身が使う際も説得力が増します。

また、「勘案」は似た意味の言葉がいくつかあるため、混同しないように正しく使い分けられるようにしておきましょう。

「勘案」の類語(言い換え表現)
・考慮
・検討

「勘案」の読み方・意味

「勘案」の読み方は「かんあん」です。

「勘」という漢字は通常、「勘がいい」「勘が当たる」のように、物事を直感的に感じとる能力を表すことが多いです。それに加えて、「よく調べて考える」という意味も持っています。同様に、「案」という漢字も「考える」「調べる」「計画」の意味があります。

つまり、「勘案」は「考える」という意味を持つ2つの漢字を組み合わせた言葉です。似たような意味の言葉を重ねて使うことで、その内容がより一層強調されます。

よって、「勘案」とはただ単純に「考える」だけでなく、「あれこれを考え合わせること」を意味する言葉となります。

「勘案」の使い方・例文

「勘案」は「複数の条件や要素を考え合わせる」場合に使います。言い回しとしては「勘案する」「勘案して」「勘案した上で」などが挙げられます。

ここからはビジネスシーンにおける「勘案」の適切な使い方や例文をご紹介していきます。言い回しやシチュエーションなどもあわせてチェックしてみましょう。

「勘案」を使った例文

例文
「諸事情を勘案の上、最適な方針を決定する」
「総合的に勘案した上で判断する」
「多くの人から意見を聞き、勘案する」
「経済状況を勘案しながら、アクシデントがなければ予定通り政策を実施する」

「勘案」は堅い表現のため、日常会話で使われることはほとんどありません。ビジネスの場で使う際も、かしこまったシーンでなければ、堅すぎる印象を与える可能性があります。むやみに使うと通じにくい場合もあるため、状況を判断して使うようにしましょう。

新人

堅い言葉を無理やり会話に盛り込むと、かえって通じにくくなるんですね…!
基本的には「よく考えます」「よく考え合わせます」のように、普段通りの言葉でOKだよ!

上司

「勘案」の敬語表現

「勘案」を目上の人に使う際は、敬語表現になおす必要があります

「勘案」を使った尊敬語の例文

「勘案」を尊敬語にする際は、尊敬を表す接頭語「ご」をつけ、「ご勘案」とします。

例文
「何卒ご勘案くださいますようお願い申し上げます」
ご勘案いただきありがとうございます」

相手に「勘案」してほしいとお願いする場合、「そちらの事情もあると思いますが、こちらの事情も考えてください」というニュアンスが含まれます

また、「勘案」してもらったことに対してお礼する際は、「色々考えてくれてありがとう」という意味合いになります。

上司

「ご勘案~」という使い方をすることで、直接的な表現を避けたスマートな会話になるね!

「勘案」を使った謙譲語の例文

「勘案」を謙譲語にする際は、「勘案いたします」「勘案させていただく」などと表現します。「ご勘案します」などの表現は誤用のため使わないよう注意しましょう

例文
「本件につきましては、条件を勘案いたします」
「最終的な方向性を決定するため、総合的に勘案させていただきます」

「勘案」の類語・言い換え表現

「勘案」の類語には、「検討」「考慮」などがあります。どれも「考える」ことを表す言葉ですが、それぞれニュアンスが違うため、混同しないように意味と使い方を覚えておきましょう。

「考慮」と「勘案」の違い

「考慮」とは、「色々な要素を含め、物事をよく考えること」「思いめぐらすこと」という意味の言葉です。「勘案」とほとんど同じ意味であり、言い換え表現として使えます。

例文
「さまざまな意見を考慮し、最終決定を下す」
「台風が接近しているため、安全面を考慮してイベントを中止いたします」

「勘案」は「複数の要素を考え合わせること」に使いますが、「考慮」は考える要素がひとつでも複数でも使えます

「検討」と「勘案」の違い

「検討」とは「よく調べ考えること」「よいかどうかを調べ判断する」という意味の言葉です。自身が「検討」する際も問題なく使えますが、ビジネスシーンでは相手に「検討」してもらうようお願いする使い方が多いです。

例文
「何卒ご検討のほどお願いいたします」
「ご検討いただけますと幸いです」
「本件につきましては社内で検討の上、回答いたします」

「勘案」と「検討」は、どちらも「よく調べ考えること」という意味を持ちますが。「検討」は、さらに「考え合わせたうえで判断を行う」という意味の比重が大きくなります。「検討」の方が、「ひとつの事柄をじっくり考える」というニュアンスがさらに強くなります

新人

一般的には「検討」と「考慮」の方が通じやすいですね!

「勘案」の英語表現

「勘案」はビジネスシーンにおいても使われる言葉です。英語で表現しなければならないシチュエーションにそなえて、メールや会話での使い方を事前に身につけておきましょう

「勘案」の英語表現
「勘案」は英語で・・・
take into account
と表現できます。

「勘案」の英語表現を使用した例文はこちらです。

例文
・I will decide the best policy taking into account all the circumstances.
⇒諸事情を勘案の上、最適な方針を決定する。
・Judging after taking into account all the policies.
⇒総合的に勘案した上で判断する。
・I will take into account the opinion of many people.
⇒多くの人から意見を聞き、勘案する。
・Please take me into account.
⇒何卒ご勘案くださいますようお願い申し上げます。
・I take into account the circumstances regarding this matter.
⇒本件につきましては、条件を勘案いたします。

「勘案」の意味を正しく理解して語彙力を高めよう!

「勘案」は「複数の条件や要素を考え合わせる」という意味の言葉です。

公的文書などでよく使われるお役所言葉のため、ビジネスシーンで目にする機会はあまり多くありません。しかし、常識として、読み方や意味を覚えておきたい言葉でもあります。

ビジネスシーンでは「考えること」を伝えるシチュエーションは非常に多いものです。「勘案」の類義語である「考慮」や「検討」との違いを理解し、状況に応じてふさわしい熟語を使い分けられるようにしましょう!