「改めて」は「また今度」ってこと!
上司
新人
上司
「改めて」とは、「また今度」や「再度」という意味の言葉です。さまざまな場面で使うことができる言葉なので、ビジネスシーンだけでなく日常会話でも頻繁に耳にしますね。
ビジネスシーンでは「改めてご連絡いたします」「改めてお礼申し上げます」など、別れ際の挨拶やメールの文末に使われることが多いです。
「改めて」にはいくつか言い換え表現もあるため、シチュエーションに応じたフレーズを選択できるよう身につけておきましょう。
・再度
「改めて」の意味
「改めて」という言葉には大きく2つの意味があります。
1つ目は冒頭でご説明した「また今度」や「再度」のほか、「別の機会に」や「もう一度」という意味です。
2つ目は「今さら」や「新たに」という意味です。この場合は「改めて彼のすごさに気づいた」など、物事を再認識・再確認するという意味で使われます。
上記のほかに「服装や態度を正す」という意味で、「生活態度を改める」のような使い方もします。
「改めて」の使い方・例文
「改めて」という言葉は、使う相手を選ばず会話・メールともに使うことができます。
ここからはビジネスシーンにおける「改めて」の適切な使い方や例文をご紹介していきます。言い回しやシチュエーションなどもあわせてチェックしてみてくださいね。
「改めて」を使った「再度」を意味する例文
「改めてご挨拶に伺います」
「また改めてお電話差し上げます」
「〇〇についてはご配慮いただき助かりました。改めてありがとうございました」
「今回の議題については、日を改めて話し合いましょう」
「本日のイベントは荒天のため改めて実地致します」
「再度」や「別の機会に」という意味で「改めて」を使う場合は、「改めて〇〇します」のような言い回しが一般的です。
電話をかけた相手が不在の場合、「では改めます」のような使い方をする人がいます。失礼な表現というわけではありませんが、丁寧さに欠けた印象を与える可能性があるため「では改めてこちらからお電話します」などと伝えるほうがよいでしょう。
顔が見えない電話でのやりとりは誤解を与えやすいため、普段以上に言葉遣いに気を配る必要があります。
「改めて」を使った「再確認」を意味する例文
「この企画書を改めて読み返すと、改善の余地があると感じた」
「歴史を改めて学ぶと、新しい発見が次々と見つかる」
「改めて取扱説明書を読んでみると、使っていない機能がたくさんある」
再認識・再確認という意味で「改めて」を使う場面は、日常生活の中でも非常に多くあります。
特にビジネスシーンでは経過・成果報告の場面などでよく用いられるため、上手く使いこなせるようにしておきたいですね。
「改めて」を使う際の注意点
「改めて」は使う状況によっては適切ではない場合があるため注意が必要です。ここからはビジネスシーンで「改めて」使用する際に気をつけるべき2つのポイントをご紹介します。
反復すること・日程が決定済みのことには使わない
「再度」を意味する「改めて」は、基本的に明日~明後日と反復して行うことや、すでに日程が決まっていることには使用しません。
たとえば、毎日行う会社の朝礼に対して、「明日も改めて朝礼を行う」とはいいませんよね。また、ビジネスシーンにおいて、時間や日程の指定が可能な場合は「〇日の〇時頃にご連絡します」と具体的に内容を示すのが一般的です。
上司
「改めまして」は意味が変わってしまう
「改めて」のより丁寧な表現に、丁寧語の「ます」をつけた「改めまして」という言葉があります。
丁寧語にすることで、「気を取り直してもう一度行う」や「仕切り直して」「心機一転を図って」などの意味合いとなります。主にそれまでの場面や話題を切り替えるときなどに使用されます。
たとえば、仕事で出会った相手と、ひとしきり挨拶や談話を終えた際「では改めまして、よろしくお願いします」などと使うことができます。
これまでご説明した「改めて」の意味とは異なるため、2つの違いをしっかりと理解しておきましょう。
「改めて」の類語・言い換え表現
「改めて」の類語としては「後ほど」「再度」などがあります。意味やニュアンスがそれぞれ違うため適宜使い分けられるようにしておきましょう。
後ほど
「後ほど」とは「後で」という意味の言葉です。具体的な時間指定を避ける表現として使うことができます。
「後ほどメールにて詳細をお送りいたします」
「後ほど」が表す時間は個人によって違いますが、一般的には直後~当日以内と考える人が多いです。
一方、「改めて」には「後日に」というニュアンスが含まれます。当日中に連絡を返す必要がある場合など「わかり次第、改めてご連絡いたします」と使っても間違いではありませんが、人によっては「すぐ連絡してくれないのか?」と不安に感じる可能性もあります。
次回の日程が決まってない場合でも、当日中の対応が可能・必要であれば「後ほど」と表現したほうが相手に安心感を与えることができます。内容の緊急性に応じて、使い分けるようにしましょう。
新人
再度
「再度」は「再び」「二度」という意味の言葉です。
「再度こちらから伺います」
「改めて」には「再度」という意味は含まれるため、言い換え表現として用いることができます。
ただし「改めて」は「達成しなかったことに対して計画を立て直す」、「再度」には「同じことをもう一度行う」というニュアンスがあります。
したがって、「今回のイベントは荒天のため、改めて開催いたします」と「今回のイベントは好評のため、再度開催いたします」とでは意味が異なります。前後の文脈や状況に合わせて、使い分けるようにしましょう。
「改めて」の英語表現
ビジネスシーンにおいて「改めて」はよく使われる言葉です。いざというときのために会話やメールでの使い方を英語表現でも確認しておくと安心できます。
again
another time
と表現できます。
「改めて」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒後日改めてご連絡いたします。
・I will vist you again.
⇒改めてご挨拶に伺います。
・Today’s event will be held another time due to the stormy weather.
⇒本日のイベントは荒天のため改めて実地致します。
・If you learn history once again, you will find new things one after another.
⇒歴史を改めて学ぶと、新しい発見が次々と見つかる。
・If you read the manual again, there are many functions that you do not use.
⇒改めて取扱説明書を読んでみると、使っていない機能がたくさんある。
「改めて」をビジネスシーンで正しく使おう!
「改めて」とは、「また今度」や「新たに」という意味の言葉です。ビジネスシーンではさまざまな場面で使える表現ですが、反復すること・日程が決定済みのことには使わないと覚えておきましょう。
また「改めまして」は「仕切り直して」という意味になるため、つい必要以上に丁寧な言葉に直してしまう人は要注意です。
「改めて」は使い勝手のよい言葉だからこそ、意味を理解して正しく使えるようにしておきましょう!